熊野古道「伊勢路」を巡る!③「バカ曲がり・猿木坂」栃原駅~三瀬谷駅

登山・トレッキング

2021年6月下旬、今回は熊野古道「伊勢路」に挑戦!

前回のパート②では、伊勢路出立の街”田丸”でお伊勢参りの他ルートと分岐し、本格的な熊野古道旅がスタート!伊勢路の最初の峠「女鬼峠」を越えて”栃原駅”まで進みました!

今回のパート③では「栃原駅~三瀬谷駅」の区間を歩きます!

この区間は、その次に控える峠越えの道「三瀬坂峠」までの繋ぎのコースとはなりますが、道中には「バカ曲がり」「猿木坂」をはじめ、随所に古道らしい地道区間があるコースです♪

伊勢路1回目「伊勢神宮・伊勢市駅~田丸駅」はこちら↓

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前回の「女鬼峠」田丸駅~栃原駅はこちら↓

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次回の「三瀬坂峠」三瀬谷駅~滝原駅アップしました↓

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今回の熊野古道「伊勢路」プラン!

3回目は「バカ曲がり・猿木坂」栃原駅~三瀬谷駅

今回は「バカ曲がり・猿木坂」栃原駅~三瀬谷駅の区間を歩きます!

前回のゴール地点”栃原駅”からスタート!江戸時代からの老舗旅館”岡島屋”で熊野古道に合流。そのまま旧道を進むと「バカ(馬鹿)曲がり」の入口があります。

「バカ曲がり」→国道に一旦合流→「猿木坂」と短い地道のコースが続いていきます。猿木坂内の沢にはレンガ造りの眼鏡橋を眺められます。

「殿様井戸」に立ち寄り古道を進む。山道を抜けると中間地点の川添駅に到着!旧道を進んで国道に合流すると”道標地蔵”があります。

ここからは国道→旧道と進んで三瀬谷駅へ!途中、八柱神社三瀬砦跡などに立ち寄り、三瀬谷駅にゴールです!

このコースの総距離は約14km!

標準コースタイムは4時間30分です

今回のプラン・山行データ

  1. 栃原駅(7:18)→バカ曲がり(7:41-8:09)→猿木坂(8:17-24)
  2. 殿様井戸(8:33)→川添駅(9:03)→地蔵道標(9:32)
  3. 坂瀬[定]峠(9:48)→三瀬砦跡(10:25)→三瀬谷駅(10:54)
山行データ
  • 天候:はれ 時々 くもり
  • 距離:14.5km
  • 活動時間:3:35

駐車場とアクセス

マイカーの場合の駐車場

マイカーでアクセスする場合は、スタート&ゴール地点のどちらにも駐車場があります

栃原駅・三瀬谷駅はどちらも同じJR紀勢本線の鉄道駅です。

どちらかに駐車して、行き帰りのどちらかで電車を利用するとスムーズに行動できます。

スタート地点の栃原駅には、駅前の公園に駐車場があります!公衆トイレあり。

またゴール地点の三瀬谷駅には、道の駅「奥伊勢おおだい」があります!駅から徒歩5分・国道42号沿い。

こちらの道の駅には、地元の”お茶”や”鮎”などが並ぶ特産品コーナーの他にも、食堂や屋台があるので、ゴール後のお立ち寄りにもおすすめです!!

道の駅「奥伊勢おおだい」

アクセス

〈マイカーでのアクセス〉

  • 栃原駅:伊勢自動車道・紀勢自動車道「勢和多気IC」から約5分
  • 三瀬谷駅・道の駅:紀勢自動車道「大宮大台IC」から約5分

〈公共交通機関でのアクセス〉

  • 松坂駅から:松坂→多気(乗換)→栃原〈420円〉
  • 紀伊長島駅から:紀伊長島→栃原〈770円〉

〈三瀬谷駅→栃原駅〉

  • JR紀勢本線:240円

熊野古道「伊勢路」③栃原駅~三瀬谷駅

「バカ曲がり・猿木坂」:栃原駅→バカ曲がり→猿木坂

〈7:18〉それでは前回のゴール地点、栃原駅からスタート!

まずは熊野古道に合流しに行きましょう!

駅前の通りを正面に進んで、

1つ目の交差点を右折!神社の社寺林が目印!

10分ほど進むとT字路に突き当たります!

ここで熊野古道に合流!道標の「馬鹿曲がり」の案内に従って右折しましょう!

前回の記事の終盤にもご紹介しましたが、踏切を渡ったところに岡島屋さんという旅館があります。

江戸時代から熊野詣・お伊勢参りの旅人をおもてなししてきた老舗旅館です。

踏切を渡って旧道を進んでいく、

集落を抜けるとJRの線路に沿って進んでいきます!

〈7:41〉少し進むと右手に細道が現れます。

ここが「バカ曲がり」の入口です!

栃原と神瀬との境界である「不動谷」は、宮川にせり出した山々によって作られた深い谷で、その谷を通る道は昔からの難所でした。

難所を回避するため大曲がりして迂回することを余儀なくされたことから「馬鹿曲がり」と呼ばれるようになりました。

ちなみに馬鹿曲がりは沢を渡渉したり、沢に沿って進む道となるので、増水時は通行困難となります。

その場合は線路沿いの道をそのまま迂回して進むことができます。

では馬鹿曲がりスタート!

ハシゴを下って、

ハシゴの裏側の低ーーーーいトンネルを潜ります。

中腰になってトンネルを潜りました。途中。2回も頭を天井にぶつけちゃいました(*_*)

トンネルを抜けると沢。道が川になってるー(゚∀゚)!

おそらく増水時はここが通れなくなるんだと思います。

岩の上を進んで川を渡り進んでいきます!

なんか面白い道ですねー(*´∀`*)♪

ここからはのんびりした沢沿いの道です。

しっかり整備されてる!馬鹿曲がりのコース内は荒れた印象もなく、歩きやすいコースでした。

途中の茶屋跡。

茶屋跡を過ぎると、国道の高架下に抜けてきます。

高架を潜らずに手前方向に折り返して下っていきます。

下ると道標。右手に沢へ降りますが、

本来は正面に進んで、”馬鹿曲がり橋”を渡るコースでした!

この馬鹿曲がり橋は、熊野詣が盛んな頃の木橋を再現し、当時の古道の風景を楽しんでもらおうとこちらに架けられていました。

しかし数年前から橋が傷んでしまったので、安全のために現在は外されています。

たしかブログ主が伊勢路に挑戦したいと、ガイドブックを読み漁り始めた数年前まではここに橋が架かっていたようです。

当時の登山レポなどを調べてみると、2年ほど前までは橋自体は残ってたっぽい。

ということで沢へ迂回して渡渉します。

ここの基礎の上に馬鹿曲がり橋が架かっていました。

橋の対岸。

国道の高架を潜ると、

馬鹿曲がりは終了!

〈8:09〉馬鹿曲がりの反対側の入口に到着です!

距離は短かったけど、変化が多くて面白い道でした(^o^)

入口から正面に林道に合流して進んでいきます。

すると国道に合流しました!合流地点の少し先が神瀬バス停。

バス停すぐの神瀬交差点から右手の旧道へ入ります。

集落を抜けて次の「猿木坂」へ!

集落の端まで抜けると、祠があります。

この祠は「神瀬の多種神祠」といい、瓦屋根の横長のお堂に石像と3つの祠が並んでいます。

右から、山の神・皇大神宮・津島天王・庚申さん。

その祠の先で、道が分岐。左側の下り道の、

〈8:17〉ガードの隙間に「猿木坂」の入口があります。

ここも舗装路をそのまま進んで迂回することができます。

ガードレールの横から進んでいきましょう!

竹やぶゾーン!!

緩やかに下っていくと、沢に出てきました。

鉄橋を渡って対岸を登っていきます!沢の苔と石垣が古道らしくていい雰囲気♪

写真ではわかりやすいかもですが、沢の奥にレンガ造りの橋が見えます!

その橋が「眼鏡橋」です!

眼鏡橋は明治40年築造のレンガ造り「イギリス積み」の橋。かつては国道として人々の往来があり、現在は町道となっています。

もともとはアーチ状の橋が2つあったので「眼鏡橋」と呼ばれていましたが、線路敷設のため1つが埋没してしまい、今は写真の1つだけが残っています。

先程の多種神祠で猿木坂入口をスルーして舗装路をそのまま進むと、あの橋を渡ることができます!

ちなみに橋の正式名称は「神瀬橋」。

沢を渡って登っていくと、

すぐに町道に突き当たりました!ここで左折すると、

〈8:24〉国道に合流です!

「馬鹿曲がり」も「猿木坂」もすごく短い区間でしたが、沢を渡ったり、トンネルを潜ったり、レンガ造りの橋があったりと、変化が多くてめちゃめちゃおもしろい区間でした!!

殿様井戸→川添駅→道標地蔵

お花で彩られている国道沿いの遊歩道♪

国道をしばらく進んで、ここで右へ曲がります!左に見えるゴルフの練習場が目印!

茶畑と山と青い空(゚∀゚)!!のどかな風景ですねー!

それにしてもいいお天気で気持ちいい♪

踏切を渡る!

渡ってすぐの左手に「殿様井戸」の入口があります。フェンスを開けて進んでいきましょう!

木立の地道♪

今回の区間の多くは舗装路ですが、適度に短い地道区間があるから楽しく歩ける♪

〈8:33〉こちらが殿様井戸です!

殿様井戸は、江戸時代に殿様が重鎮たちとお忍びで”鷹狩り”に来た際に必ず休憩していた場所。そのことから「殿様井戸」と呼ばれるようになりました。

この井戸は年中枯れることがなく、熊野詣の旅人たちも、涼しいこの井戸で休息していたそうです。

でも殿様がこの井戸の居心地の良さで長居するから、旅人たちは通ることができずに困ったという…。

旅してて、いきなり殿様見かけたらびっくりするだろうなー。

殿様井戸の先で川を渡る。正面は崩れていますが、少し右側に道があります。

道の横に熊野古道の旅人の行き倒れの墓碑。

当時は厳しい道程だったろうなー。現代に生まれてよかった。

竹やぶとスギ林が混じっている道を登っていくと、

茶畑の前で舗装路に出ました!そのまま真っすぐ進む!

おー!いい景色(゚∀゚)!!

今年は梅雨入りが早かったけど、ちょうど隙間の晴れた日に来られてよかったー♪

踏切を渡って、

〈8:50〉国道に合流しました!ここもすぐに右手の旧道へ入ります。

旧道の集落を抜けていく!

かつて近くに宮川の渡し場があったので、この川添付近の集落には多くの宿屋があったんだそう。

こちらの建物は、旧旅館「阿波屋」の跡地。この向かいにも”いろは屋””小松屋”などの旅館が軒を連ね、旅人をもてなしてきたそうです!

奥に見える寺院は「宝泉寺」。

その参道入口には、「南無阿弥陀佛」と彫られた六字名号碑と常夜灯があります。

旧道をしばらく進むと小学校のグラウンドが見えてきます!

〈9:03〉その小学校の前に川添駅があります!

ここが今回のコースの中間地点となります!分割する場合はここをポイントとすると計画しやすいと思います。

川添駅からもしばらくは旧道を進みます。特に見どころがないのでカット!

しばらく進んで「ギャラリー奥伊勢」というカフェ?の前まで来ました!

ギャラリー奥伊勢さんの前に伊勢路の道標があります!新宮まであと134km!!まだまだ先は長いぜ!!

〈9:32〉そこから少し進めば国道に合流!

国道の向かい側には道標地蔵さんが並んでいます。

お地蔵さんには「右高瀬道 左山田松坂道」と刻まれています。

坂瀬(定)峠→三瀬砦跡→三瀬谷駅

国道に出てしばらく進む!そのまま国道を進むのかなーと思ってたら、脇道がありました!

ちょっとでも地道区間があるだけで、かなり気持ちが楽になりますねー♪

再び、国道に合流したところで道脇に「弁慶岩」があります!この岩は、武蔵坊弁慶が紀州からの旅の途中に腰を掛けて休んだと伝わる岩です。

弁慶の生涯については謎に包まれていますが、熊野別当の関係者であるという説があります。

一説には、弁慶は田辺の生まれという説があり、紀伊田辺駅には弁慶像が建てられています。

田辺にある熊野三山の別宮的な位置づけの「闘鶏神社」は堪増という人物が別当となり、その子供が弁慶だと伝わっています。闘鶏神社には堪増・弁慶の親子像がある。

また伊勢路のゴール地点である熊野速玉大社にも、弁慶にまつわる伝承があり、境内に弁慶像が建てられています。

速玉大社の伝承では、弁慶は速玉大社に使えた熊野三党の1つ”鈴木一族”とされ、源平の戦いに出陣したと伝わっています。

※熊野別当=熊野三山の統括にあたった役職

弁慶岩の隣には、石組みの祠の中にお地蔵様が祀られています。

熊野巡礼の旅人が道中安全を祈ったとされるお地蔵さんです。ブログ主もこれからの旅を安全に楽しめるようにお祈りしました!

ここからはしばらく国道沿いを進んでいきます!峠までは登り坂。

国道を登っていくと石材店があります。

〈9:48〉その石材店の前あたりで右手に歩行者用の林道があります。

おそらくこのあたりが坂瀬峠(定峠)。この峠が伊勢路で2番目の峠となります。でも峠は道路整備された国道なので、熊野古道の雰囲気はなかったです。

林道を下っていきます。舗装路じゃない(*´∀`*)♪

JR線路の高架を潜る!

定峠の説明板。

しばらく下るとそのまま住宅地に下りてきました。

〈10:12〉峠を下ったところに八柱神社があります!

広くて木陰が涼しい境内♪

ベンチなどもあるので休憩ポイント!

神社からすぐに国道に突き当たります!ここは正面へ横断しますが、

たまたま補修工事があったので渡れませんでした。

少し先の交差点へ迂回。ここはもともと横断歩道がなかったので、交差点まで迂回したほうが歩きやすいかも。

迂回しましたが、そのまま通れたという体で進むと、T字路に突き当たります。

ゴールの三瀬谷駅はここを右折しますが、

ここで左へ進むと、「三瀬の渡し場」があります!

「三瀬の渡し」は宮川を渡る渡し船。本来の伊勢路は、渡し船で対岸へ渡り”多岐原神社”に参拝して『三瀬坂峠』を登ります。※「三瀬坂峠」編は次回!

この「三瀬の渡し」の渡し船は、江戸時代中期を最盛期に大正時代には徐々に利用客が減り、昭和30年代には姿を消しました。

ですが現在は、”三瀬の渡し保存会”の方々により復活!事前予約をすれば「渡し船体験」ができます♪

でもブログ主は今回は利用していません。コロナとかでいつ来れるかわからなかったから、予約できなかった…。

詳しくは「大台町観光協会」さんへお問い合わせください!!

「三瀬の渡し」詳細

『三瀬の渡し』体験

ということでブログ主は三瀬谷駅へ!この旧道を進んでいくと三瀬谷駅です!

渡し船に乗りたかったなー(´・ω・`)

旧道に入ると慶雲寺。

1605年にこの地の豪族で戦国武将”北畠具教”に仕えていた”三瀬左京祐”により、三瀬氏の菩提寺として創建されたお寺です。

で、その少し先には「三瀬砦跡」があります!

〈10:25〉三瀬砦は三瀬氏歴代の居城跡です!

戦国時代、織田信長に追われた北畠具教が三瀬館を構えた際の貴重な砦!

現在の砦跡は杉が植えられ、八幡社が祀られています。

周囲は高さ3mほどの土塁に囲まれていて、内部にある古井戸が当時の名残を感じさせます(゚∀゚)!

毎年3月の例祭には”餅まき”が行われるそうです。

キリンさんの群れ(゚∀゚)!なんだろう?マスクしてるね。

道の真ん中でカミキリムシ発見(゚∀゚)!!!

カミキリムシって擬人化したら絶対悪役キャラだよね!顔つきが厳ついもん。

仮面ライダーの敵キャラにいそう。

道にいたらね。轢かれるからね。

お!鳥居だ!「不動さん」って書いてるし、ここからでも水の流れ落ちる音が聞こえるから、コレは間違いなく滝だー!

なかなか立派な滝(゚∀゚)!!住宅地の中にある規模の滝じゃない!!かっこいい。

旧道をしばらく進んで国道の交差点。ここは正面へ!左側の横断歩道を渡るか、

右側の地下通路を通ります。

国道を渡ると左手にずーっと続く1本道があります!ここをまっすぐ進めば三瀬谷駅です。

次のパート④で越える「三瀬坂峠」方面。

三瀬坂峠は鞍部にあるから、このピークの奥にあるっぽい。

〈10:54〉ということで三瀬谷駅に到着しました!

この日はそのまま「三瀬坂峠」も歩くので、駅にタッチして先へ進みます。

その前に、道の駅「奥伊勢おおだい」で昼食休憩しよっと♪

パート④「三瀬坂峠」三瀬谷駅~滝原駅 編アップしました!

熊野古道「伊勢路」を巡る!④「三瀬坂峠」三瀬谷駅~滝原駅
2021年6月下旬、今回は熊野古道「伊勢路」に挑戦!前回のパート③では、栃原駅から「馬鹿曲がり」「猿...

まとめ

ということで今回は伊勢路③「馬鹿曲がり・猿木坂」栃原駅~三瀬谷駅でした!

この区間は次の三瀬坂峠への繋ぎのような区間でしたが、「馬鹿曲がり」「猿木坂」を始め、短いながら地道区間が適度にあり、古道の雰囲気を感じながらサクサク進むことができた区間でした!

地道の区間も、沢を渡り、トンネルを潜り、レンガ橋を眺め、茶畑へ抜けたりと変化が非常に楽しくて、見どころも多いコース!

予想以上に古道歩き成分多めの区間でした!

次回は伊勢路の峠越えコース「三瀬坂峠」を進みます!!では次回のパート④へ続きます!

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