2019年9月中旬、今回は高野参詣道「女人道」を辿り高野山をぐるっと一周してきました!
女人道は高野山へと通ずる7つの参詣道の入り口である高野七口を巡る参詣道です。女人禁制が守られてきた時代に、女性たちが高野山を参拝するために”籠り堂”として各入口に建てられた「女人堂」。それらを結ぶ巡礼路をゆったり歩いてきました!
今回の山旅は非常に見どころが多く、ひとつの記事にまとめるにはボリュームがありますので、前編「高野三山巡り」と後編「女人道巡り(高野七口巡り)」の2回に分けてご紹介しようと思います!
「高野参詣道・高野七口」についてまとめました↓
高野参詣道「女人道」・高野山三山とは?
高野参詣道「女人道」とは、高野山へ至る7つの道(高野七道)のそれぞれの入口である”高野七口”を巡る参詣道です!
高野山は明治のはじめまで、女性の入山を禁ずる”女人禁制”が守られており、女性は山内に入ることが許されていませんでした。そのため七口の各所に女性が参籠するための”女人堂”が設けられ、高野山の聖地の外から参拝する道が”女人道”です。
女人道は高野山をぐるっと一周囲むように整備され、参道内の弘法大師御廟のある”奥之院”を囲むように並ぶ3つの山が”高野三山(摩尼山・楊柳山・転軸山)です!
また、コース内の舗装されている区間や道路を除いた女人道の大部分は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部として世界遺産にも登録されています!
標高;高野三山(摩尼山1004m・楊柳山1009m・転軸山930m)、弁天岳985m
場所:和歌山県高野町
25000分の1地図:高野山
その他:世界遺産(紀伊山地の霊場と参詣道)、関西百名山(楊柳山)
高野山三山・女人道のマップ!
今回のプラン!女人道を巡って高野山をぐるっと一周!
こちらが女人道の全体マップです!
今回、女人道を歩くにあたって悩んだのがスタート地点。ぐるっと一周するのでどこからスタートしても同じ地点にゴールできるのですが、不動坂口女人堂・大門・奥の院前の3地点で悩みました!
散々悩んだのですが、今回は奥の院前「中の橋駐車場」をスタート地点にしました。大きな駐車場がありマイカーで利用しやすく、”高野三山巡り”と”高野七口巡り”を分けるのにちょうどいい中間地点だったのが理由です。女人道はロングコースなので、2回に分けて踏破する場合でもオススメです♪
バスを利用される場合は”不動坂口女人堂”がスタート地点として人気です!行きも帰りもケーブル駅からアクセスしやすいからだと思います。
女人道で高野山をぐるっと一周すると標準コースタイムは約7時間30分!
休憩時間も考えて8時間30分で計画しました!
今回のプラン!
高野三山巡り:中の橋駐車場(6:02)→摩尼山(6:44)→黒河峠(7:06)→楊柳山(7:18)→子継峠(7:54)→転軸山(8:23)→高野山森林公園駐車場(8:52)
高野七口巡り:不動坂口女人堂(9:34)→弁天岳(9:56)→大門(10:35)→ろくろ峠(11:22)→円通律寺(11:40)→中の橋駐車場(12:15)
天候:くもり→晴れ
距離:16.5km
活動時間:6時間12分
高低差:216m
参考にしたマップ
女人道を歩くにあたって、参考になったマップのご紹介!
今回は登山地図の他に、「わかやま観光情報」のサイトで配布されているマップを参考にさせていただきました!
道順や見どころはもちろん、歩行時間・距離から交通情報まで詳細にまとめられていて、非常に参考になりました!
上記リンクより、PDFが配布されていますので、是非参考にしてください!
前編は高野三山巡り!
この記事では”女人道で高野山をぐるっと一周”するプランの前半部分、高野三山巡りをご紹介します!
奥の院前「中の橋駐車場」を出発し、奥之院の参拝道を進みます。途中、道路へ抜け道脇の登山口から摩尼峠へ。摩尼峠からは尾根をたどり摩尼山→楊柳山→転軸山と高野三山を縦走。高野山森林公園へ下ります!
高野山森林公園の駐車場からは奥之院方面へ戻ることができるので、高野三山巡りが目的の方はそちらに進むと、スタート地点に帰ることができます♪
高野三山巡りのみのコースタイムは約4時間ほどです!
高野山の駐車場とアクセス!
奥の院前「中の橋駐車場」
今回は奥の院前をスタート地点としたので、奥の院の目の前にある「中の橋駐車場」を利用させていただきました!
こちらの駐車場は無料で利用することができます。道路沿いだけでなく、立体駐車場もあり高野山内で最も大きな駐車場です。
また常用駐車場ですので24時間いつでも利用できるのも、早朝からスタートしたいハイカーさんにはうれしい駐車場になります♪
住所:〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町大字高野山49-41
料金:無料
駐車台数:普通車186台
トイレ:あり(立体駐車場内、バス停横)
GoogleMapコード:34.215944, 135.604759 GoogleMapへ!
「中の橋駐車場」へのアクセス!
マイカーの場合、ナビの設定は「中の橋駐車場」でセット!
高野山へ抜けるルートは複数ありますが、個人的には京奈和自動車道から国道480号線経由のルートがオススメです!
橋本から371号線を抜けるルートもありますが、以前に運転してみたところ、道幅が非常に狭くてカーブが多く運転しづらかったです。
公共交通機関利用では、ケーブル「高野山駅」から南海りんかんバスに乗り「奥の院前」下車。
高野三山巡り!高野山ぐるっと一周 前編!
奥の院→摩尼山→楊柳山
〈6:02〉それでは奥の院前からスタート!中の橋駐車場から横断歩道を渡って、奥之院の参拝道を進みます。
灯籠が並ぶ奥之院の参拝道。奥之院の特に弘法大師御廟、燈籠堂付近は”写真撮影禁止”の看板が設置されていたので、境内の写真はこれ以降ありません。
御廟まで続く大きな杉に囲まれた参道脇には、”墓原”とも呼ばれるたくさんのお墓が並んでいます。ここに眠っておられる方の中には、教科書に載っているような歴史的偉人や名だたる名武将。
聖地と呼ばれる”高野山”の中でも、特別荘厳な雰囲気がありました。
参道を進み、御廟橋ある水向地蔵付近に高野三山入口の石標があり、案内に従って境内を抜けて道路に出ました。
奥之院を横目に道路を進みます。
道路の真ん中にカニさん(゚∀゚)!近づくと、この表情である…。めっちゃ警戒されてる。
お腹には孵化したばかりの小さな子ガニがびっしり!苦手な人にはちょっとしたスプラッターな見た目でした^^;
道の真ん中におったら轢かれるからね…。道脇に移動させました。
道路をしばらく進むと、右手に林道があります。
ここが摩尼山への登山口です!
この看板は女人道のポイントを示す看板です。1~57番まであります。
ちなみにポイントの1番が設置されているのは”不動坂口女人堂”。スタート地点の中の橋駐車場には25番の看板が設置されていました!
摩尼山へ向かって登っていきます。登山口からしばらくは林道のような道。
林道脇にはお地蔵さんがところどころにおられました。一番右の丸っこいお地蔵さんが気になる。
登山口から5分ほど林道を進み、ここから左手の脇道へ入ります。
若干荒れた沢沿いの道。しばらくは平坦ですが、次第に登り始めます。
尾根まで登りきれば、
摩尼峠に到着!
峠から摩尼山までは距離は短いですが、すこし急な登りが続きます!
これカミナリの跡かな?登ってるときに遠目でみると、髪の長い女の人が立ってるように見えて、小動物の鳴き声みたいな小さな悲鳴をあげたことは、山とブログ主だけの秘密です。
まっすぐ尾根道をぐんぐん登っていく!
この白いのキノコだよね…?バレーボールぐらいの大きさでした。
〈6:44〉そんなこんなで摩尼山(まにさん)に到着です!祠がありました。
摩尼山の山頂は木々に囲まれ展望はありませんでした。標高は1004m。楊柳山の標高が1009mなのでほとんど標高差は無いみたいですね!
摩尼山では休憩せず、楊柳山に向かいます!楊柳山までは標高差はありませんが、小さなアップダウンが続きます。
全体を通して危険箇所はありませんが、ピークを巻く山腹の道は少し細くて粘土質の道だったので、雨の後など泥濘んでいるときは滑らないように注意してください。
木の枝の隙間からこれから向かう楊柳山がひょっこり顔を出していました(*´∀`)
〈7:06〉摩尼山と楊柳山の中間地点、黒河峠を通過。
別の道があったので看板で確認してみると”三本杉”というところへ抜ける道のようでした。高野三山を巡っていると各分岐から三本杉へ抜ける道があったのですが、地図には特に記載はありませんでした。名所なのかな?
黒河峠から楊柳山へ向かいます。
楊柳山へも急な登りです!
〈7:18〉楊柳山に到着!思っていたよりあっさり。スタートから1時間ちょい。
楊柳山(ようりゅうざん)は高野山の最高峰です!山頂には摩尼山と同じく祠がありました。
三角点にターッチ!!いまブログ主は高野山で一番高い場所にいる!!
楊柳山1009m!こういう山頂にある板に山名書いたやつってなんて呼べば良いんだろう。看板?標識?
高野山の最高峰だから、山頂から高野山内を見渡せれば、さぞきれいだろな~と思っていたのですが、楊柳山の山頂は木々に囲まれ展望はありません。残念…(´・ω・`)
子継峠(粉撞峠)→転軸山→高野山森林公園
楊柳山で行動食を食べて少し休憩してから行動再開!高野三山のラスト”転軸山”へ向けて、まずは子継峠を目指します。
楊柳山を出発して、しばらく進むと道が合流しました。
この道は雪池山という山へ繋がっているようですね。地図で調べてみると子継峠で合流する高野七道の1つ”黒河道”から立ち寄れる山のようです。
黒河道はいずれ歩きたいと考えているので、雪池山もその時の楽しみの1つとして残しておくことにしました(*^^*)
急な坂を下ると、
〈7:54〉黒河道との合流点、子継峠(粉撞峠)に到着です!
黒河道は大和国(奈良県)から多くの参詣客が利用したことから”大和口”とも呼ばれました。
道が険しかったために、参詣客の多くは黒河道の西に並走する”京大坂道”を利用したそうですが、戦国武将”豊臣秀吉”が高野山に参った際は、帰路としてこの黒河道が利用されたそうです。
追記:黒河道を歩いてきましたー!
この道が黒河道。いずれ歩いてみたいなー!
橋本を起点に黒河道で高野山まで来て、宿坊で一泊してから京大坂道で帰る往復プランとかも楽しそう♪組み合わせ次第で色々楽しめそうですね。
それでは子継峠から下り、転軸山へ向かいます。下り始めは少し急ですが、
小川が見えてくると道は次第になだらかに。
道脇に咲く黄色いお花。名前はなんだろう?山歩き関連のブログをやってるんだから、そろそろ植物の名前とかも覚えていかないとな~。
沢に並走するように平坦な道をしばらく進むと、
道路に出ました。転軸山の登山口は道路を右へ進みます。ちなみに左へ進むと摩尼山登山口を経て奥之院へと道が続いています。
道路を右に出て、50mほど進むと転軸山の登山口があります。
ここから転軸山まで杉林の急登です!
登ることに熱中していて気づきませんでしたが、すぐ近くにイノシシがいましたΣ(゚Д゚)!幸い、先に気づいたイノシシの方が猛ダッシュで逃げてくれましたが、危うく鉢合わせするところでした。
女人道周辺ではイノシシの他、クマの目撃もあったそうなので注意してください!!
小~中型サイズのイノシシで、向こうが逃げてくれたからよかったけど怖かった…。
襲ってこないかビビりながら、急ぎ足で急登を駆け上がると、
〈8:23〉転軸山(てんじくさん)の山頂に到着しました!ふぅ~ここまではこないでしょ。
転軸山の山頂にも、摩尼山・楊柳山と同じく祠があり、二山と同じく展望はありませんでした。
登山マップでは転軸山から奥之院に直接抜けるルートがあるみたい。道標にも”奥の院”って追加で書かれているけど、これは通れるのか?
”✕”だったけど通れるようになったから”奥の院”って書いてあるのかな?
どちらにしても今回は女人道を辿る山旅なので、引き続き女人道の道標に従って下っていきます。
丸太のベンチ。転軸山を少し下ったあたりからは”高野山森林公園”の園内に入ったようで遊歩道のように道が整備されていました。
道の両脇にはたくさんの植物。
ドウダンツツジやシロヤシオ、シャクナゲなどの植物が植えられており、説明の看板が設置されていました。ツツジとかが多いしおそらく春はすごくきれいなんじゃないかな~。
遊歩道を散策しながら下っていくと、池の畔に抜けました。
ということでここが転軸山の登山口になります。これから向かう不動坂口女人堂へは左へと進みますが、目の前に公園があったので少し休憩することにしました。
”多目的広場”の公園。
この広場にはトイレも有り、
さらに休憩しやすい東屋と水道設備がありました♪
この東屋はバーベキューに利用できるみたい。網やトングなども用具入れに備え付けられていました。
何やら鳴き声がするので、草むらの方を見てみると、3羽のカモが草むらで密会していました。
ブログ主が近付くと草むらから飛び出し、てくてく逃げていく!三角形に隊列を組んで、シンクロするように移動する姿が可愛かったです(*´ω`*)
休憩を終えて、不動坂口女人堂へ向かいます。ここからはしばらく民家の間を抜けて舗装路を進んでいきます。
民家の軒先に咲くピンクのお花。特徴的な見た目ですね。たくさん咲いていました。
さっきの広場から少し歩くと、道路が2手に別れます。女人堂は右へと進むのですが、
〈8:52〉左手に入ると高野山森林公園の駐車場があります。前編の”高野三山巡り”はここまで!!後編に続きます!
女人道巡る場合はこちらの駐車場も利用しやすいと思います。奥に見える小屋はトイレ。
またこの駐車場の反対側からは奥之院方面へ道が続いています!高野三山巡りが目的の場合は駐車場から奥之院へ戻ると周回ルートになっていい感じですね♪
前編まとめ!後編に続く!
ということで前編「高野三山巡り」でした!
それでは高野山へ通じる7つの道の入り口を辿る後編「女人道巡り(高野七口巡り)」に続きます!
「高野参詣道・高野七口」についてまとめました↓