今回はアウトドアナイフのメンテナンスのお話です!
キャンプやブッシュクラフトでの必須アイテム”アウトドアナイフ”!
焚き火での火付けにフェザースティックを作ったり、薪をバトニングで細割にしたり、調理で食材をカットしたりと、ナイフが1本あるだけで様々な場面で活躍してくれます!
しかし、やはり”刃物”なので適切な状態で使用しないと大変危険です!
個人的にアウトドア活動で特に危険な行為は「切れないナイフで作業を行うこと」だと考えています!
切れないナイフでの作業は、必要以上に力を込めなければならないので、結果、ナイフのコントロールを失い、怪我を伴うような事故に繋がる恐れがあります!
きちっと手入れされていると、余分な力が必要なくスムーズに作業ができて、適切な力加減でナイフを安全にコントロールすることができます!
今回はブログ主が普段行っているナイフのメンテナンスについてご紹介します!
アウトドアナイフをしっかり研いで、ナイフが持つ本来の切れ味・能力を復活させましょう!
《記事の内容》
- 準備する物・オススメの砥石の紹介
- アウトドアナイフの研ぎ方
- 使用後の砥石・革砥のお手入れ
準備する物・オススメの砥石やメンテナンスグッズ
まずはアウトドアナイフのメンテナンスに必要な物を準備!
下記がブログ主がナイフのお手入れに使用している”メンテナンスグッズ”です!
- アウトドアナイフ:今回は「モーラナイフ」
- 砥石:シャプトン「刃の黒幕」#1000・2000・5000
- 革砥・コンパウンド(#12000)
- 新聞紙
- 刃物用椿油
それぞれご紹介します!
アウトドアナイフ:今回は「モーラナイフ」
今回はブログ主がメインとして使用している「モーラナイフ Companion Heavy Duty」をお手入れしていきます!定番中の定番ナイフですね!
エッジがフラットなV字の”スカンジグラインド”ナイフとなります!
低価格帯で初心者から非常に扱いやすく、また刃部の角度がフラットなので「研ぎやすいナイフ」でもあります!
ずっとメインで使用しているので”黒錆加工”が剥げてきて見た目が…^^;
またそのうち黒錆加工し直さなきゃですね。
オススメの砥石:シャプトン「刃の黒幕」シリーズ
砥石はシャプトン「刃の黒幕」シリーズを愛用しています!
他のメーカーの砥石も試してみましたが、アウトドアナイフのメンテナンスには、このシリーズが個人的にオススメです!
砥石の粗さ(番手)ごとに色分けされているので、作業もしやすい!荒砥石~鏡面仕上げ用まで幅広くラインナップされています!
ブログ主が使用しているのは、
- 中砥石#1000:オレンジ
- 中砥石#2000:グリーン
- 仕上砥#5000:エンジ
の3種類の砥石を使用しています!
プロの料理人さんであれば、包丁の手入れに鏡面仕上砥まで使用されていますが、アウトドアナイフのお手入れなら、この3つで十分だと思います!
中砥#1000
中砥#2000
仕上#5000
今回のお手入れ方法はあくまでも”切れ味”のためのメンテナンスです!
ナイフに刃こぼれ(チップ)がある場合は、もっと番手の低い”荒砥石”から研ぎ始めましょう!
「刃の黒幕」シリーズの砥石ケースは、そのまま”砥石台”にもなります♪
底の四隅には滑り止めのラバーが配置!
また底部はメッシュ状に穴が空いているので、使用後に濡れた砥石をサッと拭いてからケースにしまえば、自然に乾燥してくれます!
砥石台
続いて砥石台について!
「刃の黒幕」シリーズはケースが砥石台となりますが、少し安定性に欠けます。キッチンのシンクなどであればグリップ力は問題なし!
ブログ主はより安定性を求めて伊藤製作所「123砥石台センター付きGS-TC」という砥石台を使用しています!
こんな感じでガシッと砥石を固定できるので安定性抜群!
ラバーはグリップ力がしっかりあるので、作業中に台がズレたりせずに作業に集中できます。
伊藤製作所の123砥石台シリーズには、より頑丈でサビに強い「ステンレスタイプ(GS-S)」の砥石台もあります!
ですが、ブログ主が使用している「クロームメッキ(GS-TC)」でも、今の所サビたりはしていないので問題ないと思います!
サビに強く頑丈なステンレスタイプ!
革砥・コンパウンド
砥石で研いだ後の仕上げに使う”革砥”。
ブログ主は「Bush Craft inc」のオールサイドパドルという革砥を使用しています!
この革砥はメインの表裏だけでなく、サイドにも革が貼られている四面仕様。サイドは幅が狭めなので、小さなナイフにちょうどよく、使い勝手がいいです♪
コンパウンドも同じく”Bush Craft”の液体コンパウンドを使用しています!
こちらのコンパウンドはもともと革砥だけでメンテナンスできるように開発されたものなので、ラインナップが非常に豊富です!
でもブログ主は砥石使用後の仕上げ用なので、#12000のみ愛用しています!
液体コンパウンドのセットも販売されています!
液体コンパウンドは、まんべんなくナイフを磨けて、しかもストロッピングの際に粉が飛び散らないという利点があります!
ですがその反面、少し革砥が”目詰まり”を起こしやすいです!
コンパウンドに関しては少しブログ主も悩み中です。
定番「バークリバー」の白コンパウンドも試してみたいと考えています。
新聞紙・刃物用椿油
最後は「新聞紙」と「刃物用椿油」。
新聞紙の用途については実際の作業の紹介でお伝えします。
「刃物用椿油」は研ぎが終わった後の、ナイフの保護用です!
研いだ後のナイフは非常にサビやすい状態なので、椿油で錆止めしましょう!
以上が「ナイフメンテナンス」に必要な物でした!
他にもメンテナンス道具を使用していますが、アウトドアナイフを研ぐ作業の中でご紹介します。
アウトドアナイフを研ぐ!
それでは実際にアウトドアナイフを研いでいきましょう!
まずは研ぎ方のザックリとした手順をご紹介!
- STEP1砥石で研ぐ!
- #1000:刃の土台を作る
- #2000:刃を整える
- #5000:研ぎ上げる
- STEP2革砥でストロッピング!
- コンパウンド面で磨く
- コンパウンドなしで磨く
- STEP3仕上げ!
- 新聞砥石で仕上げる
- 椿油でサビ止め
という工程で作業していきます!
「砥石」で研ぐ!切れ味復活!
まずは砥石で研いでいきましょう!
砥石は使う前に水を含ませる必要があります!「刃の黒幕」の説明書には”5~6分ほど水につける”との記載があります。
ですが注意点として、長時間水につけておくのは絶対にやめましょう!
水に長時間つけると、砥石の表面が軟化して、耐久性が落ちてしまいます!
「刃の黒幕」を使用しての個人的な感想では、5~6分より少し短く、2~3分ほどがちょうど良いかな~と感じます。
- 水につけ置くのは5~6分まで!
- つけ過ぎにご注意ください!
水にしばらく浸して、砥石に水分が含まれたら砥石台にセット!!
まずは#1000(オレンジ)で、刃の土台を作っていきます!
研ぎ方はナイフのグリップをしっかりと握って固定し、刃を前後にスライドさせていきます!
力を込める方向は、「刃の反対側(背中側)」方向にスライドさせる際に込めます。
上記の写真の持ち方の場合は”引く”方向です!
”力を込める”と言っても、過度に押し付ける必要はなく、スムーズにスライドできるような力加減でOK!
刃は逆の手でしっかりと支えて、砥石に当たる部分を安定させます!
スカンジグラインドの場合は、刃がフラットなので砥石にベタ付けできるので、安定して研ぐことができます!
このあたりが初心者の方にスカンジグラインドナイフがオススメされる理由だと思います♪
難しいのはナイフ先端のカーブの部分!
ベタ付けして研いでいると自然にナイフが斜めになっていきます。
写真の方向では、右手(柄)が手前に下がり、刃を支える左手側が奥になるような形。
「 \ 」←ナイフがこんな向きになります。
常に刃先のラインが、研ぎ方向に対して直角になるように心がけてください!
片面をしばらく研いでいくと、刃先に”返し”と呼ばれる引っ掛かりができます!
指で触れてみると、返しができているのがわかると思います!
返しができたら反対の面を研いでいきます!
反対の面を研ぐ方法は、左右の手を持ち替えるか、
持ち手は同じままで、ナイフをひっくり返す方法があります!
どちらでもやりやすい方でOK!
ブログ主は柄を右手で持っている方が安定して研げるので、ひっくり返す方法です!
ひっくり返す方法の場合は、力を込める方向も変わり、今度は”押す”方向になります!
先程、研いだ面と同じぐらいの回数を前後にスライドさせて研いでいきましょう!
ここからは、片面「返しができるまで研ぐ」→反対面「同じぐらいの回数研ぐ」を繰り返していきます!
刃の土台がある程度できてきたら、回数を徐々に減らしていきましょう!
最後に、
片面15回→反対面15回
12回→12回
8回→8回
5回→5回
3回→3回
1回→1回
と数えながら研ぐと、均等に研げますよ!
研いでいる際に、砥石の表面が乾いてきたら、少し水を補充します!
ブログ主は水の補充にこのような霧吹き容器を使っています。使い捨てのコップなどでもOKです!
また、研いでいる際にナイフがスリップしているような感覚があると、砥石が”目詰まり”しているサインです!
目詰まりしていると、砥石が食いつかずナイフが研ぎにくくなります。
シャプトンでは”目詰まり”の修正用に「復活砥石」というアイテムが販売されています!
ですがブログ主はシャプトンの「復活砥石」ではなく、人工名倉砥石を使っています!
人工名倉砥石なら、目詰まりの修正だけじゃなく、”砥汁出し”にもなります!
砥石表面に砥汁があると、食いつきがさらに良くなり、、研ぎ作業がスムーズに行えます!
体感では研ぎにかかる時間も、短縮できているような気がします♪
徐々に回数を減らしながら両面を研いで、刃の土台ができました!
この時点で、メモ帳などを試し切り!
スムーズに切ることができるか、確かめてください!
試し切りの際に、引っ掛かりがあれば、研ぎ残しがあるサインです!その場合は、引き続き#1000の砥石で研ぎ直しましょう!!
続いて#2000(グリーン)で研いでいきましょう!
#1000でしっかりと土台ができているので、ここからの#2000→5000は、「刃を整える」ことを意識して作業を進めましょう!
今回の作業時間も、
- #1000:5~10分
- #2000:3~4分
- #5000:1~2分
と、作った土台を整えていくだけなので
作業時間が短くなっていきました!
研ぎ方は#1000と同じ!
両面を徐々に回数を減らしながら、刃を整えるイメージで研いでいきましょう!
#2000で刃先を整えたら、また試し切り!
さっきより更に、切りやすくなっていると思います!
続いて仕上砥の#5000(エンジ)で研いでいきます!
こちらも#2000と同じく刃先を整えることを意識してください!
これで砥石での作業が終了!
最後にチェック!
#5000は、仕上砥にしては少し荒目の番手となりますが、それでもこの時点で軽く”鏡面”のような刃の仕上がりとなりました♪
「革砥」でストロッピング!刃を整える!
次は革砥でのストロッピングして、砥石では整いきれていない刃先を磨いていきましょう!
ストロッピングの作業は2段階で行いました!
- #12000のコンパウンドを塗ってストロップ
- コンパウンドなしでストロップ
砥石で研ぎ終わった時点では、刃先が鋭くストレートに尖っている状態です!
この状態は非常に切れ味が良いのですが、その反面、チップしやすく刃持ちが悪い状態という印象があります。
ストロッピングをすると、自然と刃先が丸まります。刃先に若干の丸まりを付けることで、チップに強く刃持ちが良くなります!
ということで革砥でのストロッピングは、「刃を整えて丸みを作り、刃持ちを良くする」ことが目的となります!
もちろん砥石で除去しきれなかった、目に見えない小さな”バリ”も除去できるので、切れ味もアップして滑らかな仕上がりとなります♪
まずはコンパウンド付きの革砥で磨きましょう!
今回は液体コンパウンドなので容器からヘラで塗っていきます!
少量のコンパウンドをうすーく均一に伸ばしていきましょう!
ブログ主は液体コンパウンドを塗る際に、使い捨ての木べら(スパチュラ)を使っています!
「Bush Craft」からはコンパウンド専用の木べらも販売されています!
ストロッピングも基本的には砥石による研ぎと方法は同じです!
刃の反対側(背中側)に向かってやさしーくスライドさせましょう!
刃を裏返してスライド!
砥石と同じ要領で、両面ともに同じ回数で徐々に減らしていきましょう!
注意点として、ストロッピングはほんの数回までにしてください!
あまり長時間ストロッピングをすると、せっかく作った鋭い刃先が丸くなりすぎてしまいます!!
続いてコンパウンドなしの面でも磨いていきましょう!
ストロッピングが終わると、刃に残っていた目に見えないほど小さなバリもなくなり、滑らかな輝きの仕上がりとなります♪
「新聞砥石」で仕上げ!椿油で保護!
では最終仕上げ!
ブログ主はいつも最後の仕上げとして、
- 新聞砥石による磨き
- 刃物用「椿油」でサビ止め
を行っています!
新聞砥石ってなに?ってなりますが、単純に砥石に新聞紙を巻きつけたものです!笑
今回は砥石に新聞紙を巻いていますが、ストロップで使用した革砥など、フラットである程度の硬さがあるものなら何でも代用OKです!
新聞紙を巻きつけるとこんな感じ。
できるだけ文字が多くて、細かい部分が上面になるように巻いています。
この新聞砥石でナイフを研いで仕上げていきます!方法は砥石と同じ要領です!
両面ともにほんの数回でOK!!
これを行う目的ですが、きっかけは飲食店で働くブログ主の友人でした!
料理人さんたちは、商売道具でもある”包丁”を本当に大切にしておられます!
その友人が”包丁研ぎ”の総仕上げに必ずこの工程を行っていると教えてくれました。
友人曰く、新聞に印刷されている文字の細かなインクの凹凸がナイフの”磨き”にとっても適しているんだそうです!!
ブログ主の実感でも、この新聞砥石での仕上げをするようになってから、刃持ちや切味の滑らかさは、かなり良くなったという実感があります!!
この仕上げをするだけで、こんな細かなコントロールもできて、滑らかな切れ味になります♪
ナイフのメンテナンスは、革砥は使わず砥石だけで仕上げるという方にも、この新聞砥石での工程を加えてあげるだけで、かなり有益だと思います。
正直、理屈はわかりません^^;
でもオススメ!!
最後に刃物用椿油で”サビ防止”!
椿油はよく伸びるので、ほんの1滴ぐらいでOK!
ティッシュやクロスで薄く伸ばしてあげましょう!
以上で、アウトドアナイフのメンテナンス作業は終了です!!
お疲れさまでした!
作業後のメンテナンスグッズをお手入れ
最後に作業後のメンテナンスグッズのお手入れについて!
砥石の「面直し」
砥石は使用していくと、砥面がフラットではなくなってしまいます!
特に砥石の中心付近は、ナイフが研ぎやすい場所なので、すり減って凹んでしまいやすいです。砥面がフラットでないと、ナイフの仕上がりにも影響してしまいます!
そこで「面直し」のメンテナンスをしてあげましょう!
シャプトンでは、面直し専用の「なおる」というメンテナンスグッズが販売されています!
ですが正直、手が出ない…(*_*)
そこでブログ主は「ダイヤモンド砥石」で代用して、面直しを行っています!
ダイヤモンド砥石は素手で使用すると、肌荒れの原因になります!
使用する際は必ず手袋をしましょう!
面直しの目安として、鉛筆などで砥石の表面に目印を書くと、作業がスムーズです!
砥石をセットして、ダイヤモンド砥石を水平に保ちながら研いでいきましょう!
目印が消えれば「面直し」完了!
この作業は毎回行う必要はありませんが、目に見えて砥石がすり減ってから行うとかなり時間がかかってしまいます!
毎回行うと30秒ほどで終わるので、ブログ主は毎回行っています!アウトドアナイフメンテナンスの際のルーティーンにしておくといいですね!
革砥の目詰まり
続いて革砥の「目詰まり」のお手入れ!
ブログ主は詰まってしまったコンパウンドを、「スチールブラシ」で修正しています!
汚れを完全に掻き出すことよりも、革砥の表面が毛羽立つことを意識して、優しくブラッシングしてあげましょう!
これでメンテナンス用品のメンテナンスも完了!
なんかメンテナンスが無限ループしそう。
まとめ
ということで今回は「アウトドアナイフの研ぎ方・メンテナンスグッズの紹介」でした!
今回紹介した”研ぎ方”は、あくまでもブログ主が普段行っているメンテナンス方法となります!
ナイフの研ぎは、使用しているナイフ・用途などによって異なりますし、求めている切れ味も十人十色だと思います!
自身の愛用しているナイフや目的に応じて、メンテナンスしてあげましょう!