2021年7月中旬、今回は熊野古道「伊勢路」に挑戦!
前回のパート⑩では、伊勢路きっての人気コース「馬越峠」を歩きました!他ではなかなか見られないような、非常に美しい石畳に感動し、改めて熊野古道ハイクの楽しさを再確認できた一日でした♪
今回のパート⑪では「八鬼山越え」尾鷲駅・大曽根浦駅~三木里駅の区間を歩きます!
この「八鬼山」は、伊勢路の全体を通して最も標高が高くアップダウンが厳しい、”最大の難所”として知られる山岳路です!
体力が必要なコースですが、馬越峠に負けず劣らずの”苔むした石畳道”が続き、険しいながら信仰の道としての神聖な雰囲気を体感できるコースとなります!!
伊勢路1回目「伊勢神宮・伊勢市駅~田丸駅」はこちら↓
前回の「馬越峠」相賀駅~尾鷲駅・大曽根浦駅はこちら↓
次回、「三木峠・羽後峠」三木里駅~賀田駅アップしました!!
『伊勢路』のオススメコースについてまとめました↓
今回の熊野古道「伊勢路」プラン!
11回目は「八鬼山越え」尾鷲駅・大曽根浦駅~三木里駅
今回は「八鬼山越え」尾鷲駅・大曽根浦駅~三木里駅の区間を歩きます!
このコースを歩く場合、スタート地点は「尾鷲駅」「大曽根浦駅」のどちらからでも計画できます!ブログ主は大曽根浦駅側にある「三重県立熊野古道センター」からスタートしました!
熊野古道センターから住宅地を抜けると、T字路に「八鬼山」の道路標識があります。山裾を進んでいくと、公衆トイレの前に登り口があります。
「八鬼山越え」スタート!しばらくは緩やかに登り、籠立場を過ぎた頃から次第に傾斜がきつくなり”七曲り”の難所を登っていきます!登りきれば九木峠。九木峠から少し進み荒神堂の横から登ると八鬼山峠に到着です!!
八鬼山から「江戸道」を辿り下っていきます。少し下ると展望の良い”さくらの森広場”があります。広場からの下り道も尾根伝いの急坂。沢へ下れば登り口があり、その先に名柄一里塚跡に下山です。
麓に下ると目の前に海が広がる三木里海水浴場。三木里の集落を進めば三木里駅にゴールです!!
大曽根浦駅~三木里駅の区間は、
- 距離:約12km
- 標準コースタイム:約5時間30分
尾鷲駅からスタートする場合は、
- +約3km/1時間
今回のプラン・山行データ
- 熊野古道センター(5:14)→登り口(5:33)
- 八鬼山越え↑:籠立場(6:04)→九木峠(7:19)→八鬼山峠(7:38)
- 八鬼山越え↓:さくらの森広場(7:47-8:15)→名柄一里塚(9:31)
- 三木里海水浴場(9:54)→三木里駅(10:21)
駐車場とアクセス
マイカーの場合の駐車場
この区間にはスタート&ゴールの駅周辺に駐車場があります!
- 大曽根浦駅側:三重県立熊野古道センター
- 三木里駅:三木里海水浴場駐車場
計画に応じて選択しましょう!
大曽根浦駅からスタートする場合は「三重県立熊野古道センター」の駐車場が便利です!駅から徒歩15分。
熊野古道「伊勢路」に関する情報案内や資料の展示が行われています。
また熊野古道センターのすぐ近くに「夢古道の湯」という入浴施設が隣接しています!珍しい海洋深層水のお風呂が楽しめる入浴施設です♪
ゴールの三木里駅側には、海水浴場周辺に複数の駐車場があります!駅から徒歩10分ほど。
こちらは夏の海水浴シーズンのみ有料となりますのでご注意ください!
アクセス
〈マイカーの場合〉
- 尾鷲駅:紀勢自動車道「尾鷲北IC」から約5分
- 大曽根浦駅:「尾鷲南IC」から約10分
- 三木里駅:「三木里IC」から約5分
〈公共交通機関の場合〉
- 紀伊長島駅→大曽根浦駅〈510円〉
- 新宮駅→大曽根浦駅〈990円〉
- 三木里駅→大曽根浦駅〈240円〉
- 三木里駅→尾鷲駅〈330円〉
熊野古道「伊勢路」⑪尾鷲駅・大曽根浦駅~三木里駅
熊野古道センター→登り口
〈5:14〉早朝の熊野古道センター。
今回は真夏の山岳路なので、早朝スタートで熱中症対策!
それではスタートしましょう!まずは八鬼山の登り口へ!
熊野古道センターの駐車場から左折して進んでいきます。ちなみに大曽根浦駅はここを右折。
大曽根浦駅・尾鷲駅~八鬼山登り口までの道のりは、前回の「馬越峠」編の後半をご覧いただければわかりやすいかと思います!
熊野古道センターから住宅地を抜けてしばらく進むと、
〈5:24〉T字路に「←八鬼山」の道路標識があります!
ここから登り口へ!
T字路の角には、民謡・尾鷲節「道標歌碑」があります。
八鬼山道「ままになるならあの八鬼山を鍬でならして通わせる」
と尾鷲節の歌詞を刻んだ道標です。
この民謡は江戸時代、八鬼山を隔てた三木里浦の庄屋の娘”お柳”と、矢浜村の宮大工の弟子”喜久八”の悲しい恋の物語を唄ったものなんだそうです。
このT字路から八鬼山頂上まで約4.3km!!結構長い道のりですねー!
T字路からしばらく山裾を進んでいくと、
公衆トイレがあります。
ここも一応、駐車スペースがありますが、工事?が行われていました。
〈5:33〉公衆トイレの向かい側に八鬼山の登り口があります!
いよいよ伊勢路最大の難所へ!!
八鬼山越え(登り):籠立場→九木峠→八鬼山峠
では「八鬼山越え」スタートです!!
登り始めは山裾を進む緩やかな道が続きます!
足元にちょびっと石畳♪
八鬼山のレスキューポイント!63番まである(゚∀゚)!!
ここまでの峠道では長くても30番ぐらいまでだったので、山道区間がかなり長そうですね。
山裾から尾鷲市街地を眺めて進みます。
しばらく進むと樹林帯へ入ります。
まだ早朝だから薄暗い山道。実は八鬼山周辺は”熊”の目撃報告もあるので、この時間帯に1人で歩くのは少し怖かったりする(´・ω・`)
道脇に「行き倒れ巡礼供養碑」。
西国三十三所巡礼に出る人は、悩みや体に病を持つ人が多かったそうです。無事お伊勢参りを終えると、伊勢路を南下し那智山の青岸渡寺を目指しました。
その道中、この難所「八鬼山越え」で急に容態が悪くなる巡礼者が多かったそうです。
こちらの供養碑は、茨城県筑波の武兵衛という人の供養碑。
八鬼山の道中には、あわせて4基の供養碑があります。
それだけ当時のこの峠道が険しかったんだと思います。
苔むした石畳の道を進んでいく!
伊勢路で石畳って言えば、やっぱり前回の「馬越峠」が有名だけど、この八鬼山もかなり石畳道が美しいですね!
馬越峠の石畳はビシッと並べられている美しさだけど、八鬼山は苔むしていて神聖な雰囲気♪
もののけ姫に出てきそうな道!!
しばらく進むと説明板が2つ並んでいるところがあります。
〈6:04〉ここが籠立場。
籠立場は、紀州藩主や巡見使などが街道を通行するときに、乗っている籠を止めて一休みした場所です。
お地蔵さんの横に水場があります。お水を頂いて少し休憩♪
ここで山頂までの距離は約半分!でもここからが八鬼山の難所!
籠立場の少し先で木橋を渡ると、
次第に急な登り坂となります。途中で林道と交差。
ぐんぐん登っていきます!
苔びっしりの石畳(゚∀゚)!
供養碑と緑の石段!!
まさに秘境!いままでの伊勢路の中でも特に”信仰の道”って雰囲気をすごく感じる!!
石段・石畳の道を振り返る!
しばらく登っていくと看板があります。
ここから八鬼山越えの一番の難所”七曲り”が始まります!!看板にも「難所」って書いてるぐらいだから結構キツイ登りです!
名前の通り、くねくねと九十九折の急登が続きます!
ここまでの伊勢路の峠は、距離が短くて標高の低い峠が多かったけど、八鬼山は足元が石段なことを除けば、ザ・山登りって感じの道です!
空が開けて来た!!もう少し!!
ということでこのベンチで七曲りが終わります!ふぅー疲れたー!!
ベンチで少し休憩しました。
七曲りを過ぎると道は緩やかになります♪
この時間帯になると、明るくなってきて、山の木々にも木漏れ日があたりはじめました♪
途中にある桜茶屋一里塚。
その石碑。
”桜茶屋”ってことは、ここに茶屋があったのかな?
あと1km!!
しばらく緩やかですが、九木峠への最後の登りは少し急坂!
登りの途中に、尖った岩と平たい岩が並んでいます。
左が「烏帽子石」右「蓮華石」という大岩です。
江戸時代の巡礼者”小沢平助”の道中日記には、
【四十八丁ほど登り、右脇に蓮華石、烏帽子石あり。峠に茶屋あり】との記述があります。
ぐんぐん登って行くと、
〈7:19〉九木峠に到着です!
”熊出没注意”の看板(´゚д゚`)
山頂までもうすぐ!
ちなみに九木峠では、尾鷲湾をぐるっと囲む山々の縦走路”尾鷲トレイル”が合流します。
尾鷲トレイルを1日で踏破することを”一撃”って呼ぶらしいですよ!馬越峠に登った際に出会ったお父さんに教えてもらいました。
九木峠から少し進むとお堂が見えてきます!
八鬼山荒神堂。
かつては本尊三宝荒神を祀る日輪寺が伽藍を構えていたそう。西国一番札所の”前札所”としても参拝されていました。
お堂前にはかつて”荒神茶屋”があり、現在は茶屋の石垣が残っています。
石垣の奥に見える建物はバイオトイレです。
荒神堂の脇から石段を登り山頂へ!
お地蔵さんが並ぶ石段を登り、
道が緩やかになると、
〈7:38〉東屋がある八鬼山峠に到着です!!
東屋は残念ながら展望はありませんでした。
八鬼山越え(下り):さくらの森広場→名柄一里塚
八鬼山峠からの下り道は「江戸道」「明治道」に分岐します!
ですが「明治道」は未整備の部分が多く危険!
世界遺産に登録されているのも「江戸道」なので、下りはそちらを辿ります!
江戸道に入るとすぐ左手に”八鬼山頂上”の看板があります。
小高いところに八鬼山の山頂がありました!!おにぎり型の石も!
八鬼山の標高は627m!伊勢神宮~新宮間の峠で最高点です!!
やっぱり山に登ると達成感がありますね♪
ではでは下っていきましょう!八鬼山では休憩せずに進んでいきます。
フラットなのんびりした道♪
しばらく進むと「さくらの森広場」の分岐があります。
少しそれて寄り道♪
〈7:47〉分岐からすぐに視界がぱっとひらけて広場がありました!
芝生の広場♪
ここまで鬱蒼とした樹林帯のコースだったから、めっちゃ清々しい気分♪
広場の展望台からは熊野灘が一望できます!
ちょっと曇ってきたかな^^;
でもいい眺めです!!
海が見える峠道♪伊勢路は本当に景色がいい峠が多い!
景色を眺めながら食事休憩♪
山で食べるご飯ってなんでこんなにうまいんやー。
〈8:15〉30分ほど休憩して行動再開!
広場から江戸道への合流は、分岐に戻らなくても、木の間を下っていくと、
すぐに合流できます!
八鬼山の下山路も石畳・石段の道が続きます!でも下りもかなり急です!
所々にロープが張られています。
木の根の道!!自然林もなかなか多い♪
木漏れ日に照らされる苔の石段!
コース的に結構崩れやすそうな道だけど、世界遺産なだけにかなりしっかりと整備されていますね!
〈8:32〉しばらく黙々と下っていくと、東屋があります。
ここには、かつて十五郎茶屋という一軒の茶屋があったんだそう。
「西国三十三所名所図会」には、ここの茶屋で旅人がくつろいでいる様子が描かれています。
いつの間にやらレスキューポイントも50番を突破!!
茶屋でくつろぐ様子。
十五郎茶屋からは尾根伝いに急な下りが続きます!ここがかなり足腰にキツかった…。
沢に向かってどんどん下っていく!
〈9:13〉沢音が大きくなってくると、江戸道と明治道が合流!
あとは沢沿いを下っていくだけ!
途中に説明板。ここも登り側にあったのと同じく籠立場です。
ここからの江戸道(下ってきた道)は急坂となるため、紀州藩主や巡見使のお供の行列はここから”槍”を担いで登ってよいことになっていました。
そのことから先程の十五郎茶屋までの急坂は「槍かたげ」とも呼ばれていたんだそう。
籠立場を過ぎると、ようやく緩やかな道に♪
少し下ると八鬼山の説明板があり、
ここでレスキューポイントも最後の63番に!!
ここが三木里側の登り口。
沢を渡ると、
舗装路に変わりました!
で、林道に出るところで足元を見ると、大量の引っ付き虫がorz
これは取るのにめっちゃ時間がかかるタイプのやつや~(´・ω・`)
林道を少し下っていくと、分岐があります。ここを左へ入れば、
〈9:31〉名柄一里塚跡があります!
一里塚の前には公衆トイレ!
トイレの前には伊勢路の道標があります!新宮まで残り54km!!
一里塚のベンチに座って、引っ付き虫を取りながら休憩しました。
三木里海水浴場→三木里駅
ではゴールの三木里駅へ!
芝生道が終わってそのまま真っ直ぐ!
踏切渡ってそのまま真っ直ぐ!
住宅の間をそのまま真っ直ぐ!
〈9:54〉すると国道311号線に突き当たります!そのまま真っ直ぐ抜けると!!
三木里海水浴場!!!!海ー!!!!!
でもちょっと曇ってきたなー。泳いでる人もいたー!
〈10:03〉海水浴場からゴールの三木里駅へ!
駅までは、旧道を進んでも、海水浴場を進んでも、国道沿いを進んでもOKです!
一応、旧道を進むのが熊野古道のコースですが、特に立ち寄るところもなさそうだったので、ブログ主は国道沿いを進みました。
〈10:14〉海水浴場を過ぎると、八十川橋があります。
熊野古道はそのまま橋を渡って、次の三木峠へと進みますが、今回はここまで!!
橋の手前で右折して三木里駅へ。
次回はここから「三木峠」へと進みます。
駅へは国道から10分ぐらい!
〈10:21〉ということで三木里駅にゴールです!!
結構疲れたー!!かなり蒸し暑かったのもありますが、登りよりむしろ下りの急坂の方がキツかった。高低差も600m以上のコースで距離も長めだから、まさに伊勢路の難所ですね!
熊野古道で言えば、中辺路の「大雲取越」よりは楽だけど、「小雲取越」よりはキツイって感じです。
三木里駅から眺める、三木里海岸の風景♪
晴れてたら海で泳ぎたかったぜー!
電車に乗って大曽根浦駅に戻ってきました!
苦労した道のりも電車ならたった2駅10分!
駅から歩いて熊野古道センターに戻ってきました!
熊野古道センターで資料の展示を見学!!
伊勢路の曼荼羅図!!
今回の八鬼山で伊勢路最大の難所はクリアですが、今後も鬼ヶ城や花の窟神社がある熊野市まで、小さな峠道が沢山あります!
今後の伊勢路旅もますます楽しみです♪
真夏なのもあり体力的にはしんどい峠でしたが、難所を無事クリアできてホッとしました!
次回、「三木峠・羽後峠」三木里駅~賀田駅 編アップしました!
まとめ
ということで今回は伊勢路⑪「八鬼山越え」尾鷲駅・大曽根浦駅~三木里駅でした!
「伊勢路」の最大の難所ということで、気合を入れて計画していましたが、アップダウンは厳しいものの、コース上に危険箇所や道迷い箇所はなく、以外にもコース自体は歩きやすかったです!
体力的にも、普段から日帰り登山を楽しんでいる方なら問題ない区間だと思います!
美しい苔むした石段・石畳に、桜の森広場からの展望!
馬越峠の石畳も見事でしたが、八鬼山の石畳はより神聖な雰囲気が漂っていました!まさに”信仰の道”というようなコースでした!
では次回の伊勢路旅に続きます!!