熊野古道「伊勢路」を巡る!⑬「曽根次郎坂太郎坂(甫母峠)」賀田駅~二木島駅

登山・トレッキング

2021年7月下旬、今回は熊野古道「伊勢路」に挑戦!

前回のパート⑫では、三木里駅から三木峠・羽後峠と海沿いに続く小さな峠道を進みました!海の風景・猪垣・苔の石段道と変化が目まぐるしく非常に楽しいコースでした♪

今回のパート⑬では「曽根次郎坂太郎坂(甫母峠)」賀田駅~二木島駅の区間を歩きます!

コース内の甫母峠はかつて国境の峠でした!甫母峠への道は「曽根次郎坂・太郎坂」と呼ばれていますが、これは人物名ではなく「自領・他領」が転じたものなのだそうです!つまり”国境”を示す言葉のようです。

中世の頃、志摩国と紀伊国の境であった歴史深い峠を巡っていきます!!

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今回の熊野古道「伊勢路」プラン!

13回目は「曽根次郎坂太郎坂」賀田駅~二木島駅

今回は「曽根次郎坂太郎坂(甫母峠)」賀田駅~二木島駅の区間を歩きます!

賀田駅からスタート!国道沿いから民家の間の細道へ入って進み峠越えの前に飛鳥神社に参拝!またクネクネと路地を進んでいくと甫母峠の賀田側登り口があります!

甫母峠登り:登り口から墓地の間を進み甫母峠へ!美しい石段や猪垣の道を、供養塔や鯨石を巡りながら登っていきます!峠には”ほうじ茶屋跡”とお地蔵様が出迎えてくれます!

甫母峠下り:甫母峠から少し登ると展望の良い”楯見ヶ丘”があります。そこをピークに道は下り始め、黙々と麓近くまで下ると見事な猪垣。猪垣記念碑があります。一旦、道路を交差し更に下ると二木島港。JRの高架をくぐれば二木島駅に到着です!

このコースの総距離は約5.7km!

標準コースタイムは3時間30分です!

今回のプラン・山行データ

  1. 賀田駅(10:11)→飛鳥神社(10:25)→登り口(10:39)
  2. 甫母峠↑:登り口→鯨石(11:23)→甫母峠(11:27-47)
  3. 甫母峠↓:楯見ヶ丘(11:54)→猪垣記念碑(12:35)→二木島駅(13:01)
見出し
  • 天候:晴れ
  • 距離:5.8km
  • 活動時間:2:50

駐車場とアクセス

マイカーの場合の駐車場

マイカーの場合は、スタート地点の賀田駅付近に駐車場があります

国道311号と県道70号のT字路にある公衆トイレ前の駐車場。賀田駅からは徒歩5分ほどです。

Google Mapにはポイントが打たれていなかったので、検索する場合は注意!「JAショップ輪内」の隣りにあります。

国道311号沿い公衆トイレP

アクセス

〈マイカーの場合〉

  • 賀田駅:紀勢自動車道「賀田IC」から約7分
  • 二木島駅:「熊野新鹿IC」から約10分

〈公共交通機関の場合〉JR紀勢本線

  • 紀伊長島駅→賀田駅〈770円〉
  • 新宮駅→賀田駅〈680円〉
  • 二木島駅→賀田駅〈190円〉

熊野古道「伊勢路」⑬賀田駅~二木島駅

賀田駅→飛鳥神社→登り口

〈10:11〉それでは賀田駅からスタートしましょう!

今回は前回のパート「三木峠・羽後峠」編から引き続き、同じ日に歩いていきます!

駅から下りて、国道に合流。

そのまましばらく国道沿いを進んでいきます。

この311号線は国道だけど、道幅が結構狭くて、歩道がない場面もあるので車に注意!

国道から賀田湾を見渡す!船だー(゚∀゚)!!

しばらく進むと小さな川のところに”熊野古道→”の案内があります。

ここから旧道をクネクネと進んでいきますが、少し複雑なのでわからなければそのまま国道を進んでもOK!

川の橋の小道を進んで、橋を渡る。

こんな道を進んでいきます。旧道というより路地ですね。

民家の間の道をのんびり歩いていきます。

道祖神の祠。旅の安全を守ってくださる神様ですね。

路地を拔けると、国道に突き当たります。正面には社寺林が見えてきます。

〈10:25〉この社寺林が「飛鳥神社」です!

飛鳥神社は、新宮の阿須賀神社の末社として、東の瀬崎の地に創建された神社です!

社名も字が違うだけで、「飛鳥」「阿須賀」はどちらも”あすか”と読みます。

阿須賀神社も「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部として追加登録されており、熊野古道の代表的なスポットの1つです!

以前、「新宮~那智」の区間を歩いた際に立ち寄りました!

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飛鳥神社の境内は、樹齢数百年を優に超える巨木の森!

境内入口の説明板に書かれていましたが、おそらくこの左側のクスノキが樹齢1000年以上とされる大木です!三重県で第3位の巨木なんだそう!!!

この神社の社寺林は県の天然記念物にも指定されています!

飛鳥神社の本殿にお参り!

拝殿前の大楠の根元に「後側に廻って下さい」との案内が!

廻ってみると根元には人がくぐれるほどの空洞がありました(゚∀゚)!!

損傷しても長年耐え成長を続けています。根元から2本のサカキが芽を出し、大楠を守っているようです。神秘的(*´∀`*)!!

こちらの大楠も樹齢500年を超えていると推定されています。

境内からすぐ先は船着き場(゚∀゚)!海の街ならではの風景ですね!

参拝を終えて境内を出ました!では本題の「曽根次郎坂太郎坂」の登り口へ向かいましょう!

境内を正面へ出て突き当りを左手に旧道へ入ります!

民家の間を進む!このあたりも少し複雑ですが道標がたくさん設置されているので辿っていきましょう!

ここは正面!ちなみに右手に行くと城山公園があるらしい。

くねくねと進んでいくと、民家に美しい石垣!この石垣がある土地は”曽根弾正”の屋敷跡です!

曽根弾正は、室町時代の治安悪化に困り果てた村人が近江から招いて、この地を治めた人物です!

元の名前は”佐々木宇右衛門”。

16世紀に曾根城を築いた武士で、この地の人々の暮らしを救った郷土の英雄です!!

路地を拔けると公衆トイレがあります!登り口まであと50m!

国道と並走する小道を進むと、

〈10:39〉賀田側の曽根次郎坂太郎坂の登り口に到着です!

甫母峠(登り):登り口→

では登っていきましょう!墓地の間の道を登っていきます!

墓地の中に、先ほど屋敷跡でご紹介した”曽根弾正”の墓碑である五輪塔があります。

振り返ると賀田湾の絶景(゚∀゚)!!!すごく”夏”っぽい風景ですね♪

墓地から登ると、すぐに樹林帯に入ります!

ここから甫母峠までの道のりは「志摩国」側の峠道となるので、「自領=次郎」で『曽根次郎坂』になるんだと思います!

樹林帯に入ると右手に「南無阿弥陀仏」の名号碑。熊野古道の巡礼者の安全を願って江戸時代に建立されたものです。

道に沿って続く猪垣(゚∀゚)!!前回の三木峠・羽後峠も見事だったけど、こっちも綺麗♪

レスキューポイントの木柱!39番まであるから結構長めの峠道ですね♪

苔の石段もいい感じだー♪

道に沿って左手にある谷あいに大きな岩がゴロゴロと転がっていました!

このあたりは採石場だったみたいですね!江戸城の築城に使われた石材の石切場だったんだそう!

美しい石段をのんびり登っていきます!

甫母峠は標高300mちょっとあるので、八鬼山以降の峠道としてはやや高めで、登りも少しキツめです!

しばらく登ると一旦平坦になり、案内板がありました!そのとなりには、

〈11:02〉行き倒れ巡礼供養碑。文政13年(1830年)にこの地で没した武州足立郡中之田村(現 埼玉県さいたま市)の巡礼者の供養碑なんだそう。

遠路はるばる…(´・ω・`)

スギ林の一本道!!ほんと伊勢路は道が美しい峠ばかりでハズレ無しだなー(*´∀`*)!

このあたりは曽根の一里塚の跡地のようです。

一里塚からは次第に急な登りとなります!峠までのラストスパート!!

〈11:23〉息を切らしながら登っていくと、一際大きな大石がありました!!

名前は見た目通りの「鯨石」!!ほんとクジラに見える(゚∀゚)!!顎下の筋もまさにクジラっぽいですね!

峠まで九十九折の登りが続く!!

〈11:27〉そして登りきれば甫母峠に到着です!疲れたー!!

甫母峠(下り):楯見ヶ丘→猪垣記念碑→二木島駅

甫母峠は標高305m!東屋があり休憩適所で、風が抜けるので夏でも涼しい♪

東屋横の石垣に囲まれた四角いスペースには、かつて「ほうじ茶屋」がありました。

「ほうじ」とは、「傍示」という領地の境界を示す言葉に由来するようです。ここが国境!!また「甫母地茶屋」が転じたという説もあります。

ちなみに現代で言うと、甫母峠は「尾鷲市」と「熊野市」の市境でもあります。

茶屋の前にはお地蔵様が鎮座していらっしゃいます。

屋根のトタンが木漏れ日に照らされてライトアップされてるみたい。神々しい!!

涼しい峠でランチタイム♪

この日は二木島駅に下ったら行動終了なので、のんびりと休憩しました♪

〈11:47〉では行動を再開しましょう!

甫母峠では、甫母町方面と二木島町方面への分岐があります。熊野古道は二木島方面へ!

今回のコースは甫母峠が最高点ではなく、このあとの362mピーク付近が最高点になります。

峠から少しだけ登り道となります!

〈11:54〉峠から5分ほど登ると楯見ヶ丘があります!このあたりがコースの最高点。

こちらはベンチから海が見渡せる展望ポイントとなります!

二木島湾の入口に位置する”楯ヶ崎”の柱状節理の岩壁が見れるようですが、どこかわからなかったorz

楯ヶ崎は観光遊覧船に乗れば間近で見られるそうですよー!

根っこの露出したフラットな細尾根を進み、

次第にゆるやかに下り始めます。

コースも半分を突破!!ここからは黙々と下っていきます!

下り道にも苔の石段!

この下り道が「紀伊国」側へ下る「他領」の峠道になるから、「太郎坂」なのかな?

しばらく樹林帯をずんずん下っていくと、

美しい猪垣が現れます!

苔びっしりで緑一色の猪垣(゚∀゚)!!

付近にイノシシを捉えるため?の落とし穴っぽいのもありました!

〈12:35〉こちらには、他の地域では見られない「猪垣記念碑」があります!

寛保元年(1741年)の3月~翌年の2月まで1年がかりで築いたと記されています!

猪垣の道を下っていく!!

すると説明板があり、

そのとなりには「曽根次郎坂太郎坂の石碑」があります!!

〈12:47〉そして二木島側の登り口に下ってきました!二木島湾が見えるー(゚∀゚)!!

道路に下るとそのまま正面の階段を登っていきます!

階段からお墓の間を下っていきます。

お墓から見渡す二木島湾!!お墓って景色の良い高台にあることが多いですよね。

景色の良い場所で安らかに眠り、土地の皆様を見守っておられるのでしょう。

墓所から下っていくと、JRの踏切が見え、

線路脇に下ってきました!下って左へ!

橋を渡る!渡って正面は漁港。

橋の向かい側にある木製の建物は公衆トイレで、その奥に見えるのが二木島駅です!

熊野古道の道標がある公衆トイレ。

あと38kmかー!いよいよ伊勢路も終盤に差し掛かりました♪

JRの高架を潜ると、

駐車場?の前に道標と周辺マップがあります!この石道標の前で左へ行くとすぐに駅です!

ちなみに駐車場の右奥にある、

この道を進むのが次回の「二木島峠・逢神坂峠」への順路となります!

〈13:01〉ということで二木島駅に到着しました!!

本来ならまだまだ先に進める時間帯ですが、正直これはアカンやろってぐらい暑かったので、今回はここまでにします!

実は八鬼山を越えてから新宮までの区間を、当初は3日間で歩く予定で計画していましたが、コロナでスタート時期がズレてしまったのもあり、これからは熱中症対策で少なくとも14時にはゴールできるように計画を修正しました。

ということで今後の伊勢路は、1日の歩行距離をできるだけ短く刻んで挑戦していこうと思います!!

次回パート⑭「二木島峠・逢神坂峠」二木島駅~新鹿駅 編アップしました!

熊野古道「伊勢路」を巡る!⑭「二木島峠・逢神坂峠」二木島駅~新鹿駅
2021年8月初旬、今回は熊野古道「伊勢路」に挑戦! 前回のパート⑬では、賀田駅から志摩国と紀伊国の...

まとめ

ということで今回は伊勢路⑬「曽根次郎坂太郎坂」賀田駅~二木島駅でした!!

この区間は、「志摩国」「紀伊国」の国境である”甫母峠”を越える峠道!熊野古道の歴史を感じる史跡が多く、距離は短いながら峠越えの楽しさが詰まったコースでした!

石段あり、猪垣あり、海を見渡す展望ポイントありで、非常に充実した古道ハイクコース!

やっぱり伊勢路は海沿いの峠が美しいですねー♪

では次回の伊勢路旅に続きます!!

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