関西を代表する縦走路「ダイヤモンドトレール」!!
大阪府、奈良県、和歌山県と3つの府県にまたがる金剛山地・和泉山脈を縦走する長距離自然歩道です。
初心者からチャレンジでき、一年を通して変化する四季折々の自然を満喫できる人気コース!
今回はそんな「ダイヤモンドトレール」について、コースの見所やおすすめの山行プラン、アクセスから宿泊地などの情報をまとめてみました!
〈この記事の内容〉
- 『ダイヤモンドトレール』とは?
- ダイトレの見どころ!!
- おすすめの分割・縦走プランは?
ダイヤモンドトレールとは?
『ダイヤモンドトレール』とは、大阪府、奈良県、和歌山県を隔てる「金剛山地・和泉山脈」の稜線を縦走する長距離自然歩道です!
奈良県香芝市の「屯鶴峯」から、大阪府和泉市の「槇尾山(施福寺)」を結ぶ全長約45kmの関西を代表するトレイル。
金剛生駒紀伊国立公園の四季折々に変化する豊かな自然を楽しんでもらおうと大阪府と奈良県により整備されました。
名前は金剛石(ダイヤモンド)にちなんで付けられ、ハイカーさんを中心に”ダイトレ”の略称で親しまれています!
トレイル内には、起点の屯鶴峯から二上山、大和葛城山、主峰の金剛山、岩湧山、槇尾山と代表する5つの山と3つの峰が並び、それぞれに特色の違う魅力を楽しめる人気の縦走路です!
ダイトレの見どころは?
『ダイトレ』は年間を通してチャレンジすることができ、長距離自然歩道ならではの魅力がいっぱいのトレイルです!
コース内に見所はたくさんありますが、代表的な山それぞれの特色を北側の起点「屯鶴峯」から順にご紹介します!
ダイトレ起点「屯鶴峯」
まずは奈良県香芝市にあるダイトレの起点、奇勝「屯鶴峯」。どんずる峯。
二上山の火山活動により火山岩が沈積して、その後の隆起によって独特の岩肌が露出した奇石群。奈良県の天然記念物に指定されていて、金剛生駒紀泉国定公園の見どころの1つです!
大東亜戦争中に造られた防空壕があることでも知られています!※ダイトレコース内から防空壕までは距離があります。
ダイヤモンドトレールの起点石は屯鶴峯の入り口付近にあります!
『屯鶴峯』についてはこちら↓
二上山
二上山はダイヤモンドトレールの北端の山。雄岳と雌岳、2つのピークが連なる山容は遠くから見てもすぐ”二上山”とわかります!
二上山は別名「ふたかみやま」とも呼ばれ、はるか昔の「万葉集」にもその名が登場するなど、古くから親しまれてきた山です!山麓には當麻寺があったり、竹内街道が通っていたりと歴史ロマンに浸れるのも二上山の魅力の1つです!
二上山の山行記事はこちらから↓
大和葛城山:300名山
大和葛城山は金剛山の北に位置する標高959mの山。300名山の一つに数えられています!
見どころはなんと言っても、山肌を紅く染める”ツツジ園”。5月のシーズン中には登山者はもちろん、奈良県側から運行されているロープウェイに乗って多くの観光客で賑わいます!
また山頂付近は開けた高原になっているので、ダイヤモンドトレールでは特に景色が楽しめるスポットとしても人気です!大阪平野から大阪湾、奈良盆地や紀伊山地の山並みまで開放的な360°のパノラマビューが楽しめます♪
大和葛城山の登山コースについてまとめました!
金剛山:200名山
金剛山はその名前の通り金剛山地の主峰です!標高は1125m。大阪府の最高峰で200名山の一座!
特に毎日登山(回数登山)の山としても有名で、チャレンジされている方も多く、年中登山者でにぎわいます。山頂には役ノ行者が開山した”転法輪寺”や、一言主大神を祀る”葛木神社”など巨木の杉が並ぶ参道が続きます。
一年を通して登山者の多い金剛山ですが、特に賑わうのが樹氷の季節!参道が真っ白に染まる景観がとってもキレイです!
また金剛山は非常にルートが多いことでも有名です!何度登っても楽しめる山だと思います。
金剛山のおすすめルートはこちらから↓
岩湧山
岩湧山はススキの名所として有名な山です!以前、ススキの時期に登ったことがありますが、写真が行方不明でしたorz
金剛山から西に進み紀見峠を過ぎたところにある山で標高は897m。山頂部にススキの原が広がり、春には野焼きされるなど管理がしっかりされている山です。
山頂からは目の前には大阪平野が広がり、大阪湾越しに六甲山系の山々も眺望できるなど展望に恵まれた山です!金剛山や大和葛城山など、これまで歩いてきたダイトレの稜線も一望できます。
岩湧山の山行記事はこちら↓
槇尾山:起点「施福寺」
ダイトレの大阪側の起点「施福寺(槇尾寺)」。西国三十三所の第四番札所。
槇尾山は古くから山岳修験の地として栄え、役行者、行基、弘法大師空海も修行したと言われる霊場。
施福寺はそんな槇尾山の山中にあり、弥勒菩薩・十一面千手観音を本尊とする天台宗の寺院です。西国三十三所では熊野那智大社にある第1礼所の「青岸渡寺」に次ぐ古さなのだそうです。
参道の入り口から約1km、30分ほど急な石の階段を登らなければ施福寺にはたどり着けず、西国三十三所の巡礼では”難関礼所”とも言われています。
また豊かな自然に恵まれ、槇尾山とともに大阪みどりの百選に選定されています!
現在、槇尾山の山頂・蔵岩付近への入山が禁止されています!
ダイトレの難易度は?
整備が行き届いたトレイル!だれでもOK!
ダイヤモンドトレールはスタートからゴールまで非常にしっかりと整備が行き届いたトレイルです!
道幅も広く道標も豊富な為、初心者からチャレンジできる縦走路。危険箇所もなく、安心して山歩きが楽しめます♪
その反面、全体を通して丸太の階段が非常に多いです。
ロングコースを計画する場合はある程度の体力は必要な印象です。
特に夏場は熱中症には十分注意が必要です!エスケープルートも多いコースですので無理のない計画をしましょう!
一年中歩くことができる!
ダイヤモンドトレールは一年中安心して歩くことができる縦走路であることも多くのハイカーさんに親しまれている理由の1つだと思います!
ブログ主が知ってる限りの見頃の時期をまとめてみると、
- 春:4月 桜(二上山)、4~5月 ツツジ、カタクリ(葛城山)、ニリンソウ、クリンソウ(金剛山)
- 夏:新緑(全域)
- 秋:10月ススキ(岩湧山、葛城山)、紅葉(全域)
- 冬:樹氷(金剛山、大和葛城山)
と一年を通して非常に多くの見どころがあります!
冬の金剛山では美しい樹氷が見られます!写真は金剛山にある転法輪寺の境内。参道を取り囲む杉の巨木が白く染まる姿は必見!
5月に山肌を真っ赤に染める大和葛城山のツツジ。見頃の5月頃にはハイカーだけでなく多くの観光客で賑わいます!
二上山では4月の桜の時期に花見に訪れる方も多いです。二上山雌岳を取り巻く周遊路沿いには多くの桜が植えられており、ふもとの万葉の森あたりから見るとピンクの鉢巻のように見えます。
ダイトレのおすすめ山行プラン!
ダイヤモンドトレールは宿泊施設を利用して一度に踏破するのもいいですが、それぞれの山、峠から多くの登山コースが整備されているので、体力に合わせてプランが組めます!
体力に自信が無ければ細かく刻んで歩くのも楽しいですし、その分見所も多くなります♪
ここでは個人的におすすめの日帰り3回で踏破するプランと、その3回プランを元にした2泊3日のモデルコースをご紹介します!
本来のダイトレは、二上山・葛城山・金剛山などのピークを踏みませんが、ここでは各山頂を通るルートでご紹介します!
日帰りの場合:3回のプランがおすすめ!
①屯鶴峯→二上山→大和葛城山→水越峠
その①『屯鶴峯→水越峠』
- 屯鶴峯→二上山→竹内峠→岩橋山→大和葛城山→水越峠
- 総距離:約15.6km
- 標準コースタイム:7時間30分
〈アクセス〉
- 行き:近鉄「二上山駅」or「関屋駅」から徒歩
- 帰り:金剛バス 千早線「水越峠」→近鉄「富田林駅」
ダイトレ1回目は 起点の「屯鶴峯」からスタートし「水越峠」まで進みます!
道中には雄岳と雌岳の2つのピークが並ぶ双耳峰の二上山や竹内街道の要衝「竹内峠」、久米の岩橋伝説が名の由来である岩橋山やツツジの大和葛城山など、見どころが多いコースです!
注意点としては大和葛城山の手前辺りから、長く辛い階段が連続するので、できるだけ体力を温存してゆっくり歩くのがおすすめです!
実際の山行記事はこちら↓
②水越峠→金剛山→紀見峠
その②『水越峠→紀見峠』
- 水越峠→金剛山→中葛城山→紀見峠→紀見峠駅
- 総距離:約18km ※水越峠~紀見峠までは15.3km
- 標準コースタイム:7時間30分
〈アクセス〉
- 行き:近鉄「富田林駅」→金剛バス千早線「水越峠」
- 帰り:紀見峠→南海高野線「紀見峠駅」
2回目は「水越峠」から「紀見峠」まで進みます!
金剛山を過ぎると中葛城山をはじめとした多くのピークと峠を踏みながら、紀見峠に向かって比較的なだらかな縦走路が続きます!
紀見峠到着後はダイトレを離れ”紀見峠駅”まで下ります。紀見峠から紀見峠駅までの道は「情緒の道」という街道。数学者”岡潔”の故郷である紀見村の街並みを楽しめるのどかな街道です!
2回の山行記事はこちら↓
③紀見峠→岩湧山→槇尾山(施福寺)
その③『紀見峠→槇尾山・施福寺』
- 紀見峠駅→紀見峠or3合目→岩湧山→施福寺(槇尾山)→バス停
- 距離:14.8km ※紀見峠~施福寺までは13km
- 標準コースタイム:6時間
〈アクセス〉
- 行き:南海高野線「紀見峠駅」→紀見峠
- 帰り:槇尾山バス停→槙尾中学校前バス停→泉北高速鉄道「泉中央駅」
3回目は「紀見峠」から大阪側の起点でゴールの「施福寺」へ進みます!
ススキの名所「岩湧山」でこれまでの道のりを振り返りながら景色を眺め、滝畑へ下ります。滝畑からは槇尾山の山腹を進み、ダイトレ起点の施福寺へ!
西国三十三所の『施福寺』を参拝!石段の参道を下り、「槇尾山」バス停でゴール!
ちなみに紀見峠駅からは紀見峠に戻らなくても、岩湧山の3合目でも合流できます!
3回目の山行記事はこちら↓
宿泊モデルコース:標準プランは2泊3日!
宿泊施設やテント泊での標準プランは2泊3日とされています!
日帰り3回プランを元にしたモデルコースを計画してみると、
- 1日目:屯鶴峯→二上山→大和葛城山(泊)
- 2日目:水越峠→金剛山→紀見峠(泊)
- 3日目:岩湧山→滝畑→槇尾山(施福寺)→バス停
体力のある方だと、1泊2日で踏破される方も!その場合は屯鶴峯、施福寺のどちらからスタートしても金剛山が宿泊地としては有力です!
トレイルランナーさんの中には1日で踏破される猛者もおられます!
ダイトレ内の宿泊地!
ダイトレ内は宿泊に便利な施設がたくさんあります!
またダイトレ以外のエスケープルートを利用して麓の宿泊施設を利用することも可能です。
ここではダイトレ内の施設と比較的利用者の多い施設をまとめました!
宿泊施設
かつらぎ高原ロッジ:大和葛城山
かつらぎ高原ロッジは大和葛城山にある宿泊施設です!2泊3日のプランだと1泊目に利用する方が多いと思います。
1階はログハウス風のお部屋なので山小屋の様な雰囲気が楽しめます。館内の食事処からは奈良盆地の夜景が楽しめ、24時間入浴可能な温泉もあります!日帰り入浴可
また名物の”カモ料理”や”ぼたん鍋”などお食事面でも非常に充実した宿泊施設です!
香楠荘:金剛山
香楠荘は金剛山、ちはや園地の隣りにある宿泊施設です!ロープウェイからも近く一般のお客さんも多く利用されます。
金剛山の湧き水を使ったヒノキ風呂の大浴場もあります。
※金剛山ロープウェイの耐震性問題による運休に伴い、香楠荘も一時的に営業を休止されています。再開時期は未定。2019年10月現在
紀伊見荘:紀見峠
紀伊見荘は紀見峠駅から徒歩5分ほどにある宿泊施設です!ダイトレのコースからは一旦離れますが、縦走される方も多く利用される旅館です。
特に温泉が人気で、美肌効果のあるアルカリ性の天然温泉です!登山で疲れた体を癒やして翌日に備えるのもいいですね♪内装もリニューアルされたそうですよ!
テント場
葛城高原キャンプ場
葛城高原キャンプ場は大和葛城山の山頂すぐにあるキャンプ場。ロープウェイ駅よりの場所にあります。受付は白樺食堂へ。
大和葛城山は非常に景色の良い山なので、夕暮れから日の入り、大阪・奈良の夜景、翌朝の日の出などを楽しみながらテント泊することができます♪
また、かつらぎ高原ロッジの入浴施設を利用することができるのも良いポイントですね!
ちはや園地金剛山キャンプ場
金剛山キャンプ場は『ちはや園地』にあるキャンプ場。大阪府で最も標高が高い場所にあるキャンプ場です!
持ち込みテントでの宿泊の場合は、1年を通じて利用することができるので、ダイトレ縦走者には利用しやすいテント場だと思います!炊事用品・BBQ設備のレンタルもできます!
光滝寺キャンプ場:滝畑ダム
光滝寺キャンプ場は岩湧山と槇尾山の中間地点の”滝畑ダム”上流にあるキャンプ場。
滝畑ダムには『光滝寺キャンプ場』と『滝畑湖畔バーベキュー場』があり、それぞれ夏場は大阪府周辺の方々のBBQスポットとしてとても人気があります!
※写真は『滝畑湖畔バーベキュー場』
キャンプ場にはオートサイトの他にバンガローもあります。またシャワーや水洗トイレが完備されているのもうれしいポイント!
ダイトレの登山地図
昭文社:山と高原地図50「金剛・葛城 和泉高原」
昭文社「山と高原地図」はルートや見所、コースタイムや水場などの情報まで詳細に記されている定番の登山地図です!用紙には水に強い丈夫な紙が使用されています。
ダイヤモンドトレールの該当するマップは50「金剛・葛城 和泉高原」です!
スマホGPSアプリ
ダイトレは基本的に稜線上の一本道ですが、それぞれの山、峠では別のルートが合流します。地図に載っていないような小道や作業道もあるので、現在地がすぐに確認できるスマホの登山用「GPSアプリ」があると便利です!
いろんなメーカーからリリースされていますが、どのGPSアプリでも非常に精度が高く、しかも基本無料で利用できるものがほとんど。一部、色付き地図などの有料機能以外は無料で利用できます♪
その中でもブログ主は「YAMAP ヤマップ」というアプリを利用しています!シンプルな画面で使い勝手が良くて、操作も簡単です(゚∀゚)!
まとめ
今回は「ダイヤモンドトレール」についてまとめてみました!
初心者からベテランまで挑戦できる関西屈指の縦走路「ダイヤモンドトレール」。一年を通じて多くのハイカーで賑わうロングトレイルです。総距離が45kmと長距離なので体力は必要ですが、アクセスの手段や宿泊施設も充実しているので、自分にあったプランで山歩きが楽しめます♪
四季折々の変化を楽しみながら、自然豊かな自然歩道のトレイルに挑戦してみてはいかがですか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!ではまた(^_^)/~
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