熊野古道「大門坂」|中辺路 那智→本宮 1泊2日①

登山・トレッキング

2020年4月中旬、今回は熊野古道中辺路”の那智大社から本宮大社への道のりを1泊2日の日程で歩いてきました!

今回の熊野古道旅の計画は、実はちょうど一年前の”小辺路”を歩いたすぐ後からずっと考えていた計画でした。

昨年(2019年)は、4月に小辺路、7月に中辺路「滝尻王子~本宮大社」を歩き、秋に今回のプランで熊野古道を歩く予定でした。でも計画していた当日に台風が直撃…(´・ω・`)

秋の計画は中止となり、今年の春に計画を延期。待ち望んだ計画でしたが、ここにきて新型コロナが…。

本来は那智→本宮だけでなく、周辺のキャンプ場を利用しながら1週間ほどかけて熊野古道の様々なコースや近くの山登りを楽しむ計画をしていました。予約していたキャンプ場から”臨時休業”するという連絡を受け、今回も中止にしようか悩みに悩みました。

ブログ主の住んでいる地域と和歌山県全域が緊急事態宣言の指定区域でなかったこともあり、悩んだ末に、計画を大幅に縮小して今回の旅に出発することにしました!

予定より縮小した今回の計画ですが、那智山→本宮大社への山旅だけでも非常に見どころが多いコースだったので、複数の記事に分割してご紹介します!

この記事では今回の旅の1日目前半「大門坂」についてまとめたものです!

今回の記事は、新型コロナによる「緊急事態宣言」が全都道府県に拡大される前の熊野古道旅をまとめた記事になります。

中辺路のおすすめコースについてまとめました

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1泊2日の熊野古道旅の計画と大門坂マップ

まずは今回の計画全体のご紹介!

1日目

  1. 大門坂:大門坂駐車場→熊野那智大社
  2. 大雲取越:那智大社→小口自然の家(泊)

2日目

  1. 小雲取越:小口→請川→熊野本宮大社
  2. バス移動:本宮→新宮→那智駅
  3. 大門坂入口まで:補陀洛山寺→大門坂駐車場

という日程で熊野古道を歩きました!

スタート地点は「那智駅」でも良かったのですが、1日目のメインとなる「大雲取越」は中辺路でも最難関のコースとされているので、計画に少しでも余裕を持たせるために”大門坂入口”をスタート地点に設定しました!

2日目は「小雲取越」で本宮を目指し、到着後はバスで本宮→新宮→那智駅へ移動。那智駅から”補陀洛山寺”にお参りしてスタート地点の大門坂入口まで戻りました。

中辺路 那智→本宮

 

天候:1日目(晴れ)2日目(晴れ 時々 くもり)

総歩行距離:38.9km(17.9+21.0km)

総コースタイム:14時間37分※休憩・食事時間含む

(1日目:7時間28分・2日目:7時間09分)

1泊2日の装備についてはこちらの記事とほぼ同じ装備で歩きました↓

大門坂の概要とマップ

熊野三山に祈願する参詣者たちが歩いた熊野古道

熊野古道には非常に多くのコースがありますが、その中でも当時の面影を特に美しく残しているのが「大門坂」です!!

熊野三山を巡る「中辺路」で最後の聖地「那智山」へ通ずる、約640m・石段267段の苔むした石畳が続く旧参道。最も多くの参詣者が歩いた中辺路でも特に人気のコースです!

参道入口には樹齢800年とされる”夫婦杉”が迎え、参道の両側には古くから参詣者を見守ってきた”杉並木”。石畳の参道脇には九十九王子最後の王子社「多富気王子」があります。

石畳と苔と杉並木、”熊野古道らしさ”を最も感じられるコースだと思います♪

コースマップは「わかやま観光情報(和歌山県観光連盟)」のHPで配布されている「熊野古道 中辺路 街道マップ」が非常に詳しくまとめられているので、ぜひ計画の参考に!

距離・コースタイムから史跡の情報・交通情報まで詳細にまとめられています!

PDF形式でダウンロードできます↓

那智駅(補陀洛山寺)からスタートする場合

熊野古道を歩いて那智大社を目指す場合、海岸沿いの「那智駅」をスタート地点とする方も多いと思います!

今回は1日目に難所があり、少しでも行程に余裕を持たせるために”大門坂の入口”をスタート地点に設定しましたが、大門坂は非常に短いコースですので、那智大社をゴール地点とする場合は「那智駅」から歩くのがオススメです!!

那智駅からスタートすると、世界遺産「補陀洛山寺」や九十九王子の”浜の宮王子””市野々王子”、北条政子を祀る”尼将軍供養塔”などの見どころの多い魅力的なコースとなります。

那智駅→大門坂→那智大社のコースタイムは約4時間20分!

日帰りで熊野古道を歩くにはオススメのコースです♪

那智駅~大門坂入口への行程は、2日目の後半に歩いてきたので、詳しくは別記事にてアップしています↓

「大門坂」山行データ

  1. 大門坂:駐車場(6:04)→夫婦杉(6:12)→那智山観光センター(6:31)
  2. 那智山:那智大社(6:48)→大雲取越入口(6:56)
山行データ

 

距離:2.1km

活動時間:52分

大門坂の駐車場とアクセス

大門坂駐車場

大門坂を歩く場合は「大門坂駐車場」が便利です!

ブログ主は今回、こちらに車をデポさせていただき2日間歩きました。

大門坂駐車場

 

場所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字市野々3009-5

Google Mapコード:33.668940, 135.903076

トイレ:あり 料金:無料

Google Mapへ!

観光バスが何台も駐車できるほどの広い駐車場。

トイレや自動販売機・休憩小屋もあります。

アクセス

「大門坂」バス停

マイカーの場合

  • 「大門坂駐車場」にナビをセット
  • 那智勝浦新宮道路(国道42号線)「那智勝浦IC」下車
  • 新宮方面:国道42号線→県道46号線経由
  • 串本方面:国道42号線→県道46号線経由

公共交通機関の場合

  • 最寄り駅はJR紀勢本線「那智駅」
  • 熊野御坊南海バス「那智駅→大門坂」

帰りは「那智山」バス停から那智駅・紀伊勝浦駅へ。那智大滝へ歩く場合は、「那智の滝前」バス停から乗車できます!

バスの間隔は約40分に1本のペースで運行されています!

大門坂を登る!

大門坂:駐車場→那智山観光センター

大門坂駐車場にある”サッカー女子日本代表”のモニュメント!

2011年のワールドカップでなでしこジャパンが優勝した際の記念モニュメントですね♪というか、もうあの優勝から9年も経ってるのかよ!!!

未だに、澤選手の決勝ゴールが目に浮かぶ(*´ω`*)

那智勝浦町は現代サッカーの起原とされる”中村覚之助”さんの出生地であります。

また日本サッカー協会のシンボルマークも「八咫烏」。神武東征の際に、大和(橿原)に道案内をした熊野の守護神であり、勝利に導く遣いとされています。

ワールドカップやオリンピックの大会前に代表選手が、熊野にお参りしてるニュースもよく目にしますよね!

那智勝浦町を含め”熊野エリア”は日本サッカーとの深い結び付きがあるんですね~。

〈6:04〉それでは駐車場から出発!1泊2日の熊野古道の旅スタートです!

駐車場を出発し、道路の反対側に見える坂が大門坂の入口になります。ちなみに、右側の道が那智駅からここまでの熊野古道のコースになります。

2日目は本宮到着後、バスで移動して那智駅からこの道を戻ってくる予定です。

こちらが大門坂の入口。「大門坂」の大きな石碑と、”熊野道”・”熊野古道”・”世界遺産”の石碑が並んでいます。

ずっと楽しみにしていた今回の旅!楽しみだな~(*´∀`*)♪

大門坂へ向かって進む。

しばらく進むと”大阪屋旅館跡”が左手にあります。

この旅館は日本の博物学者・生物学者として名高い「南方熊楠」が3年間滞在したとされる旅館です。

南方熊楠は特に粘菌やキノコ・コケ類などの研究で知られる学者さんです。博物学者・生物学だけでなく、民俗学・人類学・生態学など幅広い分野に及ぶ研究者。

また語学力に長けて何ヶ国語も操れ、漢文の読解力も高い!お人柄も人並み外れた逸話がたくさん残っている方で、まさに和歌山県が生んだ博物学の巨星!!

民俗学者「柳田國男」にして「日本人の可能性の極限」と称された人物です!

鳥居を潜り、振ヶ瀬橋を渡ります。

振ヶ瀬橋は那智の聖地と俗界を分けるとされる橋です。ここから聖地”那智山”へ!!

橋を渡って真正面にみえる大きな2本のスギが「夫婦杉」。大門坂の入口です♪

〈6:12〉いざ!大門坂へ!!

樹齢800年と推定される夫婦杉。ずっと昔からたくさんの参詣者を見守ってきたんでしょうね~。

夫婦杉に迎えられ旧参道を登っていきます!大門坂の象徴の石畳の階段!

少し登ると、熊野九十九王子の最後の王子社「多富気王子」があります。

多富気王子。説明板の下の石碑に”ヤタガラス”のマークが刻まれています。

多富気王子の横の”楠大樹”も樹齢800年!夫婦杉と同世代!

石畳を登っていく。道横を道路が並走します。

これぞまさに熊野古道!!よくポスターやガイドブックの表紙になっているのはこのあたりの石畳ですね(*´ω`*)!

早朝スタートだったので、登り始めは少し薄暗かったけど、歩き始めてしばらくすると、日差しが石畳を照らし始めました♪

2日間いいお天気だといいな~。

いままで熊野古道のコースをいくつか歩いてきましたが、大門坂の石畳は別格ですね!

美しく敷き詰められた石畳に、杉並木とコケが古道の雰囲気を引き立てて感動的です。

大門坂の中間あたりにある”十一文関跡”。

昔、通行税を徴収していた関所です。料金はそのまんま”十一文”だったのかな?

堂々とした石畳を登っていく!

唐斗石という石。なんかカボチャみたいな色。

時たま振り返りながら大門坂の石畳をゆっくり登りました。

入口から20分ほど登っていくと、

大門坂が終わり、広場に出ました。

写真を取り忘れたのですが、大門坂には”町石”が並んでいます。

1町=約109mぐらいだから600mちょいの大門坂でした。写真を撮りながら、石畳をじっくり眺めながら登ってきましたが、本当にあっと言う間の登りでした。

那智大社へ向かいましょう。道順はしっかり案内がされています。

この階段をのぼると、

〈6:31〉那智山観光センター(那智山駐車場)の脇に出てきました。

熊野那智大社・青岸渡寺へお参り

那智山の参道入口から登っていきます。ここからの参道のほうが大門坂よりキツめです^^;

参道の階段!空が真っ青!いいお天気だなー(・∀・)♪

階段に何やら数字が!これは段数かな?

2日分の重い荷物を持って参道を登っていきます。

西国三十三所の第一札所の石碑。

参道突き当りの右手が第一札所の「青岸渡寺」ですが、

まずは那智大社へお参りしましょう!那智大社の境内から青岸渡寺へ抜けることができます。

柄杓が置かれていませんでした。新型コロナ対策ですね。

〈6:48〉熊野那智大社に到着!美しい朱色の本堂。

休憩小屋に一旦荷物を置かせてもらい、お参りしてきました。

那智大社境内に立つ”那智の樟(くす)

この樟は樹齢約850年と推定される27mもある巨樹です。熊野三山造営の勅使として参った「平重盛」によって手植えされた樟と伝わっています。

那智の樟は和歌山県の天然記念物に指定されています。

那智大社の境内からの景色♪朝日が眩しい!

那智大社の境内から出ると西國第一札所「青岸渡寺

青岸渡寺の境内からとその外側から、3重の塔と”那智大滝”が綺麗に収まる撮影スポットがあります♪

今回は先の行程が詰まっているので、那智大滝・飛瀧神社には向かいませんでした。でも実際は大雲取越で小口に到着した時刻が昼過ぎで、予想よりも早く着くことができたので、立ち寄ったほうが良かったかもしれません。

青岸渡寺から那智大滝までは片道15~20分ほどです。

ブログ主は以前、車で熊野三山を観光した際は那智大滝・飛瀧神社に立ち寄りました!

日本三名瀑の1つに数えられる那智大滝は落差133mの日本一の大滝!飛瀧神社の御神体として祀られ、熊野三山でも特に人気のパワースポットです!

〈6:56〉青岸渡寺境内すぐにある階段。ここから大雲取越が始まります!

まとめ・大雲取越へ続く

今回は那智→本宮の1泊2日熊野古道の旅!この記事は1日目の序盤、「大門坂」のご紹介でした!

大門坂は熊野古道きっての”美しい石畳”で知られる人気コース!その人気に違わぬ苔むした石段と、スギの巨樹が並ぶ素晴らしいコースでした!

大門坂自体は非常に距離も短く、また歩きやすい一本道のコースなので、熊野古道を初めて歩く方や観光メインの方にもオススメです♪

この後も、1日目メインの「大雲取越」、2日目「小雲取越」と熊野古道の旅がまだまだ続いていきます。

よろしければ引き続き読んでいただければと思います!

では、「大雲取越」の記事へつづく!!

中辺路のおすすめコースについてまとめました

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