2021年7月初旬、今回は熊野古道「伊勢路」に挑戦!
梅ヶ谷駅~紀伊長島駅の区間には2つの峠道があります!前回のパート⑥では、東側の「荷坂峠」を歩きました!
今回のパート⑦では、同じ区間にある西側の峠道「ツヅラト峠」を歩きます!
ツヅラト峠コースの魅力は、なんといっても熊野古道らしい”石畳道”!!荷坂峠に比べて少し距離も長く標高も高めのコースですが、古道感あふれる美しい石畳の峠道を進みます!
伊勢路1回目「伊勢神宮・伊勢市駅~田丸駅」はこちら↓
パート⑥⑦の前の区間「滝原駅~梅ヶ谷駅」はこちら↓
次の区間、「一石峠・三浦峠(熊ヶ谷道)」紀伊長島駅~三野瀬駅↓
『伊勢路』のオススメコースについてまとめました↓
今回の熊野古道「伊勢路」プラン!
梅ヶ谷駅~紀伊長島駅の区間には、
- ツヅラト峠
- 荷坂峠
の2つの峠道があります!
この2つの峠は大紀町と紀北町の境にある峠で、古くは紀伊国の玄関口であり、伊勢国と紀伊国の国境でした!伊勢神宮から海岸へ抜ける最後の峠です!!
もともとの伊勢路のメインルートは「ツヅラト峠」!”ツヅラト”という名前は、峠道が九十九折(つづらおり)の急坂であることに由来します。
ツヅラト峠の道が急峻で険しかったため、江戸初期に紀州徳川藩の初代藩主「徳川頼宣」が参勤交代の便のため東側に開いたのが「荷坂峠」となります!
以降、どちらの峠道も利用されましたが、標高が低く交通面で便利であった荷坂峠は「お伊勢参り」でも利用され、メインルートとなります。
その一方で、ツヅラト峠は”石畳道”が現代でも良好な状態で保存されており、古道ハイクのスポットとして人気です!!
今回のパート⑦では「ツヅラト峠」を歩きます!
「荷坂峠」の記事はこちら↓
7回目は「ツヅラト峠」梅ヶ谷駅~紀伊長島駅
今回は「ツヅラト峠」梅ヶ谷駅~紀伊長島駅の区間を歩きます!
梅ヶ谷駅からスタート!まずは、やはしら公園に立ち寄り、敷地に鎮座する”八柱神社”に参拝して安全祈願をします!
汲泉寺→定坂公園と進み、公園の先から地道の歩行者用道へ入ります。一旦林道と合流して進むと高野橋の脇にツヅラト峠登り口があります。
峠への登りは少し急登!登りきればツヅラト峠に到着!熊野灘の展望を眺めて少し休憩。
峠からの下りは”ツヅラト”の名前通りの九十九折の急坂が続く。下りが終盤に差し掛かると、美しい”石畳道”!下れば下るだけ見事な石畳が続いていきます♪
志子側の登り口から下っていくと花広場がある。あとは川沿いを進めば紀伊長島駅へゴール!
このコースの総距離は約9.5km!
標準コースタイムは約4時間です!
今回のプラン・山行データ
- 梅ヶ谷駅(5:31)→定坂公園(5:59)→ツヅラト峠登り口(6:32)
- 「ツヅラト峠」:登り口→峠(6:49-7:12)→登り口(7:52)
- 花広場(8:04)→紀伊長島駅(8:57)
駐車場とアクセス
マイカーの場合の駐車場
今回の区間では、スタート&ゴールのどちらにも駐車場があります!
- 梅ヶ谷駅:やはしら公園
- 紀伊長島駅:駅前駐車場
- 峠登り口(志子・長島側):花広場・トイレ駐車スペース
山行プランに応じて駐車場を選択しましょう!
スタート地点の梅ヶ谷駅すぐに「やはしら公園」があります!
公園にある公衆トイレの脇に駐車スペースがあり!
ゴールの「紀伊長島駅」には駅前に駐車場があります!
紀伊長島駅は、JR紀勢本線の「紀伊長島~多気」間の始発駅でもあるので、山行計画を立てやすいと思います!
ツヅラト峠の志子側にある”花広場”にあるトイレ脇にも駐車スペースがあります!
こちらは今回のコース上にあるので、車をデポしやすい立地だと思います!
アクセス
〈マイカーでのアクセス〉
- 梅ヶ谷駅:紀勢自動車道「紀伊大内山IC」から約10分
- 紀伊長島駅:紀勢自動車道「紀伊長島IC」から約5分
〈公共交通機関でのアクセス〉
- 松坂駅から:松坂→多気→梅ヶ谷〈990円〉
- 紀伊長島駅から:紀伊長島→梅ヶ谷〈200円〉
熊野古道「伊勢路」⑦梅ヶ谷駅~紀伊長島駅
梅ヶ谷駅→定坂公園→ツヅラト峠登り口
早朝の紀伊長島駅!今回は駅前駐車場に車をデポさせていただいて、梅ヶ谷駅へ電車移動!
前日の「荷坂峠」がかなり蒸し暑かったので、始発で出発して早朝に歩きます!
〈5:31〉梅ヶ谷駅に到着!紀伊長島駅からは1駅10分でした♪
ホームから階段を下って、左手に進むと「ツヅラト峠」方面です!
右手に国道へ抜けると「荷坂峠」方面。
駅を出るとすぐに「やはしら公園」があります!
やはしら公園には”八柱神社”が鎮座しています。
こちらは、江戸期には二天八王子社と称した神社。
ツヅラト峠や荷坂峠へ向かう旅人が道中安全を祈願したという、地元の産土神さまを祀る神社です。
ブログ主もスタート前に参拝して安全を祈願しました!
〈5:40〉それではツヅラト峠へ向かいましょう!
公園前を進むと広い道路に突き当たります。そのT字路を左折!
ツヅラト峠の案内に従って進んでいきましょう!
少し進むと道脇に石道標があります!
この道標は、昭和20年代までは国道42号線の交差点に立っていたものが移設されたそうです。
正面に「くまの道」、側面に「右いせ道」と刻まれています。
指差しデザイン(゚∀゚)!!
紀勢自動車道の高架を潜り、
蛇行する大内山川を何度か渡りながら進んでいきます。
峠まではしっかりと道標が設置されています!ツヅラト峠の登り口まであと2800m!
〈5:50〉しばらく進むと汲泉寺があります。
こちらは曹洞宗の禅寺で、宮川八十八ヶ所の第一番札所であったお寺です。
道脇に祠!赤レンガの祠だー(゚∀゚)!!珍しい。
庚申堂ですね!
〈5:59〉川沿いをのんびり進んでいくと東屋がある公園が見えてきます。
この公園が定坂公園(小公園)です。
定坂公園の向かい側に、バス駐車場があります。
駐車場内の大きなカエデの木の下に、
花山院法皇碑があります。
若き花山法皇が熊野参詣の途中に熊野権現を遥拝した地との伝承があるようです。
定坂公園近くの下里橋。ここは渡らずに左手へ川沿いを進みます。
ここから地道区間♪
川沿いの道は”歩行者用道”として整備されています!
ちなみに橋を渡って集落内を進んでも後に合流できるのでどちらでもOK!ブログ主が参考にしているガイドマップには、”虫が多い時期は集落内の道へ”と紹介されていました!
歩行者用道はこんな感じの林道のような未舗装路です!
天気は曇り空だけど、雲自体はうっすらだからゴールするまで雨の心配はなさそうですね♪
歩行者用道をのんびり進んでいくと、
林道に合流します。先程の下里橋で分岐したルートもここで合流!
林道を数百mほど進めば、高野橋の手前で左に逸れると、
〈6:32〉ツヅラト峠の登り口(栃子口)に到着です!!
ここからツヅラト峠の峠道がスタートです♪
「ツヅラト峠」:登り口→ツヅラト峠→石畳道→登り口
林の中に入ると、右手に入口があります!
左手の道はツヅラト峠のピーク手前で再び合流する林道です。
ツヅラト峠道の石碑♪
それではツヅラト峠へ向かましょう!
登り口から少し入ると、沢の1本橋を渡る。
沢沿いは涼しくて気持ちいー(*´∀`*)早朝スタートで正解だったかも!!
ツヅラト峠までは樹林帯の急登が続きます!!
コース内には、下山するまでレスキューポイントの木柱が並んでいます!コース内の残り距離が把握できていい感じ♪
階段!このコースは峠まで急登ですが、登りの距離は短い!
崩れやすそうな箇所もしっかり補強されていて、よく整備されている印象です!
黙々と急坂を登っていくと、
峠手前で林道が交差!登り口の林道はここまで登ってくるんですねー。
林道を横断して、
手すりがある階段を登れば、
〈6:49〉ツヅラト峠に到着です!!
旧熊野街道ツヅラト峠!!!
ツヅラト峠は急峻な峠なので、展望が開けます!
伊勢と紀伊の国境であったツヅラト峠!伊勢路はこの峠に立って初めて熊野の海を目にすることになります!!
峠に”みはらし台”の案内があったので向かってみます♪
峠の説明看板脇から”迂回路”の案内に従って登ると、みはらし台です。
ちなみに”迂回路”は、いくつかある見晴台を巡るコースのようです。
こちらは下山したところにある花広場に掲示されていたイラストマップ。
マップを見る限り、迂回路はかなり遠回りするルートのようですね。
峠の案内板の脇から登って”みはらし台”。
少し曇り空だけど、なかなか開放感があるいい景色です♪
〈7:12〉峠で少し行動食を食べて、景色を眺めながら休憩!
行動再開して下っていきましょう!
ツヅラト峠からの下りは、登りよりもさらに急!!危険箇所や勾配がキツイ箇所にはロープが張られています。
ジグザグに下っていく!この九十九折の下り道が、ツヅラト峠の名前の由来!
前回の「荷坂峠」もそうでしたが、海に向かう峠からの下りの方が距離が長く、古道らしい雰囲気も割増のコースになります♪
しばらく下ると立派な石垣が見えてきました!少し崩れて補修されている。
この石垣は、「野面乱層積み」で固められた石垣となります。
コース内の数カ所で同じよう野面乱層積みの石垣を見ることができます。
少し下りが落ち着いてくると、
〈7:23〉山の神の祠がありました!
古くから地元民に信仰されてきた神様です。
祠の隣には、ちょっぴり滝(゚∀゚)!!
山の神を過ぎると、ここからが本番!!
九十九折の道を下っていくと、
次第に足元が美しい石畳に(゚∀゚)!!!!!!!
熊野古道と言ったらコレでしょう(*´∀`*)♪
少し下ったところで沢を渡渉。
沢を渡っても、まだまだ続く石畳道!!!
は~~~(*´ω`*)うっとりするような美しい石畳道です♪
古道ファンのブログ主にとっては、もうホントたまんない。
もうテンション上がりまくりで、石畳をうっとり眺めながらスローペースで下っていきました。
伊勢神宮からここまでのコース内には、こういうザ・熊野古道という石畳道はあまりありませんでした。でも、今後の海岸沿いの峠道には、このような良好な状態で保存されている石畳道が多くあります!
伊勢路が他コースと比べても人気が高いのは、こういう峠が多いからなんでしょうね~。
ツヅラト峠石道跡の石碑!
石畳道を下っていくと説明板が見えてきました!
〈7:52〉ここがツヅラト峠登り口(志子口)です!
石畳道もここでお別れ!!300mも石畳が続く美しい道でした!!
花広場→紀伊長島駅
では駅へ向かいましょう!説明板から沢を渡渉すると、
林道に合流!
そのまま進んでいくと、足元が舗装路に変わりました!
舗装路に変わった頃に右手を見るとキャンプ場があります。設備を見る限り、まだ新しいキャンプ場なのかな?
帰って調べてみると、2021年6月25日にプレオープンしたばっかりのキャンプ場でした(゚∀゚)!!
この日の1週間ほど前!!なんとタイムリーな!
またキャンプでも訪れたいなー!そしたらまた石畳道を歩くんだい!!
めだかの学校!養殖場かな?
〈8:04〉しばらく道なりに下っていくと、ツヅラト花広場に到着!
ガイドブックには花広場”跡”って書いてるから、閉園した公園なのかな?
峠越えの休憩に良さそうですね♪
花広場から少し下ると公衆トイレがあります!冒頭でご紹介した駐車スペースがあるところです。
トイレをお借りして少し休憩しました!
〈8:18〉では紀伊長島駅へ!トイレ前から川沿いの小道に入ります。
川沿いから集落内をクネクネと進みますが、足元にはヤタガラスのイラストがある道標が埋め込まれています。
麓から振り返るツヅラト峠!!
集落を抜けると広い道路に突き当たります!おそらく国道422号線。
突き当りを左へ進みます。
国道は赤羽川に沿って進んでいきます!
国道沿いをしばらく進むと、紀伊長島ICの手前で分岐があります。
そのまま国道を道なりに進んでも、右手に進んでも、どちらでも紀伊長島駅へ向かえます。
このあたりはガイドブックやガイドマップなどで、駅までの道順にバラつきがありました!
ちなみにブログ主は右折して、通行量が少なそうな川沿いへ進みました。
川から見える紀勢自動車道!
紀伊長島ICから新宮方面は、無料なんですよねー♪
ブログ主の今後の伊勢路貧乏旅の心強い味方(*´ω`*)
川沿いを少し進むとT字路があります。
紀伊長島駅へ向かう場合はここを左折すれば、駅まで1本道です!
ちなみに紀伊長島駅を経由せずに、そのまま次の区間へ進む場合はここを直進して”長島橋”へ向かいましょう。
道なりに進んで、国道を横断すると、
〈8:57〉紀伊長島駅にゴールです!!今回は天気も微妙なので、次の区間には進まずここまでにします!
駅前にある「万両寿し」さん!1950年創業の老舗寿司店!
こちらのお寿司屋さんは、「さんま寿司」などが人気!!
朝7時から営業で、テイクアウトできるので、熊野古道の旅のお供にオススメです!!
ブログ主は「焼きサンマ寿司」を購入しました(*´∀`*)!
甘めのすし酢で、おいしかったですー(*´∀`*)!!疲れた体には、お酢がうまい!!
他にも、生のさんま寿司や煮しめたカキのお寿司、海鮮丼などの美味しそうなメニューが沢山ありました♪
”梅ヶ谷駅~紀伊長島駅”区間のルートA「荷坂峠」編はこちら↓
次の区間、「一石峠・三浦峠(熊ヶ谷道)」紀伊長島駅~三野瀬駅↓
まとめ
ということで今回は”梅ヶ谷駅~紀伊長島駅”区間のルートB「ツヅラト峠」編でした!
ツヅラト峠は荷坂峠に比べると、道も少し急坂が多く距離も長めでしたが、熊野古道らしさを感じる場面が多く、さまに古道ハイクを楽しむには最適のルートだと思います!
特に、コース終盤に300mも続く”石畳道”は必見!!美しい石畳が良好な状態で保存されており、熊野古道の醍醐味がギュッと詰まったような峠道でした!
熊野古道のスポット巡りにもオススメの峠です!!