明神平でテント泊!大又から桧塚、桧塚奥峰と薊岳に登る①日目

登山・トレッキング

2018年8月中旬に台高山脈北部の中心地、明神平でテント泊してきました!

夏も本番になりましたが、今年はなかなか遠出をすることができず、せめて近場でテント泊をしようと自宅で考えていました。大峯山脈の方に行こうか、それとも鈴鹿山脈や比良山系にしようかな~とガイドブック片手に悩んでいました。

ちょうどこの山行の少し前に関西地方をかなり大型の台風が襲い、山間部は特に大きな被害を受けました。台風が去ったあと、山での事故が多発しているというニュースを耳にしたので、今回はできるだけ安全にテント泊をしたいと思い、何度か訪れたことがある明神平でテント泊をすることに。

明神平は関西地方ではとても人気があるテント場。広々とした芝生の平原が広がる台地で5分ほどの距離に水場があるとっても過ごしやすい山深い場所にあります。

周辺は1400m前後の山々に囲まれているので、明神平を起点に様々な山に登ることができて、非常にルートが豊富!

今回は明神平にテントを設営して拠点を作り、そこから1日目は桧塚、桧塚奥峰へ登り、2日目は薊岳に登る1泊2日の山行を計画しました!

前回訪れたときは、明神岳と笹ヶ峰の間にある「森のベンチ」を訪ねて日帰りで訪れたのでその時の記事も良ければ読んでいただければと思います!

追記:冬も明神平に訪れましたー↓

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明神平テント泊プラン

今回のテント泊プラン

今回は奈良県側、東吉野大又にある大又林道終点駐車場から明神谷ルートで明神平に登り、まずはテントを設営して拠点を作ります。そこから1日目は桧塚、桧塚奥峰を往復して明神平で一泊。

1日目 大又林道終点駐車場→明神谷ルート→明神平(テント設営)→明神岳→桧塚→桧塚奥峰→明神平(テント泊)

2日目の朝は薊岳まで往復して明神平に戻り、テントを撤収して一日目と同じ明神谷ルートで大又林道終点駐車場に帰ってきます。

2日目 明神平→前山→薊岳→前山→明神平(テント撤収)→明神谷ルート→大又林道終点駐車場

1日目のルート、想定タイム

明神谷ルートで明神平に登り、そこから台高山脈東側の支尾根にある桧塚(標高1402m)、桧塚奥峰(1420m)まで往復します!

  • 明神谷ルート 大又林道終点駐車場~明神平 1時間30分~2時間
  • 桧塚、桧塚奥峰往復 明神平~桧塚~桧塚奥峰~明神平 2時間30分~3時間

一日目の行程全体では休憩込みで4時間30分~5時間30分ほどと想定して計画しました!

テント設営や荷物整理の時間も掛かると思うので、実際はもうすこし時間がかかると思います!

アクセス・駐車場

駐車場

明神谷ルートで明神平を目指す場合は、東吉野村大又の集落を通過して林道をしばらく進むと終点にある大又林道終点駐車場が便利です!

20~30台ほど駐車可能。明神平からは色々な山へ登ることができて人気があるので利用される方も多い駐車場です!特に紅葉シーズンは混雑するので注意が必要。

この日はテント泊をするので少し遅めの9時30分ぐらいに駐車場に到着しましたが、すでにかなりの台数が駐車されていました!

アクセス

公共交通機関で訪れる場合は、近鉄「榛原駅」から奈良交通のバスに乗り、菟田野町で乗り換えて大又バス停。そこから徒歩で大又林道終点まで1時間ほど歩きます。

バスの便数も少ないので利用する場合は事前にしっかりと時刻表を確認しましょう。

それでは大又林道駐車場から今回の山旅の様子をご紹介します!

明神平でテント泊 1日目

大又林道終点駐車場~明神平

大又林道終点駐車場すぐの車止めの脇を抜けて、1泊2日の山旅スタートです!

車止めからしばらく進むと登山口があります。登山届をきっちり提出しましょう。

登山口を過ぎるとしばらく林道の登り。山道に入るまでは15分~20分ほど歩きます。途中荒れた箇所がありますが、通行には問題ありません。

林道を抜けて、足元がだんだん山道らしくなってきました。

この橋を渡って、ここからは本格的に明神谷ルートの登山道が始まります。日差しが眩しい。今日は天気が良さそうだ(*´∀`)

明神谷ルートは明神平までのルートの中ではおそらく最も距離が短い人気のルートです!名前の通り谷筋を沢沿いに進むルートで、途中何度か渡渉箇所があったり、滝があったりと景色の変化が楽しめる魅力的なルートです!

ですが沢沿いを進むので、増水時は注意が必要。台風が過ぎると荒れていることが多い印象です。

今回の山行の少し前に通過した台風では、このあたりは強い雨や風に襲われなかったようなので、この日は特に増水も荒れている様子もなく、歩きやすかったです!

最初の渡渉箇所。ロープが張られていますが、ロープの箇所を渡るよりも少し下流側を進むほうが渡りやすいです。

2つ目の渡渉箇所。ハシゴと大きな木が印象的な場所で、ブログ主は明神谷ルートの中でこの場所の景色が一番お気に入り♪日差しが木々を照らすと幻想的な雰囲気が感じられる場所です。

渡り終えると、旧あびし山荘の跡地があります。

ここから何度か沢を渡り、明神谷の核心部、明神の滝まで沢沿いを一気に登っていきます。

原生林が美しいルートです。台風が去った影響なのか、8月の真っ只中なのに少し肌寒さを感じるぐらい気温が低め。

明神谷に到着です!ここで少し休憩。テント泊装備を背負っての山行はひさしぶりなのでこまめに休憩を取りながら歩いてきました!

ちょうどここで明神谷の写真を撮られているご夫婦の方がおられました。本格的な一眼レフカメラを三脚でセットして撮影されていたので、挨拶と少し会話を交わして、撮影の邪魔をしないように先へ進みました。

明日も帰りはこのルートで降るので、明神滝は翌日に立ち寄ることにしました!

明神谷を過ぎて、ここからは少し登りが増えてきます。

山腹を谷の上部まで登ります。このあたりは少し道が細くなったり、木の橋が掛けてあったりと、すこし荒れた印象があるので注意して進みましょう!

登り切ると、木のベンチがあります。ここは明神谷のちょうど真上ぐらいの位置。

しばらく山腹をジズザグに進みます。

谷の最上部あたりには木の橋が掛けられていますが、少し腐りかけているので踏み抜かないように注意が必要です。

ジブリ映画などに出てきそうなファンタジーな雰囲気です(●´ω`●)

登り切ると、ここからは歩きやすい登山道。

木漏れ日がきれいな登山道を、つづら折りに行ったり来たりを繰り返しがなら少しずつ高度を上げていきます。

途中の小川。水がすごくきれいでした♪

明神平手前の水場。水の量はあまり多くありませんが、とても美味しい澄んだお水で体をすーっと冷ましてくれます♪

尾根がすぐ近くに見えてきました。明神平はもうすぐ!

ここを登ると、

明神平に抜けてきました!ここまで林道終点駐車場から1時間30分で到着!

シダが地面を覆う明神平。あちらの建物はあびし山荘という大阪府立天王寺高校の宿泊研修施設。ざんねんながら一般には非公開の山小屋です。

明神平に到着したので、とりあえずテントを設営して拠点づくりをします。明神平にはテントが張りやすい場所が数カ所ありますが、今回は水場の近い、天理大学の山小屋裏手の林の中に設営することにしました!

天理大学山小屋の裏手の林。所々に平坦な場所があり、地面は芝生の過ごしやすそうなテント場。テントを張った形跡がそこかしこにあって、ちょうどいい大きさの石がたくさん落ちているので、ペグは少なくて済みそうですね♪

今回はこちらにテントを張りました!まだこの時間帯では他にテントを張られている方はおられなかったので、いい場所が確保できた(*´∀`)

テントの設営が終わったので、まずは水場の確認をしておきます。天理大学山小屋の近くに、水場への案内があります。ここから5分ほどの距離。

天理大学山小屋の裏手、ブログ主がテントを張った方向に細い道が続いているのでたどっていくと、水が流れる音が聞こえてきます。音の方に進むと、水場がありました!

水場は十分な水量があり、ソフトボトルに入れてみましたが汚れなどもなく、とてもきれいなおいしい水でした(*´ω`*)

水場の確認もできたので、テントに戻り荷物整理。しばらく休憩していると気づけばもうお昼前。

昼食は自宅でおにぎりを作ってきたので、桧塚、桧塚奥峰で景色を眺めながら食べようと、行動用のポケットサックに必要な荷物だけを入れて、山頂を目指します。

明神平~桧塚、桧塚奥峰往復

明神平から桧塚、桧塚奥峰へ向かいます。ここから往復するのにだいたい2時間30分~3時間程かかります。このとき11時30分ぐらいだったので、遅くても15時ぐらいにはテントに戻る予定で向かいました!

明神平から南にしばらく登ると、前山、薊岳への分岐が現れます。薊岳へは翌日の朝に登る予定なので、ここは真っすぐ進みます。

正面に見えるのが三ツ塚の分岐。

三ツ塚の分岐から桧塚奥峰方面に道標に従い、東に進みます。

ここから明神岳少し先の分岐までは台高山脈の縦走路を進みます。

南側に続く台高山脈。天気は大丈夫そうですね♪

縦走路にぽつんと佇む、明神岳山頂。ここを20mほど進むと、

桧塚方面と千石山方面の分岐が現れます。桧塚方面へ降っていく登山道を進みます!

千石山方面は台高山脈の縦走路の主稜が続きます。先日訪れた、「森のベンチ」がある笹ヶ峰もそちらの方面です。

桧塚方面への長い真っ直ぐの降り。帰りはかなり登りがきつそうです(´・ω・`)

降り切るとなだらかな広々とした尾根。美しいブナの原生林が広がります!

ほとんど高低差のない登山道。荷物を軽量化したので足取り軽やかに進みます♪

すこしだけ倒木がある箇所がありますが、全体的には荒れた箇所のない登山道。

広々とした場所に出てきました。

ここは判官平という場所のようです。なんて読むんだろう?はんかんだいら…?ほうがんだいら…かな?漢字が苦手なブログ主にはよくわかりませんでした(´・ω・`)

桧塚までの中間地点になります。

このあたりはとても尾根が広いので天気が良ければ美しい原生林の景観を楽しむことができます。しかしガスなどで視界が悪い状態だと、道迷いの危険があるので、登山道を示すテープを見失わないよう十分に注意しましょう!

判官平からはまっすぐ東に進路を取ります。

巨大なキノコ。サルノコシカケだよね?

東に進んでいくと、道のように窪んだ場所があります。ここはまっすぐ横断するので、登山道と勘違いしないように注意!

ここからはしばらく登り。

登り切ると登山道が少し左に折れます。…手前の左手にあった脇道を進めばここは登らなくてもよかったっぽいです。

まぁわかりやすい道を進みに越したことはないので良しとしましょう!登ってきた分を降ります。

左に折れて少し進むと、視界がひらけました!ソロの登山者の方(明神平で出会って少しお話した方)がここで折りたたみチェアに座り音楽を聞きながら食事をされていました。

そういう過ごし方も山での時間を贅沢に過ごせてとても気持ちよさそうで素敵でした(*´ω`*)

桧塚奥峰手前、最後の急な上り。ここを登り切ると、

桧塚奥峰と桧塚の分岐が現れます。右に10mで桧塚奥峰ですが、ここは左に進んで先に桧塚に向かうことにしました!

分岐から桧塚までは片道15分ほど。往復では30分ほどでしょうか。

尾根の途中から明神平方面の展望。奥の2つのピークが水無山と国見山。

この開けた尾根は、三重県側のマナコ登山口からのルートです。

正面に見えるピークが桧塚の山頂です。あと少し!

桧塚に到着です!明神平からは1時間ほどで到着しました!

桧塚の山頂は展望のない三角点だけがある場所でした!

看板も割れていました・ω・三角点にタッチして桧塚奥峰へ戻ります!

桧塚奥峰へ戻っていくと、ちょうどマナコ登山口方面へ降って行かれる方がおられました!

マナコ登山口との分岐付近から北側に関西のマッターホルンと呼ばれて親しまれている高見山が見えました。

高見山へは水無山、国見山、伊勢辻山から北台高の縦走路が続いています。

桧塚奥峰の分岐に戻ってきました!

桧塚奥峰に到着です!明神平からは1時間15分ほどでした。あれ?少し曇ってきてる…。

南側には台高山脈の山並みが一望できます!天気予報では雨は降らないようなことを言っていたけど大丈夫かな?

先程歩いた尾根と桧塚の山頂。

こっちにも桧塚奥峰の看板が。

一応天気を気にしつつ、山頂でおにぎりを食べながらゆっくり休憩しました!

桧塚、桧塚奥峰までの登山道はなだらかなとても歩きやすい登山道で、軽快に進むことができました♪

昼食休憩を終えて、景色を堪能したあとは同じ道を通って、明神平のテント場に戻ります!少し曇ってきたので天候が心配でしたが、すぐに晴れ間が広がってきたので気分も上々に明神平を目指します♪

明神岳手前の分岐への登り、思っていたほど急ではありませんでした!降ったときは急に感じましたが距離もそれほど長くなかったのでスムーズに登りきれました♪

明神岳手前の分岐に到着!

そして明神平に戻ってきました!時刻は14時すぎ。

復路は1時間かからずに戻ることができました。休憩をしっかりとった割にはあまり時間がかからずに往復することができ、2時間30分ほどで戻ってくることができました(*´∀`)

桧塚、桧塚奥峰への往復はとても歩きやすいなだらかな登山道でした。ブナの原生林に囲まれた美しい森の中を歩く気持ちのいい登山道という感じ。桧塚奥峰と桧塚手前の尾根からの展望は抜群で周囲の山々を一望することができ、台高山脈の山深さを感じられました♪

注意点としては、尾根がとても広々としているのでガスなどで視界が悪いときなどは、道標のテープを見失って、道に迷ってしまう危険があるので十分に注意して歩く必要があると感じました!

明神平テント場で過ごす

テントに戻りました。

道中、汗で少し濡れた服やタオルを干しておきます。夏だしすぐ乾くと思います!

あびし山荘はロッジ風の山小屋。中はどんな感じなんでしょうか?入ってみたい・ω・

17時ごろ少し明神平にガスが掛かり始めました。

ガスはあまり濃くないのか、空は晴れていたので、何やら幻想的な景色に。

ガスはすぐに過ぎるだろうと思い、夕暮れまでの間に夕食の準備。

この日は簡単にアルファ米にレトルトカレーをかけて簡単に済ましました!アルファ米ってすごいですよね。お湯で戻すだけで本当に炊きたての御飯みたい(*´ω`*)

アルファ米とレトルトカレーは最強の定番メニューです♪

食事を終えて、テントで本を読みながらまったり過ごしていると気づけば夕暮れの時間帯に。テントから外に出て夕日を見に行きました!

なんじゃこりゃ!!!

薊岳方面にかかっていたガスが尾根を撫でるように流れて、まるで大きな滝のようになっていました!!!

いつの間にやら明神平にかかっていたガスは消えて、きれいな夕焼け空。

夕日に染まる明神平。

お月さんも顔を出しました!

すげー!こんな景色見たこと無い!!

この日、ブログ主を含め、テント泊されていた方は合計5人のテント4張りでした!他のテント泊の方と談笑しながら、美しい夕日と雲の滝を眺めていました(*´∀`)

他の方々もこのような景色は見たことが無く、驚いた様子で美しい景観に興奮して話がはずみました♪

あー沈んでいくー。

沈み夕日に照らされた空がまるで海のように広がる美しい夕焼けでした(*´ω`*)

夕日が沈むのを見届け、テントに戻りました。いやーすごい夕日でした(●´ω`●)

夕日が沈むと一気に真っ暗に。テントに戻って横になっていると気づけば爆睡!笑

関西の低山では夏のテント泊に山岳テントを使うと暑すぎて眠れなかったりしますが、この日の明神平は台風一過の影響なのか、とても肌寒い気温。テント内はむしろ程よい温度で快適に夜を過ごすことができました♪

まとめ 1日目

台風が通過した影響で明神谷ルートの状態が心配でしたが、特に荒れた形跡も増水している様子もなく、いつも通りの登山道で安心しました!

桧塚、桧塚奥峰への往復は思った以上に歩きやすく時間がかからなかったので、今回はテント泊での山行ですが、日帰りでも十分歩くことができるルートで、美しいブナの原生林に囲まれた歩いていて楽しい道のりでした♪

明神平はとても過ごしやすいテント場という印象です!水場がほど近くにあり、床も芝生でふかふか(*´ω`*)横になっても石などが当たる不快な感じもなく、平坦な箇所が豊富でたくさんのテントを張っても余裕がある広いテント場でした♪

この日は今まで見たことがないような幻想的な夕暮れを目にすることができたので、明神平の魅力を堪能できてラッキーでした(*´∀`)♪

明神平の難点を挙げるとするなら、トイレが無いという点でしょうか。ブログ主は気になりませんが、特に女性は苦労するかもしれません!

明日の朝は薊岳に往復するので、快適なテント場で爆睡できてよかった!

2日目の様子もすぐにアップするのでよければ続けて読んでくださいね(^o^)

2日目に続く↓

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