2023年10月下旬、今回は『呉枯ノ峰』に登ってきました!
呉枯ノ峰は滋賀県長浜市木ノ本町にある標高532mの山!琵琶湖の北端『湖北エリア』にそびえる一等三角点の山となります!
周辺に『賤ヶ岳』や『伊吹山』など人気の登山スポットが並んでいるため少しマイナーな印象ですが、山頂の北側には菅原道真公ゆかりの『菅山寺・近江天満宮』がある山として知られています!
余呉湖辺の川並村生まれの道真公が、幼少時代に菅山寺にて勉学に勤しんだとされる古刹!山門には道真公の手植えと伝わる”ケヤキ”の大木が残り、県の自然記念物に指定されています!
また麓には北国街道の宿場町『木之本宿』として賑わった美しい街並みが保存され、”木之本のお地蔵さん”でよく知られる『木之本地蔵院』があるなど、周辺の見どころも非常に多い山です!
今回はそんな呉枯ノ峰へ、木ノ本駅を起点とした周回プランで登ってきました!
呉枯ノ峰の登山コース
代表的なルート
呉枯ノ峰の代表的な登山ルートは、
- 木之本・山頂コース:木ノ本駅→P392→P482→山頂
- 田上山コース:木ノ本駅→意冨布良神社→田上山・砦跡→山頂
- 坂口・参拝道コース:坂口バス停→菅山分岐→山頂
があります!
基本的に、上記3ルートの組み合わせで山行計画を立てるのが一般的!
山頂コースは、自然林が多い気持ちの良い尾根道が魅力のコース!
田上山コースは、戦国時代の砦跡を巡るコース!かつて賤ヶ岳合戦の時には羽柴秀長が陣取った広大な砦跡を巡るコースとなります!
参拝道コースは、坂口から菅山寺・近江天満宮への参拝道を辿るコースです!
木ノ本駅を起点に、上記のルートを組み合わせるプランがオススメです!
今回のプラン
今回は山頂コース↑・参拝道↓の周回コースを計画しました!
木ノ本駅をスタート!まずは”地蔵坂”を登り『木之本地蔵院』に参拝!木之本宿の美しい街並みを散策し「意冨布良神社」にも参拝しました!
高校グランド脇の道を山手へ向かって登山口へ!登山口からの急坂を登りP392→P482へと気持ちの良い尾根道を辿り山頂に登ります!
山頂から北へ進んで菅山寺の分岐へ!道真公ゆかりのケヤキ・朱雀池・近江天満宮と菅山寺の広大な境内を散策します!
下りは参拝道を選び、阪口バス停へ!麓の北国街道をのんびり歩いて木ノ本駅に戻りました!
このプランでの総距離は約11.7km!
標準コースタイムは約5時間です!
〈今回のプラン〉
- 山頂コース↑:木ノ本駅(6:08)→登山口(6:37)→山頂(7:25)
- 菅山寺散策:(7:53-8:37)
- 参拝道↓:菅山寺分岐→阪口バス停(9:05)→木ノ本駅(9:37)
登山口の駐車場とアクセス
JR木ノ本駅前に無料パーキングあり!
マイカーの場合は『JR木ノ本駅』前に駐車場があります!
東口・西口どちらにも整備されており、どちらも”無料”で利用できます!西口の方がキャパが広いので、そちらの方がオススメ!
登山でも観光でも駅前に広いパーキングがあるのは嬉しい♪
アクセス
〈マイカーの場合〉
- 北陸自動車道『木之本IC』から約3分!
〈公共交通機関の場合〉:JR北陸本線
- 米原駅→木ノ本駅:420円
- 敦賀駅→木ノ本駅:420円
- 余呉町バス:木ノ本駅ー阪口/250円
呉枯ノ峰に登山!
山頂コース↑:木ノ本駅→登山口→山頂
〈6:08〉早朝の木ノ本駅!
湖北エリアはブログ主の自宅から遠いため、前日の夜に出発して夜中に到着!駐車場で仮眠を取りました!
駅から眺める田上山!今回、山頂コースか田上山コースでかなり悩んだんですよね!
坂口方面へ下山するプランを選択しましたが、山頂コース+田上山コースのプランがマイカーの場合は駅を起点にしやすい周回プランだと思います!
菅山寺に立ち寄らないなら、かなり計画しやすいと思う!
次回登るときは城跡・砦跡を巡る田上山コースにしよっと!
それではスタートしましょう!
まずは木ノ本駅からのメインストリートである”地蔵坂”を登っていきます!
名前の由来は、
登った先にある『木之本地蔵院』!!
正式な寺号は”浄信寺”ですが、『木之本のお地蔵さん』として有名なお寺なので、そちらの名前のほうが一般的!
ご本尊は地蔵菩薩!!ですが秘仏となり、境内には本尊の写しである高さ約6メートルの地蔵菩薩大銅像があります!
このお地蔵さんは日本三大地蔵の1つに数えられています!
特に『眼の仏様』として知られ、ご本尊の御厨子の下を巡る『御戒壇巡り』でも有名です!
地蔵菩薩大銅像のお写真の撮影したはずなんだけど、なぜかデータが無くなってた…。
たぶん、現地で整理した時に間違えて削除しちゃったっぽい…。
ちなみに堂内などの撮影は禁止ですが、境内は自由です!
地蔵菩薩大銅像の撮影データは残っていませんでしたが、駅構内で撮影した観光パネルに写真がありました!
参拝を終えて通りに戻る!
木ノ本駅周辺の町は、かつて北国街道の宿場町『木之本宿』として賑わいました!
現在も日本家屋が立ち並び、往時を想わせる美しい街並みが保存されています!
北国街道の史跡がたくさん並ぶ木之本宿!
早朝はまだ薄暗かったので帰りに撮影した街並み!
木之本宿は室町時代から昭和初期まで伝統の『牛馬市』が開かれた場所として知られています!
彦根藩の保護管理の元、この地区の20軒ほどの民家を宿として年に2回開催されました!
その中でも、織田信長の家臣である武将「山内一豊」が名馬を購入した際の、妻・千代とのエピソードが有名!
山内一豊・千代夫婦は大河ドラマ『功名が辻』にもなりましたよね~♪
それでは登山口へ向かいましょう!
この路地を抜けて、まずは意冨布良神社へ向かいます!
路地を抜けて登っていくと、
突然現れる意冨布良神社の鳥居!
境内へ入り本殿へ参拝!
意冨布良(おおふら)神社は、飛鳥時代に草創と伝わる建速須佐之男命(スサノウ)を御祭神とする神社です!
姉川合戦や賤ヶ岳合戦により文献の殆どが焼失しているため、はっきりとはわからないそうですが、往時は近江国四祓所の1社の大社であったようです!
境内の”なでうし”さん!
体の病んだ部分を撫でた跡、なでうしの同じ場所を撫でると病気が治ると言われています!
ブログ主は頭が悪いから、賢くなるように頭をナデナデしました!
合格祈願などにもご利益があるそうですよ♪
この意冨布良神社の境内に、『田上山コース』の登山口があります!
登山口はここだけではなく、
鳥居前の道路を登って、伊香高校の正門前の、
左手にある道からも登ることができます!
今回登る『山頂コース』は高校の正門前を右手に進み、グラウンド前の交差点を左へ!
そのままグラウンド脇の道を登っていくと登山口です!
〈6:37〉車道の終点!ここには貯水槽のタンクがあります!
その脇にある林道を登っていく!ここが実質の登山口です!
登山口から振り返ると、賤ヶ岳と山本山へ続く縦走路が見渡せます!
林道へ入ると、すぐ右手に呉枯ノ峰への案内板があります!
そのまま林道を進んでしまいそうになりますが、矢印のように山内へ入っていく道が登山道です!
登山口からはいきなりの急坂が始まります!
一定の傾斜で急坂が続く!
登山道はこのように窪地になっており、赤テープなどがしっかり貼られているので辿っていきましょう!
しばらく登っていくと、道脇に「水源流域地域保全事業」の木柱があります!
以降は、傾斜がゆるくなってきます♪
倒木もありましたが、道を塞いでいるようなものは無く、問題なく進んでいけました♪
〈7:01〉木柱から少し進むと、登山道の右手に三角点があります!
ここが392mのピークとなります!「千田」という名前なのかな?
まだ山頂までコースは半分も過ぎていませんが、山頂が532mなので、ここで約7割も登ってきたことになります!
ということでP392からは傾斜もますます緩やかになります♪
ピーク以降は、登っている実感がないほどの平坦基調!!
のんびり進んでいくと広場があります!
その広場の奥で道が左手に折れますが、登山道外れの正面のピークが、
〈7:11〉482mのピークとなります!
こっちは『三ツ頭』という名前なのかな?
P482から山頂までは距離はありますが、ほぼ高低差がありません!
途中、2度ほど小ピークのアップダウンがありますが、どちらも短く、
ほとんどがこのようなフラットな道♪
自然林が多く、道幅も広いから本当に気持ちよく歩けます!!
自然を満喫しながらのんびり進んでいけば、
〈7:25〉気づけば山頂に到着していました!
呉枯ノ峰532m!!
一等三角点!!
ご覧のように展望はありませんが、山頂は広場になっており休憩にピッタリ!
ブログ主もここで朝食を取りました!
菅山寺・近江天満宮を巡る!
〈7:38〉それでは行動再開!!
ここから北にある菅山寺へ向けて進んでいきます!
菅山寺の分岐までもここまでと同じように緩やかな稜線上の道が続きます♪
下り基調の平坦路!
山頂から数分下ると、左手から登山道が合流!
この道が『田上山コース』です!
田上山コースを利用する場合は、ここから山頂へ往復して菅山寺に向かうといいですね!
のんびりと原生林の中を進む!
本当に、めちゃめちゃ歩きやすいな!!
ここまでの登山道に階段もなし!P392までの登りはややキツめだったけど、以降は息が上がることもなく、スイスイ進めました♪
〈7:53〉ということで菅山寺の分岐に到着です!
分岐には菅山寺の説明とマップが設置されています!
分岐の道案内!
分岐からは琵琶湖側の展望があります!というか今回のコース上で唯一の展望ポイント!
賤ヶ岳から山本山への縦走路がばっちり一望できます!
この日は、天気は晴れマークでしたが、寒暖差が大きい日だったので、早朝は琵琶湖からガスが発生していました!
その影響でやや白く霞がかっていますが、肉眼ではしっかりと琵琶湖も眺められました♪
それでは分岐から菅山寺を散策しましょう!
しばらく下っていくと分岐があります!
この菅山寺周辺は『中部北陸自然歩道』の一部でもあり、各所にしっかりとした道標が設置されています!
菅山寺周辺の散策では、『ケヤキ・菅山寺本堂・近江天満宮・朱雀池』をそれぞれ目印に進んでいけばOKです!
ちなみに菅山寺は無住寺であり、建物は全体的に老朽化しています!
分岐にも注意書きの看板が設置されていました!
菅山寺境内の建物は老朽化が進み、倒壊の恐れがあります。
危険ですので建物には絶対に近づかないで下さい。
まずは山門のケヤキを見に行きましょう!
参道を下っていくと現れる巨大なケヤキ!
山門の正面から!!
こちらのケヤキは、菅原道真公のお手植えのケヤキと伝わるもの!滋賀県の自然記念物にも指定されています!
樹齢は1000年以上!!
実は2017年に右側の1本が倒壊してしまいました。
以前、ブログを読んでくださっている方からその情報を教えていただき、確認も兼ねて登りに来たのが今回の山行の目的だったりします!
横から眺める山門のケヤキ!
ブログ主は倒壊する前(2015年夏頃)に、菅山寺を訪れたことがあります!
その当時の2本が並ぶケヤキはこんな感じでした!!
深い山の中に佇むお寺!神秘的♪
山門から本堂へ!御本尊は不動明王!
菅山寺は、もとは龍頭山大箕寺と呼ばれ、764年に照壇上人が孝謙天皇の勅命を受けて建立されたと伝わります!
その後、道真公が889年に3院49防にもおよぶ寺院を復興し、藤原時代から鎌倉時代にかけて最も栄えたようです!
菅原道真は、麓の余呉湖にある川並村に生まれて、6歳から11歳までこちらのお寺で勉学したそう!!
ちなみに本堂を含めた現在残っている建物は江戸時代のもの!
本堂から近江天満宮に向かいましょう!
苔に覆われた石段がとっても良い雰囲気!
石段を下ると池が現れます!
この池が朱雀池!
池の畔に近江天満宮があります!
こちらも老朽化がかなり進んでいるようで、ロープなどが張られていました!
ちなみに2015年頃の姿はこんな感じでした!
参拝道コース↓:菅山寺分岐→登山口→坂口バス停→木ノ本駅
〈8:37〉ということで菅山寺から分岐へ戻ってきました!
ここから麓の坂口まで、菅山寺の『参拝道』を下っていきます!
左の道が参拝道で、右が「ウッディパル余呉(赤子山スキー場)」方面です!
ウッディパル余呉から分岐の手前までは林道が通じており、林道終点には駐車スペースがあります!ということで菅山寺は車でも登ってくることができます!
ちなみにブログ主は「ウッディパル余呉」で以前にキャンプもさせていただきました!
では「参拝道コース」を下っていきましょう!
名前の通り、麓からの参道なので、道脇にお地蔵さんや石仏が並んでいます!
九十九折にどんどん下っていく!
菅山寺を含め、参道付近にはモミジの木がたくさんありました!
少しだけど紅くなっている葉がある(゚∀゚)!!
これからの紅葉シーズンにもオススメしたいコースですね♪
湖北エリアは紅葉スポットも多いですよね!ブログ主も以前、長浜市にある「鶏足山」に立ち寄らせていだだきました!
どんどん下っていくと、コースの中間に「坂中地蔵」さんがおられます!
麓の地名が坂口!坂の真ん中に坂中地蔵!
そのままのネーミングですね!
坂中地蔵から少し下ると、「牛岩」への案内があります!
登山道から外れて30mほど進むと、谷の窪地の中に牛岩がありました!
専暁上人が亡くなった時に経典を運ぶために用いた牛が、ここで動かなくなり岩になったという言い伝えがあります!
牛岩からコースに復帰し、登山口へ下りましょう!
窪地の下り坂を黙々と下る!
麓に近づいたところで分岐!ここは左へ進むようにとしっかりと道標が設置されています!
〈8:57〉そして林道に出合いました!
振り返ってここが登山口!
登山口から林道に合流して麓に下る!
北陸自動車道の高架を潜ると、
麓の坂口の集落に入り、その先に鳥居が見えてきました!
この集落には菅山寺の里坊『弘善舘』があります!
こちらでは菅山寺の宝物が展示されています!こちらに立ち寄ってから菅山寺に向かうプランも魅力的!
入館料500円/御朱印代300円
坂口の参拝道の入口を振り返る!赤い鳥居の前に天満宮・菅山寺の石碑が並んでいます!
〈9:05〉鳥居がある旧道から国道365号に出ると坂口バス停があります!
ここから余呉町バスに乗って木ノ本駅に戻るプランもあり!だいたい1時間に1本~2本間隔で運行しています!
バス停付近から振り返る呉枯ノ峰!
ガスの影響で、上空はいい天気なんだけど、低いところが白く霞んでいる!
まぁ今回は展望ポイントが少ないコース内容だったから、十分いい天気でした♪
ブログ主はそのまま歩いて、木ノ本駅へ戻りました!
駅へ向かうルートはいくつかありますが、北陸自動車道沿いの道を選んで、そのまま北国街道を戻るのが1番わかりやすいと思います!
ということで北国街道をのんびり歩いて木之本地蔵院に戻ってきました!
あとは地蔵坂を下って、
〈9:28〉木ノ本駅にゴールです!!
まとめ
ということで今回は呉枯ノ峰への登山でした!
周辺に人気の登山スポットが多数あるため、やや”不遇な山”という印象がありますが、菅山寺や豊かな自然に恵まれていて、非常に楽しい山行でした!
麓には北国街道『木之本宿』の美しい街並みが広がり、木之本地蔵院や意冨布良神社などにも立ち寄ることができるので、とっても見どころが多く魅力的な山だと思います!
コースは全体を通して歩きやすく、道標や赤テープも豊富!稜線上は広々としていてアップダウンも少ないため、自然を満喫しながらのんびりとした山歩きが楽しめます!
今回登らなかった『田上山コース』も戦国時代の砦跡があるので、次来たときは広大な砦を巡りながら登ってみたいです♪
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