聖地”熊野三山”への参詣道『熊野古道』!日本唯一の「信仰の道」の世界遺産です!!
古来より、数え切れないほどの人々が歩いてきた歴史ある道!
現代では「癒やしの道」としても親しまれるようになり、熊野古道を象徴する”苔むした石畳道”や熊野の豊かな自然を楽しむことができる『古道ハイキングスポット』として大人気です!!
ですが、紀伊半島に広大に通じる古道となるので、本当に多くのハイキングコースがあります!
そこで今回は、たくさんあるコースの中から『はじめての熊野古道ハイキング』にオススメのコースを厳選してご紹介します!!
『熊野古道』の魅力!!
熊野古道は、『熊野三山(熊野本宮大社・速玉大社・那智大社)』に通じる参詣道!
熊野三山はかつて「日本第一大霊験所」と呼ばれた神仏習合の一大霊場でした!!日本の聖地!!
三山を巡拝する”熊野詣”は、平安時代から始まったとされ、中世には「蟻の熊野詣」と呼ばれたほど多くの人々が巡礼した歴史ある街道です!!
熊野古道には、紀伊路・中辺路・小辺路・大辺路・紀伊路の5つのルート(+大峯奥駈道)があります!!
マップを見た通り、紀伊半島に縦横に走る広大な古道となります!!
メインルートは『紀伊路~中辺路』!
中世までの公式参詣道であり、熊野御幸の皇族や貴族はこのルートを辿ったとされています!
その他にも、
- 高野山とつながる『小辺路』
- 半島南端を通じる『大辺路』
- 伊勢神宮とつながる『伊勢路』
- 吉野・大峰と通じる修験道『大峯奥駈道』
と、日本を代表する聖地と熊野をつなぐ「信仰の道」です!!
熊野古道・熊野三山や紀伊半島にある霊場・参詣道は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として世界遺産に登録されています!!
それらの数多くの世界遺産を巡ることができるのも熊野古道ハイキングの大きな魅力です♪
信仰の道として歴史の深い熊野古道のルート内には、「九十九王子」をはじめとした非常に多くの史跡が並んでいます!
また熊野古道を象徴する「石畳道」は、大きな見どころです♪
紀伊山地の深い山の中に続く、苔むした石畳!!樹齢・数百年の巨木が立ち並び神聖な雰囲気が漂います!
遠い昔にタイムスリップしたかのような、かつての旅人気分で散策することができます!!
豊かな自然に囲まれたコースでは、四季折々の花々にも癒やされますよー♪
紀伊半島に広がる熊野古道では、各地域ごとの風景を楽しめるのも魅力です!!
深い森の中を進むコースもあれば、熊野灘を始めとした海の景色が楽しめるコースもあり、とっても変化に富んだ古道ハイキングを楽しむことができます!!
ブログ主が旅した熊野古道の記事一覧↓
はじめての『熊野古道』にオススメのコース5選!!
数ある『熊野古道』のコースから”はじめて”の古道ハイクにおすすめのコースをご紹介します!!
〈はじめての熊野古道ハイクにおすすめ5コース!〉
- 『発心門王子コース』
- 『大日越え』
- 『大門坂』
- 『馬越峠』
- 『松本峠』
参考になる『コースマップ』や『ガイドブック』↓
昭文社『山と高原地図51 高野山・熊野古道 伯母子岳』
山と渓谷社『ちゃんと歩ける 熊野古道 中辺路・伊勢路』
JTBパブリッシング『大人の遠足BOOK 熊野古道をあるく』
①『発心門王子コース』|熊野御幸道のハイライト!!
おすすめコース①『発心門王子コース』
- 「発心門王子バス停」→「熊野本宮大社」
- 距離:約7.0km
- 歩行時間:約2時間
『発心門王子コース』は、本宮の神域の入口とされた発心門王子から熊野本宮大社を目指すコースです!!
「中辺路」は熊野三山を直接むすぶ熊野古道のメインルート!その中辺路のハイライトにあたるのが発心門王子コースとなります!!
熊野古道全体で最も人気で代表的なコースだと思います!ブログ主自身も、はじめての熊野古道ハイクはこのコースを歩きました!
コース内は非常に見どころが多く、熊野古道らしい”石畳道”も随所にみられ、周囲の山々や美しい茶畑と風景の変化も楽しめる魅力いっぱいのコースです!!
おすすめポイント!!
- 史跡・石畳など古道感たっぷり!
- 見渡す展望・集落・茶畑の風景が美しい!
- 約7kmの道のりは平坦~緩やかな下り道!
実際の古道ハイク記録↓
熊野古道のメインルートである中辺路には、道中に”九十九王子”と呼ばれる社が並んでいます!
その中でも格式高い『五躰王子』の1社とされるのが、本コースのスタート地点「発心門王子」です!
王子名の由来となった鳥居が立ち、「発心門」=「悟りを開く入口」とされていました!つまり本宮の神域の入口となる王子社となります!
かつての熊野詣の旅人は、この「発心門」を潜ることに大きな意義を見出していたといいます!
「発心門王子」までは、本宮前からバスが豊富に運行しているので、アクセスがとっても良いコースです♪本宮から15分!
コースは約7kmとやや長めの道のりですが、ゴールの本宮に向かって平坦~緩やかな下り道!
古道ハイク初心者の方でも非常に歩きやすいコースとなります!
道中には熊野古道らしい石畳も多く見られ、古道感もたっぷりなコースです♪
石畳道だけでなく、こういった集落内の小道を進む場面もあり変化が楽しいコース♪
また道中には展望ポイントも豊富で、果無山脈をはじめとした周囲の山々、その麓に広がる集落や美しい茶畑など、のどかな風景が広がります!!
景色の変化を楽しみつつ古道をのんびり下っていくと本宮大社に到着です!!
所要時間も短めのコースなので、到着後は本宮大社や旧社地”大斎原”を巡りましょう!!
②『大日越え』|ひと山越えれば、世界遺産の「温泉」!!
おすすめコース②『大日越え』
- 「熊野本宮大社」→「湯の峰温泉」
- 距離:約3.4km
- 歩行時間:約70分
『大日越え』は熊野本宮大社と”湯の峰温泉”の間にそびえる大日山を越えるコースです!
「湯の峰温泉」は、古くから旅人が本宮参拝前に身を清めた”湯垢離場(ゆごりば)”でした!
ということでこのコースは、ひと山越えると「温泉」が待っているコースとなります♪
本宮側の登り口からしばらくは急登となるものの、コースは非常に良く整備されおり、江戸期の石畳道や、山の地道と変化が楽しいコースとなります!!
おすすめポイント!
- 世界遺産の湯垢離場で温泉が楽しめる!
- 少し急坂だけど距離は短い!
- 本宮・大斎原への参拝と組み合わせできる!
実際の古道ハイクの記録↓
大日越えの登り口は、本宮からほど近い集落内にあります!
徒歩でもすぐなので、本宮大社→大斎原を巡ってから登り口に向かうプランがオススメです!
登り口からは民家の間に続く石階段を登っていきます!こういう集落内の道を進むのも熊野古道ハイキングの醍醐味です♪
このコースは距離は短めですが、登り始めは少し急坂が続きます!
苔むす石階段と杉林!!古道の面影を楽しみながらのんびり登りましょう!
途中にある”月見ヶ丘神社”を過ぎれば、それ以降はほぼ平坦な道となります!!
山を越えて下ると、湯の峰温泉にそのまま抜けることができます♪
湯の峰温泉の歴史は古く、開湯から約1800年にもなります!!日本最古の温泉です!
険しい道のりを旅してきた巡礼者を癒やし、本宮参拝前に身を清める”湯垢離場”として古くから利用されてきました!
そんな湯の峰温泉には『つぼ湯』という湯船があります!!
ブログ主が訪れた際は青白いお湯でしたが、実はこの「つぼ湯」は1日に7回も色が変化するという不思議なお風呂!!
また小栗判官の蘇生伝説の舞台ともいわれる神秘の湯です!
この「つぼ湯」は熊野詣の湯垢離場として『世界遺産』に登録されています!!!
また湯の峰温泉を訪れた際に、ぜひオススメしたいのが『湯筒』で作る、ゆで卵や蒸かし芋!!
河床から湧く源泉で茹でた卵は、本当に驚くほどの美味しさです!!!
詳しくは「湯の峰温泉」の記事をごらんください↓
③『大門坂』|那智山へ続く美しい石畳道!!
おすすめコース③『大門坂』
- 「大門坂入口」→「那智山」
- 距離:1.3km(石畳道は約640m)
- 歩行時間:約40分
『大門坂』は熊野詣の最終目的地「那智山」へ通じるコースです!
中辺路のみならず熊野古道全体でも特に”石畳”が美しく残るコースとして大人気!!
また距離が非常に短く、那智山までゆっくり登っても1時間かからないコースなので、熊野古道ハイキングの入門コースにピッタリです♪
それでいて、神秘的な”熊野古道らしさ”を最も体感できるコースだと思います!!
おすすめポイント!
- 那智山へ続く約600mの石畳の坂!!
- 距離が短く観光しながら気軽に挑戦できる!
- 那智山内・那智大滝を巡りボリュームアップ!
実際の古道ハイク記録↓
大門坂の入口には、世界遺産の碑があります!
昔の熊野詣では、本宮大社→速玉大社→那智山の順に、三山を巡ったとされています。
つまり那智山は熊野詣の最終目的地!!大門坂はその最後の聖地へのクライマックスコースとなります!!
入口から1歩足を踏み入れると、美しく苔むした石畳の1本坂!!
両脇には巨大な杉が立ち並び、最後の聖地に向かうにふさわしい堂々とした道です!!
石畳の階段は267段!!約640mの石畳が那智山の入口へと続いていきます!!
那智山まではゆっくり大門坂を登っても1時間足らずで到着!!
その後は広大な那智山内を巡礼しましょう!!
西国三十三所観音巡礼の第一札所「青岸渡寺」へ参拝し、
落差日本一の名瀑「那智大滝」まで巡るプランがオススメです!!
落差133m!『日本三名瀑』にも選ばれる熊野を代表するスポットです!!
滝の前には大滝をご神体とする那智大社の別宮「飛瀧神社」があり、御滝拝所へ入って間近から見上げると水量も多くて迫力満点!
落差もすごいですが、なにより流れ落ちる滝の美しさや神秘的な姿に圧倒されます!!
④『馬越峠』|2kmも続く熊野古道きっての石畳道!!
おすすめコース④『馬越峠』
- 「相賀駅」→「尾鷲駅」
- 距離:約6.8km
- 歩行時間:約3時間
『馬越峠』は”石畳道”の魅力を満喫できる伊勢路の代表的なコースです!!
中辺路では先程の「大門坂」、伊勢路ではこの『馬越峠』が最も石畳道が美しいコースだと思います!
今回紹介するコースの中では、アップダウンもありやや歩きごたえのあるコースですが、登り口から峠を下るまでの約2kmの間は石畳道が延々と続く、熊野古道の超人気コースです!
おすすめポイント!
- 美しい石畳が約2kmも続く峠道!
- 海・山の景色が良い!
- 駅→駅をつなぎアクセスも良い!
実際の古道ハイク記録↓
馬越峠の登り口は、国道沿いにあります!
馬越峠の道は、大正初期に旧国道が整うまで、この地域の幹線道路としても活用されていました!
そのため、非常に整備が行き届いた峠道となり、初心者から経験者まで幅広く楽しめるコースです!
登り口から峠道へ入ると、この見事な石畳道!!
”熊野古道の石畳”といえば、ブログ主は一番に馬越峠の石畳を思い浮かべるほど、美しさに感動した憶えがあります!!
細い川に掛かる一枚石の橋!!
峠の少し手前にある広場からは、紀伊山地の雄大な景色が眺められます!
左奥に見える山は、日本百名山の大台ケ原です!
展望ポイントから少し登れば馬越峠に到着!
石垣の残る茶屋跡に、可涼園桃乙の句碑が立っています!
尾鷲側への下り道も石畳が続き、麓へ降りると海が美しいの港町!!
石畳と山・海の展望!!熊野古道の魅力をギュッと詰め込んだような名コースだと思います♪
⑤『松本峠』|数々の世界遺産と七里御浜を見渡す景勝の峠!!
おすすめコース⑤『松本峠』
- 「大泊駅」→「有井駅」
- 距離:約5.6km
- 歩行時間:約2時間30分
『松本峠』は、苔の石畳道と付近に世界遺産が連続する見どころの多いコースです!!
標高は135mと海岸沿いにある小さな峠ですが、峠から海の絶景が広がる「景勝の峠」としても知られています!!
また麓には、世界遺産に登録されている史跡・天然記念物が連続する、熊野古道きっての見どころ満載のコースです!!
おすすめポイント!
- 峠へ続く美しい石畳道!
- 展望台から眺める「七里御浜」の絶景!
- 「鬼ヶ城」「獅子岩」「花の窟神社」と世界遺産がいっぱい!
実際の古道ハイクの記録↓
松本峠の登り口は、大泊駅からほど近い国道沿いにあります!
標高の低い海岸沿いの峠ですが、その道程は苔むした石畳道♪
ビシッと並んだ見事な石畳道です♪
距離の非常に短い峠道ですが、登り・下りともに美しい石畳道が続きます!
峠からは展望がありませんが、鬼ヶ城へ続く遊歩道を少し進めば東屋の展望台があります!!
この展望台からは、熊野速玉大社がある新宮市まで続く”七里御浜”を見渡すことができます!
遠くに那智山を始めとした熊野の山々も遠望でき、とーっても素晴らしい景色を眺めることができます♪
松本峠の麓にある最寄り駅は「熊野市駅」ですが、もう一駅だけ歩いて「有井駅」へ向かうことをオススメします!!
熊野市駅→有井駅の区間は、展望台から眺めた『七里御浜』を歩くことができます!!
七里御浜は日本一長い砂礫海岸!!
その海岸には、獅子が咆哮しているように見える『獅子岩』、イザナミノミコトの御陵とされる「花の窟神社」があります!!
この2つの史跡・天然記念物も、熊野古道を構成する世界遺産!!
また『松本峠』は、有井駅まで歩いたとしても歩行タイムの短いコースとなります!
そこで、さらにボリュームアップさせるなら、「鬼ヶ城」への散策を組み合わせるのがオススメです!!
鬼ヶ城も熊野古道の構成資産に含まれる世界遺産!!
国の名勝・天然記念物にも指定されており、熊野灘に面した約1kmにも及ぶ奇観の大岸壁です!松本峠へ合流できるハイキングコースも整備されています!!
「七里御浜」「獅子岩」「花の窟神社」「鬼ヶ城」と世界遺産が次々にあらわれる、とっても見どころの多いコースです♪
まとめ
ということで今回は『はじめての熊野古道ハイキングにおすすめのコース』のご紹介でした!
紀伊半島に広大につながる熊野古道!
実は、紹介したいコースはまだまだたくさんあります!!
熊野古道には、本当にたくさんのコースがあり、それぞれ特徴の異なった魅力的なコースばかりです!
ぜひ『熊野古道』に挑戦してみてください!!
『熊野古道』各ルートのおすすめコースはこちら↓