2023年9月上旬、今回は『大旗山(楊柳山)』に登ってきました!
大旗山は和歌山県和歌山市と海南市の境にある標高245mの山!
別名「楊柳山」とも呼ばれ、南北朝時代には南朝方の重要拠点として築かれた「篠ヶ城」があった山として知られています!
北麓には弘法大師さまが開創された「孟子那賀寺」があり、その周囲の”不動谷”では水生植物や水生昆虫など見られる『ビオトープ孟子』が広がっています!
こちらは「NPO法人 自然回復を試みる会」の方々が里山の環境回復に尽力されている施設となります!
これらを巡るコースは『僧兵の道・城跡トレッキングコース』と呼ばれます!これはかつてこの地域が”根来衆”で有名な『根来寺』の領地であり、僧兵が歩いた道であったことに由来します!
さらに麓には紀伊国一之宮の『伊太祁曽神社』!「たま電車」で人気の”わかやま電鉄貴志川線”が走るなど周辺の見所も多い山となります!
今回はそんな大旗山へ、わかやま電鉄の鉄道を利用した山行プランで登ってきました!!
『根来寺』についてはこちらの記事でご紹介しています↓
大旗山(楊柳山)の登山コース
代表的なルート
『大旗山』への登山コースは、
- 大池遊園駅→大谷峠→鶴者峠→大旗山
- 伊太祈曽駅・神社→観音寺→地蔵峠→大旗山
- ビオトープ孟子・入口側登山口→大旗山
- ビオトープ孟子・那賀寺側登山口→大旗山(最短コース)
などがあります!
わかやま電鉄の『伊太祈曽駅』『大池遊園駅』を起点とできるので電車でのアクセス良好!また北麓の「ビオトープ孟子」からは短時間で登ることができます!
ですが、本編でご紹介しますが「登山コースは全体的にやや荒廃気味」で、倒木や崩落が多く登山道の状態が悪くなってしまっている印象です!!
少し前の登山ガイドブックなどでは”初心者向”としてご紹介されていますが、初心者・ソロでの入山はオススメできないです!
ピークハントなら、ビオトープ孟子内の『孟子那賀寺』側の登山口から最短コースをピストンするのが無難だと思います!
今回のプラン
今回は『大池遊園駅』からビオトープ孟子へ向かい、大旗山から伊太祁曽神社へ下るプランで登ってきました!
大池遊園駅をスタート!まずは大池から林道を登り大谷峠へ!峠から下り畑の道を進んで鶴者峠を越えて『ビオトープ孟子』に向かいます!
孟子那賀寺に参拝後は、不動谷の入口側登山口から登り始めましたが、道の状態が悪く引き返す!
那賀寺側の登山口から再度入山して、最短コースで大旗山へ登ります!
大旗山からは西(黒岩側)へ進み、宝光寺跡・地蔵峠を経て観音寺に下山!和田川沿いを進んで伊太祁曽神社にお参りし、伊太祈曽駅にゴールです!
このプランでの総距離は約10.7km!
標準コースタイムは4時間30分です!
〈今回のプラン〉
- 大池遊園駅(6:19)→大谷峠(6:36)→鶴者峠(7:06)→ビオトープ孟子(7:26-44)
- 道が悪く引き返す:入口側登山口~(7:48-8:07)
- 那賀寺側登山口(8:12)→大旗山(8:34)
- 地蔵峠(9:11)→観音寺(9:27)→伊太祁曽神社(10:00)→伊太祈曽駅(10:13)
登山口の駐車場とアクセス
『伊太祈曽駅』前にコインパーキングあり!
マイカーの場合は、わかやま電鉄『伊太祈曽駅』前にコインパーキングがあります!
前払いチケット式で、1日200円!
伊太祁曽神社へもすぐの位置にある好立地のコインパーキングです♪
『大池遊園駅』から歩く場合は、ここにデポして電車移動がオススメです!
またコース内の『ビオトープ孟子』にも入口に駐車場があります!
山頂へのピークハントや、孟子那賀寺への参拝にはこちらの駐車場が便利!
アクセス
〈マイカーの場合〉:伊太祈曽駅
- 阪和自動車道『和歌山南スマートIC』から約7分
〈公共交通機関の場合〉:わかやま電鉄貴志川線
- 和歌山駅→大池遊園駅:370円
- 貴志駅→大池遊園駅:190円
- 伊太祈曽駅→大池遊園駅:250円
大旗山(楊柳山)に登山!
「わかやま電鉄貴志川線」に乗る♪|伊太祈曽駅→大池遊園駅
朝の伊太祈曽駅!!
今回は駅前のコインパーキングに車をデポしたので、起点の「大池遊園駅」までは電車移動です!
実は今回の山行で一番楽しみにしていた「わかやま電鉄貴志川線」!!
猫のスーパー駅長『たま』ちゃんで、一躍有名になった路線ですよね♪
愛らしい猫の駅長さん(=^・^=)
今や海外からの和歌山ツアーでも予定に組まれる大人気スポット!!
駅舎には猫ちゃんの駅長室もありました!!
初代「たまちゃん」の後をついだ、「ニタマちゃん」「よんたまちゃん」!!
出勤表はこちらです!
今回は早朝だったのでお会いできなかった!
そして特別仕様の列車!
ブログ主が乗ったのは「いちご電車」でした!!
「いちご」で装飾された電車♪
車内もこんな感じの特別仕様!!
わかやま電鉄貴志川線は、駅で乗車券を購入するタイプではなく、整理券を各駅での乗車時に取り、下車するときに運賃をお支払いするシステムとなります!
バスと同じようなシステムです!
出発時間を待っていると、反対側の和歌山行きホームに『たま電車』が来たー!!!!!
今日はこの電車を見に来たんやー!!!
三毛猫のたまちゃん可愛いー(*´ω`*)♪
猫耳も付いてるね(゚∀゚)!!!
ということで、いちご電車に乗って「大池遊園駅」に到着しました!
めっちゃ楽しかったー!!!
大池遊園駅→大谷峠→鶴者峠→ビオトープ孟子・孟子那賀寺
〈6:19〉では大旗山を目指して歩いていきましょう!
駅前の道を少し進むとカーブのところで正面に橋があります!
橋を渡ると大池!!
大池園地は、周囲4kmの大池畔に約800本のソメイヨシノが植樹されているお花見スポット!!
カフェやピザが楽しめたり、手作りジェラートが味わえるお店が並んでいました!
大池を過ぎて、そのまま道なりに集落を抜けていく!
道の周囲は、田んぼやイチジク・柿などの果樹畑が並ぶ長閑な景観♪
畑を過ぎると緩やかな登りの林道となり、
〈6:36〉みかん畑の広がる場所が『大谷峠』となります!
今回は歩きませんが、峠の少し手前に「ハイキングコース」の入口があります!
このコースは「竹の里・みかんの里ハイキングコース」という伊太祁曽神社から大池遊園につながる約6.2kmのハイキングコースとなります!
伊太祁曽神社にコースマップが掲示されていました!
大谷峠から緩やかに林道を下る!
その途中、みかん畑ごしにみえる山が今回目指す大旗山!
〈6:48〉10分ほどで峠を下ると、カーブミラーのところに鋭角のカーブがあります!
大旗山は左へ!
カーブに大旗山への道標がありました!
カーブから少し入ったところに分岐!ここは左へ!
みかん畑の中を進んでいきます!
畑の途中の分岐も左へ進み、
みかん畑の間を登っていくと、
ここから地道区間に入ります!
竹林の中を進んでいきます!
竹林の左手に池があり、その畦を進んでいく!
びっしり倒木!
ここは潜って通過できました!
池を過ぎると谷筋の登りとなります!
ここを赤テープに従って九十九折に登っていくと、
〈7:06〉鶴者峠に到着です!
鶴者峠では大旗山・ビオトープ孟子方面へそれぞれ分岐!
今回はビオトープ孟子を経由します!
ビオトープ孟子へ向けて池の畦を下っていく!
少し道が細い場所もあるので足元注意!
なんか巨大な池の主とかいそうな池ですね!伝説の雷魚とかいそう!
池の畦を進んで、草むらの中を左手に下る!
正面に進んでしまいそうになるので注意!
谷に沿って緩やかに下っていきます!
この谷がビオトープ孟子・孟子那賀寺がある不動谷です!
ビオトープ孟子の建物が見えてくると、
大旗山への登山口があります!
ここがビオトープ孟子からの最短コースの登山口となります!
今回のもともとのプランでは入口側の登山口から登る計画でした!ですがそちらはコース状態が良くなかったので、後ほどここから登るプランに変更しました!
ここから山頂までは約20分ほどで山頂に登れます!
〈7:26〉ということでビオトープ孟子の中心エリアに到着です!
ビオトープ孟子は「NPO法人 自然回復を試みる会 ビオトープ孟子」さんが、里山の再生・回復に尽力されている施設です!
孟子不動谷は、815年に弘法大師さまが開山した「孟子不動山那賀寺」への参道でした!
しかし、一旦は谷の水田のほとんどが放棄されてしまい、参道も生い茂るヤブによって閉ざされてしまいました!
そこで1998年に、かつての自然や原風景を取り戻そうと有志の方々が立ち上がり、放棄されていた水田の一部を野生生物たちのための”ビオトープ”として整備!
那賀寺への参道も整備され、水生植物・水生昆虫と共存する美しい不動谷へと回復しました!
ビオトープの説明板!
ビオトープ孟子の「とんぼ池」!!
水生植物と水生昆虫などの生物達が共存するビオトープ!!
こんなにもたくさんの生物達と出会えるそうです(゚∀゚)!!!
そしてそのビオトープの奥に佇む「孟子那賀寺」!!
苔むした美しい参道を辿って、参拝しましょう!
ご本堂と不動ノ滝!!
美しい山寺ですね!
参道に並ぶお地蔵や石仏!
那賀寺は、厄除け不動の「孟子の不動さん」と呼ばれて親しまれています!
ビオトープ入口側登山口→道が悪く引き返す!!
〈7:44〉参拝を終えて行動再開!
ここから当初予定していた、入口側の登山口へ向かいます!
参道に並ぶお地蔵さん!谷には再生された水田が広がっていました!
〈7:48〉お地蔵さんの少し先(右手、写真は振り返ったもの)に、入口側の登山口があります!
で、この道の状態が正直悪かったです!
登山口から少し入ると、谷のトラバース道がほぼ崩落!慎重に通過しましたが、
その先は谷を埋め尽くすほどの倒木!!
ここもなんとか通過しましたが、
尾根に登る赤テープを辿ったところで、
草藪がびっしり生い茂り、テープとトレースをロスト!!!
もしかしたら道間違いかもですが、ここで一旦引き返す!
谷に下り、ほかに道がないか探しましたが、テープやトレースは発見できず。
これ以上、強行して道に迷っても危険なので、ここで引き返すことにしました!
最短コースを登る|ビオトープ孟子→大旗山
〈8:12〉ということで、ビオトープ孟子の中心エリア、那賀寺側の登山口に戻っていきました!
ここから最短コースで大旗山へ向かいます!
こちらのコースは、道にしっかりと赤テープが続いていて、トレースも明瞭でした!
こちらも谷筋コースで、倒木も少し残っていましたが、踏み跡がしっかりしているので歩きにくさは感じませんでしたε-(´∀`*)ホッ
谷を登り、そこから樹林帯を九十九折に一気に登ると、
大旗山の主稜線に合流です!
左手からの道が本来計画していた入口側からのコースです!
あとは稜線を伝って、のんびり登っていくと、
〈8:34〉すぐに大旗山の山頂広場に到着です!!
大旗山244.7m!!
現在はわずかな遺構を残すのみの『篠ヶ城』!
南北朝時代には、南朝方の重要拠点として山城が築かれた場所となります!
「紀伊名所図会」には1360年に、畠山義深が砦としたと記されています!
南と北の出城も含めると、東西1kmにおよぶ城域があったそう!
この城に南朝の残党、楠正久を城主に城兵約500名。これを足利勢の畠山義深が1万以上の軍勢で包囲して攻め落としました!
城兵は山麓の「宝光寺」に葬られたといいます。
その後、篠ヶ城は1585年に豊臣秀吉の軍勢に攻められ落城したそうです!
ちなみに少し前の登山ガイドブックを参考に今回のプランを計画しましたが、以前は大旗山の山頂からの展望も楽しめたそうです!
山頂から「紀州富士」として有名な”龍門山”も眺められたそうですよ!!
黒岩分岐→観音寺→伊太祁曽神社→伊太祈曽駅
今回は山頂にあまり長居せずに下山開始です!
和歌山市側の観音寺(黒岩地区)に下山するので、稜線をそのまま西へ進みます!
しばらくは自然林が多い道を進みますが、
途中から笹のトンネルを下っていきます!
〈8:45〉下りきった鞍部に分岐があります!
分岐をそのまま正面へ進めば、先程通った鶴者峠へ繋がっています!
黒岩方面は分岐で左手に90度曲がる!
黒岩方面の道は、谷に沿ったコースとなります!
谷を横目にトラバースして進んでいくと、
〈8:54〉途中の広場に、『宝光寺跡』の看板があります!
先程の篠ヶ城の歴史に登場したお寺ですね!
道を外れて広場の奥にお寺の跡っぽい石積みがありました!
コースに復帰して再び谷沿いを進む!
こちら側のコースは、先程引き返したビオトープ入口側からの道に比べてかなり歩きやすい!
と、思ったら倒木!!
ザックを降ろして木の隙間を潜って通過しました!
〈9:11〉倒木を過ぎて、谷沿いをしばらく進むと次第に道が落ち着いてきます!
すると分岐があります!
ここが地蔵峠です!
観音寺はそのまま正面へ!地図で確認してみると、右手に進むと、大谷峠から下ったところの、みかん畑付近に下れるっぽい!
地蔵峠には、名前の通りお地蔵さんがおられました!
地蔵峠以降は、竹林の道を進んでいきます!
このあたりからは管理された竹林らしく、人の手が入っている道!今回は荒廃気味の登山道が多かったから、安心感がある道ですね~♪
途中から、地道とコンクリが入り混じったような道になります!
その途中に巨大なキノコ発見(゚∀゚)!!
ブログ主の手のひらより大きい!!
美しい竹林を眺めながらのんびり下っていくと、
〈9:27〉麓の観音寺に到着です!
観音寺から伊太祁曽神社へ向かいます!
集落内の旧道から広めの道路に合流!このあたりでパラパラと雨が降り始めました!
朝の天気予報では、晴れ時々くもりだったのに…。
この時間帯だけの通り雨でした!
道路沿いを少し進んで左手の旧道に入ります!
ここから「和田川」に沿って進んでいくと伊太祁曽神社への近道!
和田川から振り返る大旗山!
川沿いを進んでいくと民家の塀に「ハイキングコース→」の看板があります!
このコースは大谷峠に繋がっている「竹の里・みかんの里ハイキングコース」です!
ということで逆ルートの左へたどれば伊太祁曽神社へ繋がっています!
住宅を横目に小さな峠を越える!下りはこのような竹林の道!!
今回のコース内はこういう美しい竹林がたくさんありましたね♪和の道!!
〈9:52〉竹林を抜けると、田んぼのど真ん中に社寺林が見えます!
この森は『亥の杜』といい、これから向かう伊太祁曽神社の旧社地となります!
伊太祁曽神社へはこの分岐を正面へ進み、路地を抜けるとそのまま参道に合流できます!
ということで伊太祁曽神社の参道に合流!
〈10:00〉伊太祁曽神社に到着です!
伊太祁曽神社に参拝しましょう!
伊太祁曽神社は”紀伊国一之宮”として古くから信仰の篤い神社!
日本書紀や古事記に登場する「五十猛命(いたけるのみこと)」を祀る神社となります!素盞嗚尊(すさのうのみこと)の子!
五十猛命は「日本書紀」に”我が国に樹木を植えて廻った”と記される「木の神様」です!
そのことから、伊太祁曽神社に参拝される方には”木材関係者”の方々が多いらしいですよ!
『伊太祁曽神社』の公式サイトはこちら↓
ちなみに境内の動画撮影は禁止!ですが写真撮影はOKです!!
境内には御神木の”梛の木”や、
御神木の”大杉”など、『木の神』のお社らしく緑の非常に多い境内でした!
それではゴールの駅へ!
参道の大鳥居をくぐり正面へ進めばすぐに駅です!
ちなみに左へ進むと、約200mほどで熊野古道『紀伊路』に合流できます!ブログ主は紀伊路を歩いた際に伊太祁曽神社にお参りしているので、今回が二度目の参拝でした!
大旗山周辺のハイキングコースと熊野古道を組み合わせるプランも魅力的ですね!
たま電車に乗ってハイキング♪
熊野古道『紀伊路』挑戦中に立ち寄った際の記事↓
熊野古道『紀伊路』のオススメコースはこちら↓
〈10:13〉ということで伊太祈曽駅にゴール!!
雨が降ったり、道が荒廃していたりと、少しトラブルの多い山行でしたが、周辺の見所いっぱいで楽しい一日でした!
まとめ
ということで今回は『大旗山』への登山でした!
弘法大師さまが開山した「孟子那賀寺」や、里山再生の「ビオトープ孟子」など山内の見どころが多い大旗山!
麓には紀伊国一之宮の「伊太祈曽駅」があり、「たま電車」で人気の”わかやま電鉄貴志川線”が走る非常にお立ち寄りスポットの多い山行でした!
その反面、ハイキングコースがやや荒廃気味で、予定していたコースの道順が不明瞭だったりと少し反省点も多い一日でした!
倒木で荒れている箇所も多かったので、ピークハントするなら道順が明瞭なビオトープ孟子からの最短コースを選択するのがオススメです!
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