高野参詣道「女人道」|高野七口を巡り高野山ぐるっと一周!後編

登山・トレッキング

2019年9月中旬に、高野参詣道「女人道」を辿って高野山をぐるっと一周してきました!

この記事は女人道巡りの後編になります。

前編では奥之院を起点に、”高野三山”を巡りました!後編は、女人禁制時代に入山できない女性参拝者のための”籠り堂”として、高野七口にたてられた”女人堂”を巡ります!

前編の”高野三山巡り”はこちら

「高野参詣道・高野七口」についてまとめました↓

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高野山「女人道」マップ!

前編は「高野三山」を巡った!

まずは今回のプランのおさらい

今回は奥の院前「中の橋駐車場」を起点として、高野七口を巡る「女人道」を辿って高野山をぐるっと一周する計画をしました!

前回の記事である前編では、摩尼山→楊柳山→転軸山と弘法大師御廟のある奥ノ院を囲むように並ぶ”高野山三山”を巡り、高野山森林公園の駐車場まで進みました!

後編は高野七口を巡る「女人道」!

後編であるこの記事では、高野七口にある”女人堂”を巡ります

女人堂は女人禁制時代に、高野山内に入ることができない女性参拝者たちのためにつくられた”籠り堂”。現在はほとんどの女人堂は”跡地”となっていて建物自体は残っていませんが、京大坂道の入口に唯一現存している”不動坂口女人堂”はこの参詣道の大きな見どころの1つとなります!

他にも展望の良い”弁天岳”や聖地高野山の玄関門”大門”などの見どころが多く、高野山を囲む周囲の山々を尾根伝いに進む魅力的なコースです!

高野七口を巡る不動坂口女人堂~奥之院までの標準コースタイムは約4時間!

休憩時間を含めて4時間40分ほどで計画しました!

高野山「女人道巡り」

高野山森林公園→女人堂→弁天岳

〈8:52〉それでは後編スタート!高野山森林公園の前の分岐から再開します!

分岐を右へ進み、不動坂口女人堂を目指して、しばらくは舗装路歩きです。

大きなグラウンドを横目に進んでいきます。たしか名前は”町民グラウンド”だったか”近隣グラウンド”だったかな?高野町は山の高台にあるので、夏の暑い季節でも和歌山の沿岸部などに比べて平均気温が少し低く、スポーツするには適した環境なのかも。

グラウンドの奥に見える建物は中学校です。

グラウンドの脇を半周して住宅街に入ります。

住宅が並ぶ道に少し入って、ここのT字路を左に曲がります。ここは真っ直ぐ進んで突き当りを左に曲がってもOKですが、この道は一旦下ってからの登りが少し急です。

突き当りを左に進むと、

高野山内へ続く主要道路と合流します。車道を渡って歩道を進みます。ここの合流地点には”鶯谷”というバス停があります。

このバス停付近に”黒河口女人堂跡”があるはずなのですが、看板などの目印を見つけることができませんでした…^^;

女人堂は高野七口につくられたお堂とされていますが、実際はすべての女人堂が七口の場所にあったわけではないようです。少しずれた場所にあったりするので、この先も何箇所か見落としがあります。ゴメンナサイ…。

追記:黒河道を歩いてきましたー!女人堂跡の看板はこの少し先のカーブの辺りにあります!

歩道を高野山内に向かって少し進むと、右手の路地に”女人道”の案内がありました!ここは結構見落としやすいです!ブログ主が参考にしたガイドブックでも注意書きがありました。

ちなみに真っ直ぐ進んでしまっても、徳川家霊台の方から不動坂口女人堂に行くことができます!ここからは展望のない山道に入るだけなので、見どころはそちらの方が多いと思いますよ。少し寄り道して金剛峯寺へお参りするのもオススメです!

路地に入り、そのまま林道を真っ直ぐ進んでしまいそうですが、左手にある、

民家のガレージ横の小道が女人道です!

この小道も含めてですが、高野山森林公園~不動坂口女人堂までの区間は少し道に迷いやすい箇所があります。わからなければ、地元の人に尋ねてみるといいかもしれません。

ガレージの横を抜けると鳥居があります。

鳥居を潜ると祠があります。祠の脇へと道が続きます。

山道に入って最初はやや急な登りですが、

すぐに道はなだらかになります。途中、”遊歩道”との分岐がありますが、女人堂手前で合流できるのでどちらに進んでもOKです!

道脇に並んでらっしゃるお地蔵さん。”三輪そうめん”の箱の中におられました。ご当地感がありました。

こちらのお地蔵さんは手書き(゚∀゚)!誰が書かれたんだろう?僧侶さん?

山道をしばらく歩いて、建物が見えてくると、

〈9:34〉不動坂口女人堂に到着です!!

こちらが不動坂口女人堂。現存する唯一の”女人堂”です。高野七道の1つ”京大坂道”を辿って高野山に参られた女性は、こちらを起点に女人道を巡られたそうです。

立派なお堂で、この日もたくさんの方が訪れていました。

女人堂の向かいには大きな”お竹地蔵尊”

お竹地蔵尊は”横山竹”という女性が、安政年間江戸の大地震で亡くなられた方たちのために、身を仏様に捧げ、30年奉公した蓄えで建てられたお地蔵様です。

大門→助けの地蔵→ろくろ峠(大滝口)

女人堂横にあるおトイレをお借りしてベンチで少し休憩した後、活動再開!

弁天岳へ登ります!弁天岳へはバス停の後ろにある坂道を登っていきます。

結構急な坂。道が細いので手すりが設置されています。この道路はケーブル「高野山駅」へ続くバスの専用道路です。

道路を駅に向かって少し歩いたところには京大坂道「不動坂・いろは坂」の下山口があります。

追記:京大坂道を歩いてきましたー!

登り始めは根っこの露出した少し登りづらい道。足を引っ掛けないようにね。

お!歩きやすくなってきたぞ♪

少し先の女人道のポイントがあります。ここにも女人堂があったみたい!女人堂は七口以外にもあったんですね。

谷上女人堂跡から弁天岳までは急登が続きます。

〈9:56〉登りきると、弁天岳の山頂に到着です!山頂には朱い鳥居が連なる「獄弁財天社(だけのべんざいてんしゃ)」というお社があります。

獄弁財天社はその名の通り”弁財天”をお祀りしているお社。高野山には”高野七弁天”と呼ばれる弁財天を祀る7つの神社があります。

高野七口もそうだけど、”7”という数字になにか特別な意味があるのかな?

弁天岳984m。

高野三山は展望に恵まれていませんでしたが、弁天岳は北側の展望があります。丸太のベンチも並んで展望台になっています♪

北側には橋本・九度山町方面の展望。おそらく真正面に見える山は岩湧山だと思います。ダイヤモンドトレールの稜線がきれいでした(*´ω`*)

まだ若干、雲が広がっていますが、この日は時間が経過するごとに天気がどんどん良くなる絶好のハイキング日和でした♪

この展望台で荷物をおろして、景色を楽しみながら持参したおにぎりを食べてゆっくり休憩しました。

荷物を背負い直し、弁天岳から下っていきます。

下山道は展望が開ける場所も多く、西側の展望がきれいでした♪

また山内を見ると、壇上伽藍・根本大塔の屋根が見えました!

鳥居を潜って下っていく。マップではこのあたりに”大門口女人堂跡”があるはずなのですが、ゴメンナサイ!また見落としましたorz

下を走る車が見えてくると、

〈10:35〉聖地”高野山”の玄関門「大門」に到着です!大きくて迫力あるな~。

以前、高野参詣道「町石道」を辿って、大門が見えた瞬間は本当に達成感がありました!町石道は大門の真正面に道が続いていることから、高野七口の中でも聖地高野山への”表参道”として、開山以来多くの参詣客がこの道を辿りました。

大門は潜らずに、引き続き女人道を進みます。女人道は道路を挟んで向かい側へ。正面に見える林道のような道が女人道です。

向かいにある建物のある辺りが”龍神口女人堂”があったところです。

追記:「有田・龍神道」も歩いてきましたー!

こちらの延命地蔵尊が目印!交通安全地蔵尊ってなんか現代的!

お助け地蔵尊へ向かって進みます。

大門を振り返る。でっかいなー(゚∀゚)

大門から100mほどで助けの地蔵尊に到着。女人道は左の道です。

お助け地蔵尊ではちょうど、女性たちがお祈りされていました。祝詞?っていうのか、そろって歌のようなものを詠み上げられていました。

助けの地蔵尊の由来。

お祈りを聴きながら、ろくろ峠を目指して進みます。

山道をしばらく進むと、一旦道路に抜け出ます。突き当りを右に進み、

こちらから再び山道へ。

ここから沢沿いへと下っていき、

また道路に抜けました。ここは左へ。

この会社の倉庫?の前の、

この橋を渡ります。

橋を渡ると、かなりの急登が待っていました^^;

高野山を囲む1000m付近の山々を辿る女人道。高野山内が標高800m以上にあるので、女人道自体はそれほど高低差なく歩ける道ですが、この登りが1日を通して一番きつい登りでした。

少し登り始めると展望が開けます♪ここまで木々に囲まれた道がほとんどだったので、登りは辛かったですが、楽しい場面でした(*^^*)

振り返ると弁天岳の全体を見ることができます。

すぐ横にはススキに覆われた尾根。10月あたりになれば一面を覆うススキがきれいなんじゃないかな~。

南には紀伊山地の深ーい山並み♪かなり天気も良くなってきたみたいで、遠くの方まで見渡すことができました(*´ω`*)

展望のいいピークを過ぎて、少し下ると道が交差します。ここが”相ノ浦口女人堂跡”。交差する道が高野七口”相ノ浦道”です。

相ノ浦道も歩いてきました↓

相ノ浦道を横断します。入口に道案内のお地蔵さん。

相ノ浦口から少し登ると、ちょっとした広場がありました。休憩に良さそう♪

ここもなにか史跡があったのかな~と見てみると、これはおそらく鉄塔の跡ですね。

広場から進んだ所で、木々の間に展望がありました。遠くに見える塔のようなものは”ごまさんスカイタワー”?だとすると、右に見えるのは”護摩壇山”かな?

左右に道が分かれるポイントがありました。展望台っぽいので右に進んでみましたが、

展望はそれほどでもなかったです。ここのすぐ先あたりに”高野山内”を見渡せるビューポイントがあったようなのですが、また見逃しです^^;

高野山内を見渡せるなら絶対行くべきだったと、リサーチ不足に反省です…。

先程のポイントから階段を一気に下って行きます。

下っている最中に、高野三山がきれいに見渡せるポイントがありました♪

〈11:22〉高野三山を眺めつつ下っていくと、”ろくろ峠”に到着です!

ろくろ峠には”大滝口女人堂跡”があります!スタンプの捺印所もあって、他の女人堂跡に比べてわかりやすい。

円通律寺→大峰口→奥の院前

大滝口女人堂跡では高野山から熊野本宮大社へと続く熊野古道「小辺路」が合流します!

小辺路は4月にテントを担いで歩いてきました

ろくろ峠からしばらくは小辺路と同じ道を辿ります。

小辺路に挑戦してこのあたりを歩いていた時は、スタートすぐでめっちゃわくわくしてたなーと、小辺路歩きの思い出を振り返りながら歩きました。

テントを担いで長距離を旅するの経験の浅いブログ主。荷物の重さやペース配分に苦労しながらでしたが、熊野本宮大社にゴールした時の感動と達成感は格別でした(*´ω`*)いい旅だったな~。

しばらく小辺路の思い出に浸りながら歩いていると、左に道があります。

この円通律寺の分岐で小辺路を見送ります!

分岐からは緩やかな下り道。

小川を渡る橋があって、ここを渡ると、

〈11:40〉円通律寺に到着です!円通律寺は高野山の修行道場。一般の方は拝観することができないお寺になります。

円通律寺へと続く参道。

円通律寺付近は杉の木々に囲まれ、山の静けさが感じられる場所でした。雑念を取り払い修行するに適した場所なんでしょうね~。

円通律寺の反対方面へ参道を進みます。

参道脇にお地蔵さん。

参道をしばらく降り、道がカーブするところで女人道へ。

円通律寺からゴールの奥之院まではもう残すところ3km弱です!そろそろラストスパート!

途中で90度に道が折れ、

曲がった所には高野七口巡りの最後の1つ、”大峰口女人堂跡”がありました。でも跡地の看板は割れてしまっていて、説明書きが読めませんでした。

大峰口女人堂跡からはやや急な下りが続き、

下りが落ち着いてくると、枯れ気味の小川を横切ります。

小川を過ぎると民家が見えてきました!ゴールはもうすぐ!

東口(大峰口)は弘法大師さまが初めて入山された入口。

広々とした道と正面に建物。

この建物は中の橋駐車場の立体駐車場です!

民家が見えたあたりから車道へ抜けるのかな~と思ってたのですが、立体駐車場のトイレの脇に直接抜けれるんですね!

〈12:15〉ということでゴール!!起点にした奥之院前の中の橋駐車場に戻ってきました!

疲れたー(*´ω`*)予定では14時~15時ぐらいにゴールできるかな~と考えていたのですが、予想より大幅に早くお昼すぎにゴールできました!

車に荷物を下ろしてからは、朝は時間が早すぎて立ち寄らなかった奥之院へ参拝してきました。

高野山の中でも壇上伽藍と並んで”二大聖地”とされる奥之院。山内でも別格に荘厳な雰囲気が感じられる場所でした。弘法大師御廟、燈籠堂などは写真撮影できませんので、ぜひ一度訪れてみてください!

まとめ

今回は高野参詣道「女人道」を辿って、高野山をぐるっと一周する山旅でした!

女人禁制が守られていた時代に、信仰する女性たちが高野山を囲む”八葉蓮華”と呼ばれる峰々を巡って参拝された女人道。道のりは長いですが、高野山に通じる”高野七口”、奥之院を囲む”高野三山”を巡る見どころの多い道中でした!

コース内は全体的に道案内も豊富で、非常によく整備されていました。注意点としては転軸山から街中に下山して、森林公園から不動坂口女人堂へ向かう道順が少し迷いやすいかなと思います。

またロングコースなので体力はある程度必要だと思います。今回、前編・後編で分けたように、”高野三山巡り”と”女人堂巡り(七口巡り)”に分割して踏破するのもオススメです!

「高野参詣道・高野七口」についてまとめました↓

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