熊野三山へ通じる信仰の道『熊野古道』!!
『伊勢路』は、熊野三山と伊勢神宮の2つの聖地を結ぶ参詣道です!
海岸沿いに並ぶ峠には、熊野古道の中でも特に美しい”石畳”が残り、公式の参詣道”中辺路”と並ぶ非常に人気の古道ハイクスポット!
今回はそんな『伊勢路』の概要や見どころ、数多くの峠道の中からオススメコースをまとめました!
はじめての『熊野古道』ハイキングにオススメのコース↓
ブログ内の『熊野古道』関連記事リンク集↓
熊野古道「伊勢路」とは?
『伊勢路』とは、熊野三山に通じる参詣道「熊野古道」の1つ!!
その名前の通り『伊勢神宮』と『熊野』を結ぶ古道となります!
「伊勢に七度、熊野に三度」と近世の民謡に詠われた二大聖地をたどる巡礼路!
伊勢路は平安時代の文献にも名が登場するほど古い歴史があります!
しかし当時は紀伊路・中辺路が公式の参詣道(御幸道)であったため、庶民の巡礼が盛んになる近世以降に賑わいを見せた街道となります!
上皇・貴族による熊野御幸の道として発展した中辺路に対し、伊勢路は庶民の信仰・生活路として発達しました!
また伊勢路は『西国三十三所観音巡礼』の道でもあります!
東国からの巡礼では、伊勢神宮に参拝後、新宮を経て、西国観音霊場第一札所がある那智山を目指したとされています!!
『熊野詣』『お伊勢参り』『西国三十三所観音巡礼』と、まさに日本を代表する「信仰の道」!!
これら伊勢路にある「峠道」や「史跡」は、『紀伊山地の霊場と参詣道』の構成資産の一部として”世界遺産”に登録されています!!
世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』とは、
和歌山・奈良・三重の3県にまたがる
- 『吉野(大峰)』『熊野三山』『高野山』の3つの霊場
- 「熊野参詣道」「大峯奥駈道」「高野参詣道」霊場をつなぐ参詣道
を登録対象とする世界遺産(2004年登録)!
伊勢路の概要
【伊勢路 概要】
起点:伊勢神宮 終点:熊野本宮大社・速玉大社
- 本線:伊勢神宮→熊野速玉大社:約170km
- 本宮道:熊野市有馬→熊野本宮大社:約50km
他の熊野古道は、和歌山県・奈良県を中心に古道が広がっていますが、伊勢路は三重県の海岸沿いに通じるコースとなります!熊野への東側の入り口!!
本線となるのは伊勢神宮~新宮・熊野速玉大社への道のり170km!!
途中、「花の窟神社」がある熊野市有馬から、熊野本宮大社へ向かう『本宮道(50km)』と分岐します!
他の熊野古道ルートに比べても、非常に距離の長い街道です!
そのおかげで、地域ごとに特色の違う風景を楽しむことができ、とっても見どころが豊富です♪
また海岸沿いに続く古道なので、峠道それぞれの標高は低く、紀伊山地内にある峠に比べると歩きやすいコースが多い印象です!
古道ハイク初心者の方から挑戦しやすく、このあたりも「伊勢路」の人気が高い理由だと思います!!
ちなみに伊勢神宮→新宮・本宮までの踏破にかかる日数は健脚の方で約7日~10日もかかります!!
ブログ主の『伊勢路の旅』パート①はこちら↓
伊勢路の見どころ!
伊勢路の見どころはなんと言っても熊野古道を象徴する『石畳』の美しさです!!
熊野古道といえば石畳!!
ブログ主は今まで他の熊野古道(中辺路・紀伊路・小辺路・大辺路)のほとんどのコースを歩いてきましたが、その中でも伊勢路にある石畳道の美しさは特別だと思います!
伊勢路は特に”江戸期”に盛り上がりをみせた街道です!
他のコースに比べると近世に整備された峠道が多く、残されている石畳の状態は非常に良好です♪
また伊勢路は地域の方々の”さんぽ道”として親しまれたように、庶民の生活に密着した”生活路”でした!
峠道の途中には、イノシシ避けの『猪垣』や土地の神様を祀る祠なども多く見られます!
熊野古道は、手つかずの大自然ではなく、人々の信仰や営みが垣間見れる道!
地域の歴史を体感できるのも古道ハイクの大きな見どころの1つです!!
伊勢路は紀伊半島の南東の海岸線を進むルートです!!
熊野灘を始めとした美しい『海の景色』を眺めながら古道ハイクを楽しむことができます!!
峠→港町→峠と、行き来しながら進む伊勢路は、地域ごとの風景の変化が非常に多彩です!
峠道の途中に木々の間から眺める海!!
『石畳』や『海の風景』を楽しむなら、伊勢路は熊野古道のベストルートだと思います♪
参考になるコースマップ!
【参考になるコースマップ】
- ①世界遺産「熊野古道伊勢路」公式サイトのコースマップ
- ②みえ東紀州「くまどこ」イラストマップ
- ③山と渓谷社「ちゃんと歩ける 熊野古道 中辺路・伊勢路」
「伊勢路」に挑戦するにあたって、ブログ主は上記の3つのコースマップを参考にしました!
①世界遺産「熊野古道伊勢路」のコースマップ
世界遺産「熊野古道伊勢路」の公式サイトで配布されているコースマップ!
コースの概要や史跡の情報はもちろん、距離・歩行時間・散策レベルまでわかりやすくまとめられています!!
公式サイトよりPDF形式でダウンロードできます!
②みえ東紀州「くまどこ」イラストマップ
東紀州ITコミュニティさんが運営する、みえ東紀州「くまどこ」のサイトでは、イラストマップが配布されています!
実踏データに基づいて作成されているコースマップとなるので、古道ハイクの心強い味方です♪
伊勢神宮から熊野速玉大社・本宮大社まで、伊勢路のほぼ全てのコースをご紹介されています!!
こちらもHPよりPDF形式でダウンロードできます!!
③山と渓谷社「ちゃんと歩ける熊野古道 中辺路・伊勢路」
こちらの本は、いわゆる地図帳となります!
伊勢神宮~熊野速玉大社までのルートが、170km分しっかりと案内されています!!
伊勢路は、生活路としても活用されていた古道なので、峠と集落・市街地を行き来して進んでいきます。
峠道には道標が多く設置されているのですが、麓の町中はかなり道順が複雑です。
そんな市街地の迷路のような順路も、この本ではくまなくルート案内されています!!
道順だけでなく、道中にある史跡・見どころの解説もあり、非常に情報量の多いマップです♪
また、この本の素晴らしい点は、手のひらに収まるサイズであるところ♪
ザックやポケットに入れておけるので、行動中もパッと取り出せて、すぐに道順の確認ができます!!伊勢路旅の間はずっとチェストバックに入れて持ち歩いていたので、もうボロボロです!笑
伊勢路を踏破したい!という方にはぜひオススメしたいマップです♪
交通・アクセス
伊勢路の各コースへのアクセスはJR「紀勢本線・きのくに線」が便利!!
伊勢路の本線である伊勢神宮~新宮・熊野速玉大社までの区間は、コースのほとんどがJR路線と並走しています!!
峠を越えて麓に下るとすぐに駅があるので、伊勢路を歩く際にとっても便利な路線です♪
マイカーの場合も、国道42号線が並走しているのでアクセス良好!
各コースの登り口にも駐車場が多いので、電車・車を組み合わせての計画も立てやすいです!!
このアクセスの良さも熊野古道の中で伊勢路の人気が高い理由だと思います!!
伊勢路のおすすめコース!
『伊勢路』の峠道の中から特にオススメのコースをご紹介します!!
- 『荷坂峠・ツヅラト峠』梅ヶ谷駅~紀伊長島駅
- 『始神峠』三野瀬駅~船津駅
- 『馬越峠』相賀駅~尾鷲駅
- 『八鬼山越え』尾鷲駅・大曽根浦駅~三木里駅
- 『松本峠』大泊駅~有井駅
- 本宮道:『風伝峠』から『通り峠・丸山千枚田』
コースの難易度・体力度は★3段階で評価し、コースタイムや距離・見どころなどの情報をまとめました!
※難易度・体力度などはブログ主の個人的な感想です。コースの状態を保証するものではありません。
『荷坂峠・ツヅラト峠』:熊野灘を見る国境の峠!
梅ヶ谷駅~紀伊長島駅の区間には「荷坂峠・ツヅラト峠」の2つの峠があります!
この2つの峠は大紀町・紀北町の境にあり、古くは伊勢国と紀伊国の国境でした!
この峠を越えると、伊勢路は熊野灘の海岸へとたどり着きます!
伊勢神宮から海岸へ抜ける最後の峠です!!
もともとのメインルートは「ツヅラト峠」!ツヅラトという名前は、峠道が急峻な”九十九折”の道であったことに由来します!
ツヅラト峠が険しかったために、江戸初期に紀州徳川藩の初代藩主「徳川頼宣」が東側に開いたのが「荷坂峠」となります!
『荷坂峠』:美しい自然林と展望の峠道
〈コース概要〉
- 起点:梅ヶ谷駅 終点:紀伊長島駅
- 距離:約7.5km
- 標準コースタイム:約3時間
- 難易度:★ 体力度:★
「梅ヶ谷駅~紀伊長島駅」区間の東側の峠「荷坂峠」!!
ツヅラト峠に比べて標高が低く、近道で便利だったため、「お伊勢参り」が盛んに行われるようになると東国からの旅人もよく利用するようになり、伊勢路のメインルートとなりました!
そのおかげで現在も道幅が広くアップダウンが穏やかな峠道です!
ということで、このコースは伊勢路の入門コースとしてもピッタリです!!
実際の山行記事はこちら↓
梅ヶ谷駅から荷坂峠までの登りは、ほぼ国道42号線と並走します!
途中から、脇の林道へと入り、荷坂峠トンネルの前で国道を渡れば、すぐ荷坂峠に到着です!!
荷坂峠の地道区間は、紀伊長島駅への下り側の方が長い!!
下り道は、ブナを始めとした非常に美しい自然林の中を進んでいきます!
他の峠道のように石畳道はありませんが、”オンツツジ”などの季節のお花が古道を彩ります♪
またコース最大の見所は、下り道の中盤にある”沖見平”からの展望!!
伊勢路はここで初めて、熊野灘の水平線を眺めることになります!
緩やかな峠道を下り、国道に合流すると道の駅「紀伊長島マンボウ」があります!
「海鮮丼」など長島港で採れたお魚が楽しめるレストランや、「マンボウ・サメの串焼き」と一風変わったメニューで人気の道の駅♪
お立ち寄りにオススメです!
『ツヅラト峠』:海の景色と石畳の坂!
〈コース概要〉
- 起点:梅ヶ谷駅 終点:紀伊長島駅
- 距離:約9.5km
- 標準コースタイム:約4時間
- 難易度:★ 体力度:★★
「ツヅラト峠」は、荷坂峠の西側にある峠道です!
名前の由来は、紀伊長島側へと下る”九十九折(つづらおり)”の急坂道!!
アップダウンが急な峠道となるので、荷坂峠よりも少し体力的にはキツめのコースとなります!!
ですが、急峻な峠は非常に展望に優れ、九十九折の下り道は見事な石畳道が約300mも続きます!!
地道区間の距離は短めですが、古道感に富んだ魅力いっぱいのコースとなります♪
実際の山行記事はこちら↓
梅ヶ谷駅から川沿いを進み、道案内に従って林道を登っていくと、ツヅラト峠の登り口(栃古口)があります!
ここから峠までは、樹林帯を一気に登ります!
急峻な峠に立つと、長島港を見下ろす絶景が広がります!!
名前の由来になっている九十九折の下り道!!
峠から足腰にくる急な下り道が続きますが、
しばらく下っていくと、足元が見事な石畳に変わります♪
麓に近づくにつれて、石畳も立派なものに変わっていきます!登り口まで約300mも続く石畳道!!
アップダウンが激しいコースですが、「海の展望」「石畳」と熊野古道らしさがギュッと詰まった名コースです!!
『始神峠』:江戸道・明治道が交差する好展望の峠!
『始神峠』は往来より”景勝の峠”として知られる景色の良い峠です!
”紀伊の松島”と称される海に浮かぶ島々を、峠の展望台から眺めることができる峠となります♪
また「江戸道」「明治道」と2つのルートがあり、コースバリエーションも楽しめる峠道です!
〈コース概要〉
- 起点:三野瀬駅 終点:船津駅
- 距離:約8.4km
- 標準コースタイム:約3時間
- 難易度:★ 体力度:★
距離は8.4kmとやや長めですが、アップダウンは穏やかなため、難易度・体力ともに歩きやすい区間だと思います!
登り口には「始神さくら広場」という”桜の名所”の公園があります!
春は公園でピクニックを楽しみ、その後にのんびりと古道ハイキングするプランもオススメです!
始神峠の「江戸道」「明治道」!
登り下りで2ルートずつあるので、計4つのルートから選択できます♪
江戸道・明治道の分岐は、伊勢路にある他の峠道でもみられます!
ですが、始神峠のように登り下りともに通行可能なコースはほとんどありません!
基本的に「江戸道」が急な道で、「明治道」がより歩きやすい道として整備されています!
ちなみにブログ主は登り「江戸道」下り「明治道」で始神峠へ登りました!
実際の山行記事はこちら↓
さくら広場にある登り口から「江戸道」を進むと、木漏れ日が気持ちいい沢沿いのコース♪
沢を離れてからの峠への登りは、熊野古道らしい石段の道が続きます!!
峠は海を見渡す絶景!!
始神峠は標高147mと低めですが、”紀伊の松島”と称される島々が浮かぶ海が見渡せます!!
始神峠からこの景色を見た、江戸時代後期の紀行作家”鈴木牧之”は、
「大洋に潮の花や朝日の出」「まちかねて鶯なくや日のでしほ」
と2句を残しているほどの”景勝の峠”です!!
下り道も石積みが残る美しいコース!
地道区間もやや長めのコースとなるので、山歩きが大好きなハイカーさんにオススメです!!
『馬越峠』:伊勢路随一の『石畳の道』!
『馬越峠』は”石畳道”の魅力を満喫できる伊勢路の代表的なコース!!
熊野古道全体を通しても、石畳の美しさはNO.1だと思います!!!!
登り口から峠を越えて麓に下るまでの約2kmの道のり、そのほとんどに石畳の道が延々と続く、熊野古道の超超人気コースです!!!
〈コース概要〉
- 起点:相賀駅 終点:尾鷲駅
- 距離:約6.8km
- 標準コースタイム:約3時間
- 難易度:★ 体力度:★★
※天狗倉山へ登る場合
- 馬越峠から往復:約60分
- 難易度:★★ 体力度:★★
馬越峠道は大正初期に旧国道が整うまでは、この地域の幹線道路として活用されてきた峠道です!
ということで、非常に整備が行き届いた峠道となります!!
道標も多く整備されており、初心者から経験者まで幅広く楽しめるコースとなります!!
コースの始め・終わりの舗装路区間がやや単調なものの、それすら期待・余韻に浸れるほどの名コースだと思います♪
馬越峠では、便石山や天狗倉山へ通じる縦走路(尾鷲トレイル)が交差します!
馬越峠自体は、木々に阻まれ展望はありませんが、もし時間が許すなら”天狗倉山”まで往復することをオススメします!!
天狗倉山の山頂・天狗岩からは、尾鷲の街を一望する絶景が広がります!!
実際の山行記事はこちら↓
国道42号線沿いにある馬越峠の登り口!!
ここから一歩足を踏み入れると、
感動するほど美しい石畳の道!!!
この美しい石畳道が、尾鷲の町へ下るまで延々2kmも続いています!
これほど美しい石畳道は、熊野古道では那智山の「大門坂」や後にご紹介する「松本峠」ぐらいだと思います!
石畳道を登っていくと、馬越峠に到着!
峠自体は木々に囲まれ展望はありません!
もし時間に余裕がるなら『天狗倉山』まで往復することをオススメします!!
山頂には山岳修験の祖”役の行者”を祀る祠と、大きな天狗岩があります!
山頂までの道はかなり急で、特に山頂付近は巨岩の間をよじ登る険しい道となります!!
ですが、山頂の岩盤や天狗岩に登ると、尾鷲の街・港を見渡す大絶景が広がります!!
美しい石畳とこの絶景!!熊野古道で屈指の人気を誇るのも納得のコースだと思います!!
『八鬼山越え』:伊勢路最大の難所!苔の石畳!
『八鬼山越え』は伊勢路で最大の難所!!
伊勢路の峠の中で、最も標高・距離が長く、アップダウンも非常に厳しい山岳路です!
ですが個人的には伊勢路のベストコースの1つだと思います!
コース内は苔むした石畳と地蔵・供養塔が並び、熊野古道の”信仰の道”として神聖な雰囲気を体感できるコースとなります!!
〈コース概要〉
- 起点:大曽根浦駅 終点:三木里駅
- 距離:約12km
- 標準コースタイム:約5時間30分
- 難易度:★★★ 体力度:★★★
- 尾鷲駅からスタートする場合:+3km/+1時間
尾鷲駅・大曽根浦駅のどちらからでもスタートできますが、「熊野古道センター」に近い大曽根浦駅からスタートするほうがオススメです!
コースは登り始めからやや急なコースとなり、最大の難所は九木峠の手前にある”七曲り”の登り道!
峠を過ぎると道も落ち着き始め、八鬼山峠・八鬼山山頂に到着です!
山頂には展望がありませんが、下り始めてすぐにある”桜の森広場”は開けた展望台となっています!
三木里までの下りも急坂がひたすら続きます!下り切ると海水浴がある三木里に到着です!
登山道ようにアップダウンが激しいコースです!登山靴やトレランシューズなど、しっかりとしたシューズを履いて歩くようにしましょう!
実際の山行記事はこちら↓
八鬼山越えの峠道は非常にアップダウンが激しいコースです!スタートから峠・山頂までかなりの急登が続きます!
ですがその急登も、苔むした美しい石畳となっています♪
巡礼路としての神聖な雰囲気が体験できます!
厳しい峠道を登り切ると、八鬼山の山頂に到着!
八鬼山の標高は627m!!伊勢路では最も標高が高い最高点です!!
山頂から少し下ると、桜の森広場があります!
この広場は視界がパッと開けて、熊野灘の爽快な展望を楽しむことができます!!
厳しい登りを越えて眺める景色は格別です♪
『松本峠』:世界遺産が連続する伊勢路で最後の峠!
「松本峠」は伊勢路の海岸にある最後の峠です!!
松本峠の見どころは、美しい石畳と付近に連続する数々の世界遺産!!
伊勢路で最も見どころの多い人気のハイライトコース!「馬越峠」と並ぶベストコースだと思います!!
〈コース概要〉
- 起点:大泊駅 終点:有井駅
- 距離:約5.6km
- 標準コースタイム:約3時間
- 難易度:★ 体力度:★
麓の最寄り駅は「熊野市駅」ですが、個人的にはもう一駅歩いて「有井駅」まで進むことをオススメします!
峠を下ると広がる日本一長い砂礫海岸「七里御浜」!!
その浜辺沿いには、獅子が咆哮しているようにみえる『獅子岩』、イザナミノミコトの御陵とされる「花の窟神社」があります!!
これらは伊勢路の一部として世界遺産に登録されています!!
実際の山行記事はこちら↓
また松本峠は非常に距離の短い峠道。計画をボリュームアップさせるなら「鬼ヶ城」の散策を組み合わせるのがオススメです!!
鬼ヶ城も伊勢路の構成資産に含まれる世界遺産!
国の名勝・天然記念物でもあり、熊野灘に面した約1kmにも及ぶ奇観の大岸壁です!遊歩道も整備され、鬼ヶ城の東口から松本峠へ合流するハイキングコースも整備されています!
「七里御浜」「獅子岩」「花の窟神社」「鬼ヶ城」と世界遺産が次々に並ぶ見どころの多いコースですね!!
松本峠の登り口は、国道沿いにあります!!
登り口から峠道に入ると、ビシッと並んだ見事な石畳道!!
峠を下るまでずっと美しい石畳が続いていきます!
松本峠までの距離は非常に短く、登り口から20~30分ほどで峠に到着!
峠には、大きなお地蔵さんが立っておられます!
その昔。大馬新左衛門という鉄砲の名手が、松本峠のお地蔵さんを妖怪と勘違いし撃ってしまったという言い伝えがあります!
お地蔵さんの足元にはその時のものと思われる弾痕が残っています。
峠からは展望がありませんが、鬼ヶ城へ続く遊歩道を少し入ると東屋の展望台があります!
この展望台からは、熊野速玉大社がある新宮まで続く”七里御浜”を見渡すことができます!!
那智山を始めとした熊野の山々も眺められる、非常に景観の優れた峠です!
峠を下り七里御浜の海岸を進むと、次々に並ぶ世界遺産!!
獅子が咆哮しているように見える「獅子岩」や、イザナミノミコトを祀る「花の窟神社」は必見です!!
松本峠は見事な石畳と七里御浜を見渡す展望、麓の数々の世界遺産と、熊野古道全体をみても特に見どころの多いコースだと思います!
コース自体も非常に穏やかなため、初めての熊野古道ハイクにもオススメです!!
『風伝峠』から『通り峠・丸山千枚田』:幾重にも重なる棚田を散策!
最後は「風伝峠」から「通り峠・丸山千枚田」を巡るコースです!
松本峠で海岸沿いの峠を終えた伊勢路は、熊野市有馬にある『花の窟神社』を起点に、
- 七里御浜で熊野速玉大社へ向かう「浜街道」
- 山中を進み熊野本宮大社を目指す「本宮道」
に分岐します!
本コースの「風伝峠」「通り峠」はその『本宮道』にある峠となります!!
最大の特徴は、幾重にも重なる日本有数の棚田風景で有名な『丸山千枚田』を散策できるコースであるところ!!
これまでの海の風景が美しかった伊勢路と、また一味違った古道旅が楽しめるのがこのコースの魅力です!
「通り峠・丸山千枚田コース」は、バス停を起点に周回できるコースとなります!
周回する場合は、一周5kmほどの短いコースとなるため、個人的にオススメなのが1つ手前の峠『風伝峠』から歩き始めるプラン!!
「風伝峠」は、『風伝おろし』で有名な峠となります!!
秋から春のよく晴れた早朝に、霧が山肌をまるで巨大な滝のように流れ落ちる「風伝おろし」!
気象条件と地形が織りなす自然の美!運が良ければ、ハイキング当日の朝に出会えるかも!
ちなみに風伝峠の登り口である『尾呂志(おろし)集落』の名前はこの「風伝おろし」に由来します!
2つの峠コースを組み合わせることで、「丸山千枚田」と「風伝おろし」2つの自然景観に出会える(かもしれない)非常に魅力的なコースとなります♪
〈コース概要〉
【棚田・周回コース】
- 起点・終点:千枚田・通り峠入口バス停
- 距離:約5km
- 標準コースタイム:2時間
- 難易度:★ 体力度:★
【風伝峠から通り峠・丸山千枚田】
- 起点:高千良バス停 終点:千枚田・通り峠入口バス停
- 距離:約8.5km
- 標準コースタイム:4時間
- 難易度:★ 体力度:★★
周回コースの場合は「千枚田・通り峠入口」バス停が発着地点となります!
「風伝峠」から歩き始める場合は、「高千良バス停」からスタートです!2つのバス停は同一路線なので行き帰りしやすいと思います!
マイカーの場合は、高千良バス停から国道沿い300mほど先に、熊野古道地域センター『さぎりの里』があります!
『風伝峠』の山行記事はこちら↓
『通り峠・丸山千枚田』の山行記事はこちら↓
峠道ではありますが、どちらも距離が短く、非常に歩きやすいコースとなります!短いながら随所に”石畳道”も良好な状態で保存されているので、熊野古道らしさもバッチリです♪
写真のような苔むした石畳が、どちらの峠道にもあります♪
通り峠には展望がありませんが、峠から急坂を登った先には丸山千枚田を見渡す展望台があります!!
ブログ主が訪れた11月ごろは、すでに稲刈りが終わったあとの風景でした!
田植えのために水が張られる春、青々と生い茂る夏、黄金に稲穂が輝く秋、四季を通じて変化する棚田を眺めることができます!!
峠から下ってそのまま丸山千枚田を散策!!
幾重にも重なる美しい棚田風景を楽しみながら散策しましょう!!
まとめ
ということで今回は熊野古道「伊勢路」のおすすめコース紹介でした!
美しい石畳に開放的な海の景観が魅力の『伊勢路』!
熊野古道の中でも距離の長い街道ですが、そのおかげで非常に見どころ・名所の多いルートです!
今回、ご紹介できていない峠道も、それぞれ特色の異なった魅力的なコースばかり!
初心者から歩きやすいコースが多い一方で、信仰の道らしい歩きごたえがある山岳路もあり、とってもバリエーション豊かです!
実は派生ルートを含めると、踏破しきれていないコースがまだまだあります。今後、実際に歩いた上で、この記事に情報を追加してければと思います!!
ブログ主が旅したその他の「熊野古道」!!