2020年7月下旬、今回登ってきたのは箕作山・太郎坊山!
箕作山・太郎坊山は滋賀県八日市、湖東平野にそびえる山です。※現”東近江市”と近江八幡市の境
万葉の里「蒲生野」にまるで岩の城のように佇む”太郎坊山(赤神山)”は、中腹にある「太郎坊宮(阿賀神社)」の御神体として信仰されています。「太郎坊」は天狗信仰にちなんだ名称。
その太郎坊山を中心とした山塊(瓦屋寺山系)の最高峰が”箕作山”となります。※正確には小脇山の方が少しだけ高い
この箕作山・小脇山の周辺は山城跡であり、織田信長によって攻略された六角定頼の城と展望台があったとされ、現在も八日市の市街地が一望できる見晴らしのいい山となります♪
今回はそんな太郎坊山周辺の山塊を、西側の「十三仏」で知られる”岩戸山”から、各ピークを繋ぐように登ってきました!
標高:岩戸山290m 小脇山373m 箕作山372m 太郎坊山350m
場所:滋賀県東近江市(旧八日市)・近江八幡市
2万5000分の1図:八日市
箕作山・太郎坊山への登山コース
代表的なルート
- 東側:八日市駅→瓦屋禅寺→箕作山
- 西側:市辺駅→岩戸山→小脇山→箕作山→太郎坊山
- 南側:太郎坊宮前駅→太郎坊宮→太郎坊山→箕作山
- 北側:貴船神社→清水山→箕作山→太郎坊山
などのコースがあります。
各山への単体ルートというよりは、瓦屋寺山系の各ピークを巡るコースが四方に整備されているという印象です。
山麓には”近江鉄道”が運行しているので、登山口へのアクセスが良く、非常に山行計画が立てやすい山域だと思います。
メインコースは太郎坊宮への参道である南側のコース。太郎坊宮前駅からまっすぐ参道が続いています。
太郎坊宮への参拝を主軸に、他コースを組み合わせるプランがオススメです!
今回は岩戸山から箕作山・太郎坊山へ
今回は西側の「十三仏口駐車場」を起点に箕作山・太郎坊山を目指しました!
駐車場から聖徳太子の伝説が残る”十三仏”を目指し参道を登ります。この十三仏には展望台があり、景色を楽しんだ後はすぐ先の岩戸山へ。
岩戸山からは小脇山・箕作山へと山城遺跡が残るなだらかな稜線を縦走します。
箕作山からは清水山への分岐を見送り、瓦屋禅寺へ寄り道。再びコース復帰して太郎坊山(赤神山)へ。
太郎坊宮(阿賀神社)へお参りし、表参道を下ります。下山後は山裾を歩いて駐車場へ戻りました!
このプランでの標準コースタイムは約3時間30分!
休憩時間を考慮して、4時間30分で計画しました。
今回のプラン!
- 駐車場(7:14)→十三仏・岩戸山(7:39)→小脇山(8:07)→箕作山(8:25-43)
- 箕作山→瓦屋禅寺(8:59)→太郎坊山(9:18)→太郎坊宮(9:35)
- 鳥居(10:15)→駐車場(10:44)
天候:くもり
活動時間:3:29
距離:6.6km
登山口の駐車場とアクセス
駐車場①「十三仏口駐車場」
岩戸山の登山口には「十三仏口駐車場」が設けられています!
今回は西側から各ピークを太郎坊宮まで辿りながら進むので、こちらの駐車場を利用させていただきました。
入り口には”害獣よけフェンス”があり、利用する場合はご自身で開閉する必要があります。通過後は必ずフェンスを閉めましょう!
駐車場②「太郎坊宮」の駐車場
今回は、西側からスタートしたので利用していませんが、太郎坊宮には参拝者用の駐車場が非常に豊富です!
逆順プランや太郎坊山・箕作山への往復の場合は、こちらの駐車場が便利ですね!
住所(太郎坊宮):滋賀県東近江市小脇町2247番地
TEL:0748-23-1341
駐車料金:無料
こちらは太郎坊宮全体のマップです。
太郎坊宮付近には参拝用の駐車場が数箇所設けられています!
また参拝が目的の場合は、山内の社務所前の駐車場まで車道がつながっているので、そちらの駐車場を利用すると良いと思います!
アクセス
〈マイカーの場合〉
- ナビの設定は「十三仏口駐車場」or「太郎坊・阿賀神社」
- 名神高速道路「八日市IC」から約10分
〈公共交通機関利用の場合〉
- 太郎坊宮:近江鉄道「太郎坊宮前駅」から徒歩20分
- 十三仏口:近江鉄道「市辺駅」から徒歩45分(船岡山経由)
箕作山・太郎坊山に登山
十三仏口→岩戸山→小脇山→箕作山
駐車場にある岩戸山・十三仏の説明板。
聖徳太子の言い伝えが説明されています。岩壁に爪で仏を刻むとは…。
掛け軸に描かれているのが”十三仏”かな?
〈7:14〉それでは十三仏口駐車場から登山スタート!
駐車場から数十mほど進すすむとT字に分岐する。ここから岩戸山への参道を登っていきます。
ちなみに帰りはこちらの竹やぶの道から戻ってくるプランになります。
お地蔵さんがたくさん並んでいる石畳の参道。
十三仏まではこんな感じで石段の登りが続きます!雰囲気は熊野古道みたい!
お!弘法大師さま(゚∀゚)!
ここ数年、高野山や熊野古道を歩くのにハマっているブログ主。古道・参詣道だけでなく、関西周辺の山に登っていると、かなりの確率で弘法大師さまの伝承だったり石碑だったりが残ってたりするんですよね。
”弘法大師”や”役の行者”などの仏教・山岳信仰にまつわる山が多いのが関西の山の特徴ですね。手つかずの大自然と言うよりは、霊山などの信仰の山が多い。
途中の東屋。多くのお地蔵さまに見守られながら参道を進みます。
〈7:39〉巨岩と石垣が見えてくると十三仏はすぐ!
岩の袂に大きな岩窟!
暗くて深い…((((;゚Д゚))))
お堂の前に並ぶお地蔵さん。このときはこのお地蔵さんが”十三仏”だと思ったのだけど、そもそも磨崖仏のはずなので完全に勘違いしてましたorz
下山後調べてみると、おそらくお堂の裏の岩壁に十三仏は彫られているようです。
お堂には鍵がかかっていましたが、これも後に調べてみると鍵がかかっているように見えて、実は開いていて、中に入ってお参りすることができたみたい…。ヤラカシタ(´・ω・`)
十三仏のお堂の前は展望台になっています!曇り空ですがなかなかの展望(゚∀゚)!
真正面(西側)に並ぶ山は、手前から、瓶割山、鏡山。
鏡山の方にひょっこり顔を出すピラミダルなピークは近江富士「三上山」だと思います!!
大津方面には比叡山!左のピークが大比叡だと思います。
南西側。すぐ近くにある山が雪野山。雪野山古墳で知られる山ですね。
その奥、遠くに見える山がたぶん甲賀の飯道山じゃないかな?
北西方面には八幡山(鶴翼山)。豊臣秀吉の甥、秀次の築城した”八幡山城”があった山です。
麓の近江商人により栄えた町並みや八幡堀の水郷もとっても美しい♪
岩戸山の山頂は十三仏の展望台から少しのところ。箕作山方面の道標に従って進みます。
山頂手前に見晴らしの良さそうな岩場。
岩場からの展望。こっちのほうが西側の見晴らしは良い!
右手側が箕作山方面ですが、ここを正面に登ると、
〈7:55〉岩戸山の山頂に到着です!!
岩戸山の山頂からは北側の展望が開けます。
真正面に見る山が、近江の守護”佐々木六角氏”の居城があった繖山(観音寺山)です。
また観音寺山の2つのピークの間に見える山が織田信長の安土城がある安土山。実はこの日は下山後に安土城跡へ立ち寄る予定です!
観音寺山も散策してみたかったのですが、観音寺城跡は次回に持ち越し!
滋賀県の山は戦国時代の城跡がたくさんあって歴史好き・山城ハイカーにはたまらないエリアですね♪
追記:『繖山(観音寺山)』に登ってきました↓
岩戸山からは小脇山→箕作山へと尾根道を辿ります。
小脇山城遺跡の看板。
小脇山まではほぼほぼ平坦な道。距離も短く15分ほどです。
道は穏やかなのですが、蜘蛛の巣が多い(´・ω・`)この日は距離が短いからトレッキングポールを置いてきたのだけど、持ってきたほうがよかったかも。
〈8:07〉そんなこんなで小脇山に到着!!
小脇山では南側の景色が広がります!ちょっと晴れ間も出てきましたね♪
あちらが太郎坊宮の御神体、赤神山(太郎坊山)。なかなか鋭い岩山ですね!
小脇山の山名看板。箕作山よりほんの少しだけ高い。
小脇山の山頂から箕作山へ。ほぼ同じ高さなのでアップダウンは少ないのんびりしたコースです。
遠目には祠に見えたケルン。
〈8:25〉またまた15分ほどで箕作山の山頂に到着です!
箕作山では北側(琵琶湖側)の展望が開けます!
この日は梅雨の中ほどなので天気はあまり良くありませんでしたが、天候に恵まれれば、伊吹山から横山岳・金糞岳などの山並み、長浜市方面から高島市方面まで見渡せます。
箕作山からすぐ北(写真右下)にある山が清水山。箕作山の少し先の分岐からこの清水山へも北側に登山コースがあります。
琵琶湖にぽっかり浮かぶ多景島。角度的にはその奥にパワースポットの竹生島もあるはずですが、この日は見えませんでした。
瓦屋禅寺→太郎坊山→太郎坊宮(阿賀神社)
〈8:43〉箕作山からは一旦下り。
下りきったところで、T時の分岐があります。
こちらは左(北)へ進むと清水山へコースが続いています。今回は太郎坊山へ向かうので、ここを右へ直角に曲がります。
分岐からもしばらく下りが続き、
またまた分岐。右へ進むと太郎坊山・太郎坊宮へのコースとなりますが、
今回は瓦屋禅寺へも立ち寄るので、この分岐から往復します。
分岐から瓦屋禅寺までは片道10分かからないぐらいです。
5分ほど進むと、黄金の仏像がある広場へ抜けてきました。
仏像前からの景色。東側に鈴鹿山脈の山々が眺められます。
〈8:59〉瓦屋禅寺に到着!
瓦屋禅寺は臨済宗妙心寺派の寺院。聖徳太子によって建立されたといわれています。寺名の由来は、聖徳太子が四天王寺建立の際に、ここで10万あまりの瓦を焼き、管理したという伝承によるものです。
瓦屋禅寺の茅葺き屋根の本堂。ご本尊は重要文化財の十一面観音立像。
こちらのお寺は”近江西国第十八番霊場”に数えられています。
苔の緑が美しい境内。境内に並ぶ木々は”モミジ”が多かったので、秋の紅葉時期は特に彩り美しい境内なのだと思います(*´ω`*)
境内入り口から東へ続く参道。こちらを下れば麓の建部瓦屋寺町方面へ下れます。
駐車場から南へ車道をたどれば、「八日市駅」へも下ることが出来ます。
南側から太郎坊山・箕作山へ登る場合は、帰りのコースを瓦屋禅寺からこちらに設定するプランもオススメです。
ブログ主は瓦屋禅寺から再び太郎坊山への分岐へ戻りました。
10分足らずで分岐に戻ってきました。次は道標に従って太郎坊宮方面へ進みます。
途中に休憩小屋。
その小屋の少し先に太郎坊山々頂への分岐があります。ここから山頂へ往復する。
距離は短いですが、尖った岩峰の山頂まではゴツゴツした道が続きます。
この岩の上が山頂。ピークを巻くように進んで登ると、
〈9:18〉赤神山(太郎坊山)の山頂に到着です!!
この日ラストのピーク350m!
太郎坊山からの景色!三角錐のピークからの景色はやっぱり素晴らしい♪
ここまで歩いてきた尾根。15分ほどの間隔で史跡・展望ポイントがあるので距離は短いながらも見どころの多いコースでした!
分岐へ戻り太郎坊宮へ。
分岐から10分ほどで建物が見えてきました。ちなみに左下の小屋はおトイレです。
〈9:35〉太郎坊宮の”御霊水”の脇から抜けてきました。
ハイキングコースの看板。
駐車場に戻る:太郎坊宮→十三仏口駐車場
それでは太郎坊宮(阿賀神社)にお参りしていきましょう!
まずは拝殿に参拝。
本殿へ登る。大きな岩壁と巨岩。この寄り添う2つの岩が、
夫婦岩となります。
本殿へ夫婦岩の隙間を通る。
太郎坊宮の本殿へお参り。
本殿に参拝し振り返ると、この景色!!本殿の舞台からの眺めが本当に気持ちよかったです!
画角に収まりきらない夫婦岩。
色とりどりのお守り♪
それにしてもなかなかすごい場所にあるお寺だな~。参道の階段もこの傾斜(゚∀゚)!
今回はここから下り方面ですが、登るのは結構辛そうだぞ…^^;
社務所の前にある、「かぁくろう」くんの石像。なにこれカワイイ(*´ω`*)
阿賀神社は”天狗伝承”で知られてる神社。ということはこの子のモチーフはやっぱり天狗なのかな?
阿賀神社の通称となっている”太郎坊”の名は、この山の守護神である天狗の名前なんだそうです。通り名がここまで親しまれている神社も珍しい。
境内中腹の休憩所で風鈴がたくさん飾られていました。
夏を感じるな~(*´ω`*)
風鈴のチリンチリンという心地の良い音が境内に響いていました♪
そろそろ下りましょ。たくさんの参拝者・カメラマン・ハイカーさんが登拝されていました。階段登るのかなりキツそうにされていおられました^^;
参道を下ると、麓に成願寺。
成願寺から下ると麓に到着!
太郎坊宮前駅からまっすぐ続く参道。この鳥居前から右へ進んで駐車場へ戻ります。
鳥居の前にも駐車場あり!ちょうどこれから登られるハイカーさんが準備されておられました。
〈10:15〉鳥居から太郎坊山を振り返る!今回裏側から登ってきたのであまり感じませんでしたが、こちらから見上げるとこんなにも迫力がある岩山なんですね(゚∀゚)!
これは”登ってみたい”ってなりますよね♪
曇り空だったので日差しは強くなかったけど、かなり蒸し暑い日だったので、スッキリ爽快なサイダー♪
鳥居前の駐車場に自動販売機があります。
サイダーを呑みながら、ここまで歩いた山塊の裾を歩き、駐車場を目指します。
麓から山並み。ピークを4つも踏んだけど、麓から見ても距離は長くありませんね!
住宅にそって道路を進み、ここから地道へ入ります。道標には”ふれあいの道”と書かれていました。
竹林を通り抜ける。
竹林内には”石切り場”や”修祠場”などの史跡がありました。
竹林を抜けると、みつくりが池という池がありました。
このまま車道に出ても駐車場に戻れますが、マップで見た限り池沿いを進むほうが近道っぽい。
池の反対側に周ると、畑?の脇に道がありました。ここを進むと、
岩戸山への登山道と合流できました!やっぱりこっちが近道で正解でした♪
〈10:44〉ということで十三仏口駐車場に戻ってきました!
全体的に距離はあまり長くありませんでしたが、予想以上に見どころが多く、非常に楽しい山旅となりました!
信仰の山の雰囲気に触れながら、景色を楽しみつつ歩くことが出来たので、充実感のある山歩きが楽しめました♪
まとめ
ということで箕作山・太郎坊山への登山でした!
コースは全体を通して非常に良く整備され、四方にコースがありながら道標がしっかり整備されているので特に道迷いの心配もなさそうです!
初心者から経験者まで誰でも楽しめるコースだと思います!特に歴史好き・神社仏閣好きの方にはオススメ!!
短い間隔で展望ポイント・史跡が並んでいるので、低山ながら見どころが多く、マイカー・公共交通機関でのアクセスも容易で、非常に親しみやすい山だと思います!
ただし、あくまでも”信仰の山”として参道が整備されていますので、くれぐれもゴミや火の始末をきっちり行い、植物や史跡にダメージを与えないよう十分心がけて歩くようにしましょう!