2020年1月下旬、今回登ってきたのは大和富士「額井岳」!
額井岳は奈良県の奈良市・宇陀市の境にある標高821mの山。麓から見た姿が富士山のような形をしていることから”大和富士”と呼ばれる山です!
古くから雨乞いの山としても知られ、山麓には「万葉集」に数多くの秀歌を遺した奈良時代の歌人”山部赤人(やまべのあかひと)”のものと伝わる墓標があります。
そんな歴史ロマンあふれる里山を、南麓の「十八神社」を起点に周回ルートで登ってきました!
標高:821.6m
場所:奈良県奈良市・宇陀市の境
2万5000分の一図:初瀬
その他:関西百名山
近畿地方で「〇〇富士」と呼ばれる他の山はこちら↓
額井岳の登山ルート
代表的なコース
額井岳への代表的なルートは、
- 玉立橋バス停→十八神社→額井岳
- 戒長寺→戒場山→戒場峠→額井岳
- 天満台二丁目バス停→山部赤人墓→戒場峠→額井岳
などのルートがあります!
額井岳は市境にそびえる山ですが、どちらかと言えば”宇陀市(榛原町)側”からのルートがよく利用されるようです。
また額井岳から西へ続く、香酔山・貝ヶ平山への縦走も計画できるので、組み合わせ次第ではバリエーションが増やせる山だと思います!
今回のプラン
今回は額井岳の南麓にある”十八神社(いそはじんじゃ)”を起点に時計回りに周回するルートを計画しました!
十八神社付近にある駐車スペースからスタートし、神社へ参拝。神社脇の登山口から山へ入り額井岳を目指します。
額井岳に到着すると、そこから東に稜線を進み、戒場峠を経て戒場山へ。戒長寺へ下山し、途中に万葉歌人の「山部赤人の墓」を詣りつつ山麓の道を十八神社へ戻りました!
このプランでの標準コースタイムは約3時間30分!
休憩時間を考慮して4時間30分で計画しました!
今回のプラン!
- 十八神社(7:28)→額井岳(8:09-22)
- 戒場峠(8:52)→戒場山(9:06-27)→戒長寺(9:41)
- 山部赤人墓(10:03)→十八神社(10:12)
天候:くもり(ガス)時々晴れ
距離:5.6km
活動時間:2:44
登山口へのアクセスと駐車スペース
十八神社付近に駐車スペースあり
登山口のある十八神社の入口付近に駐車スペースがあります!
こちらが駐車スペース。駐車できる台数はしっかり並べたとしても3~4台ほど。地元の方々が通られる道沿いにあるので、はみ出さないように駐車しましょう。
登山口へのアクセス
マイカーの場合
- ナビの設定は「十八神社」にセット!
- 榛原駅からR369、R165経由で約15分
- 名阪国道「針インター」からR369号線経由で20分
公共交通機関利用の場合
- 近鉄「榛原駅」からバスを利用する
- 榛原駅→「玉立橋」バス停
- 榛原駅→「天満台二丁目」バス停
バス利用の場合は榛原駅から各登山口の最寄りバス停へ。体力に余裕があれば榛原駅から徒歩で登山口へ向かうのも楽しいと思います♪(徒歩で片道約1時間)
額井岳に登山!
十八神社→額井岳
朝、十八神社手前で車を降りて額井岳方面を見上げてみるとガス…。ちょっと天気悪そう^^;
天気予報ではくもりの予報で、時たま晴れ間も出るような予報でしたが大丈夫かな?一応、雨の心配はないそうです。
山頂に登ったあたりで晴れ間が出てくれるといいなーと期待しながら登山口の十八神社に向かいました。
〈7:28〉それでは駐車スペースに車を停めて登山スタート!右側の鳥居が十八神社の境内入口。
こちらが境内。登山前にお参りしました。
十八神社の境内から南側の展望があります♪麓の街並みと小高い山。ここからは見えませんが、その小高い山の反対側の麓に”室生湖”があります。
そして遠くに見える山がおそらく三郎岳だと思います。
境内から出て額井岳を目指します。登山道は神社脇から樹林帯へ入ります。
お!イノシシの箱罠だ。やっぱりこのあたりもイノシシ多いのかな?気をつけてあるかなきゃ。
山道へ入り樹林帯を進みます。
すぐに額井岳への道案内があります。コース全体を通して道標は豊富な印象。
道案内を過ぎると階段の登りになります。前日の夜に小雨が降ったようなので、木の階段が結構滑る^^;
しばらく登ると土砂崩れ?の補修跡があり、
そこで一旦林道に合流します。登山道は左へ。
少しだけ林道歩き。
林道から木々の隙間にちょっと展望。額井岳は全体的に展望ポイントは少ない山です。
林道をちょっとだけ歩いて、最初のカーブのところで再び登山道に戻ります。
ここから額井岳へ続く稜線に向かって少し急な登りとなります。
ん~やっぱりちょっとガスってる。くもりでしかも明け方なのでこのあたりのスギ林内はちょっと暗くて不気味でした((((;゚Д゚))))前の夜に”山の怖い話”なんか読んでるから…。
杉林を登り切り稜線に合流!ここは峠になっていて、向かい側(北側)にもルートが有るようでした。たぶん、北麓の都祁吐山町に繋がるルートだと思います。
ちなみにここから西へ稜線を辿ると香酔山・貝ヶ平山へ縦走できます!
峠から額井岳の山頂までは距離は短いですが、高低差約100mのちょっとした急登。
山頂に近づくとガスゾーンに突入!これは山頂からの景色も期待できないかも…^^;
〈8:09〉ということで山頂に到着しました!
登山口の十八神社は額井岳のすぐ麓だから、あまり時間がかかりませんでしたね♪標準コースタイムでも約1時間で設定されているから比較的手軽に踏める山だと思います。
大和富士!812m!
あれ?登山地図やガイドブックだと821mになってるけど…。どっちが正しいのかな?
下山後調べてみましたが、822m(821.6m)と紹介されていたり、812.3mと紹介されていたりとはっきりしませんでした。
山頂には展望台があり晴れていれば榛原側の景色が楽しめますが、
ま~やっぱりガスだしダメだよね…(´・ω・`)
山頂には雨乞いの山ならではの”水神”の祠が祀られています。
奥に見える休憩小屋で少し休憩。天気が良くなるのはまだまだ時間がかかりそうなので、少しだけ休憩した後、すぐに行動再開しました。
戒場峠→戒場山→戒長寺
〈8:22〉額井岳から戒場山へ向かいます。ここからは稜線の一本道を東に辿ります。
山頂から一旦下り。落ち葉が多くて滑りやすい。昨夜の雨の影響で地面もズルズルでした。危険はありませんがドロドロになりたくないから慎重に下りました。
下るとなだらかになり額井岳の隣のピークに一度登り返しがあります。
そのピークから下っていくと途中に反射板があります。地図では無線の反射板と記されていました。
反射板の隙間からみえる戒場山。
稜線を辿っていくと、次第に自然林が増えてきました。額井岳以降、展望ポイントはありせんが、自然林は多く”森の中のハイキング”って感じで雰囲気がよかったです♪
遠くに少しだけ晴れ間が出てきました。このあたりまで晴れ間が出るにはまだまだかかりそう。
自然林から再び樹林帯へ入り、
そこから一気に下ります。
下りが穏やかになり再び自然林が多くなってくると、
〈8:52〉額井岳と戒場山の鞍部”戒場峠”に到着です!
戒場峠へも山部赤人の墓方面からルートがあるようです。
戒場山へ向かってこの日一番の登り!
傾斜は急でしたが、辛い区間は短くすぐに穏やかになります。
〈9:06〉すると、木々に囲まれた戒場山の山頂に到着です!
戒場山の標高は737m!額井岳より少し低いですね。
戒場山の山頂は展望はありませんでしたが、残りの予定がここから下って登山口に戻るだけなので、朝ごはんを食べて休憩することにしました。
朝ごはんを食べながらしばらく休憩していて、ふと頭上を見上げると…、あれ?青空…。
また登る時間帯間違えたかも…orz
しかも晴れ間も出てきました^^;
うれしいやか悲しいやら複雑な気分。
〈9:27〉軽く朝ごはん食べて下山開始!
しばらく樹林帯を進み途中で道が直角に曲がります。
しばらく山腹を細めの登山道で横切り進みます。
なんで下山始めると天気良くなるんだろう…。谷筋の少しゴツゴツした道を下っていくと、
戒長寺のすぐ近くに降りてきました。
谷から水を引いて井戸水にしているみたいですね。
戒長寺(戒場神社)は”ホオノキ”の巨樹が有名です。その他にもイチョウなどの紅葉の美しい木々も豊富で、山門への道にもコスモスなど季節のお花が飾られています。
下ってきた神社脇から境内へ。この祠脇の木がホウノキかな?
〈9:41〉こちらが戒長寺の本堂。
戒長寺は真言宗の寺院。創建年代など詳しい歴史は明らかになっていませんが、仏像などから平安時代後期には相当な寺観だったと想像されています。
鐘。勝手に鳴らしたら怒られるかな?鳴らしてみたい!
お寺とかの鐘って鳴らしてもいいんだっけ?
戒長寺の山門(鐘楼門)横には立派な巨樹があります。説明板を読んだ感じだとおそらくイチョウの木だと思います。
植物の進化を研究する上で、種子を葉につけるこのイチョウはとっても貴重なものなんだそう。
山麓も含めて植物が非常に豊富な山だったので、特に春や秋は彩り豊かな山歩きが楽しめると思います♪
山辺赤人の墓→十八神社
戒長寺から参道を下っていく。
お!この赤い花は椿かな?椿は種類によって咲く時期が全然違うらしい。
基本的な開花時期は冬~春頃のお花です♪
参道から麓の集落が見えてきました。
麓に下るとトイレが有りました。全体を通してトイレはここだけです。
集落まで下り、ここを右に曲がって山麓を戻ります。
山麓から額井岳方面。山頂すぐ横のピークがかぶっていますが、額井岳(奥)はたしかに富士型ですね♪きれいに全体を見渡せるのは、どちらかと言えば榛原方面かららしい。
でもまだガスが掛かってますね。時間帯間違えたかと落ち込んでいましたが、これだと時間帯を変えてもこの日はあまり違いはないっぽい。
林道をしばらく歩いていると、戒場峠へ続くルートの登山口がありました。こっちもしっかり案内板があるから登りやすいルートなのかも。
棚田。山麓ののどかな風景でした♪
〈10:03〉林道を15分ほど歩いていると、途中に小屋があります。
ここが万葉集の歌人”山部赤人”のお墓。と考えられている五輪の石塔。
山部赤人といえば、「田子の浦ゆ うち出てみれば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける」という駿河の”富士山”を詠んだ歌が有名な歌人。
大和富士と呼ばれる「額井岳」の山麓にひっそりと眠っているというのも、納得できます。
またここの地名は「山辺」という場所で、山部赤人は”山辺赤人”とされることも多かったため、この地の出身であったと考えられています。
山部赤人万葉歌碑。
こちらには「あしひきの 山谷越えて 野づかさに 今はなくらむ 鶯の声」という歌が刻まれています。
山部赤人墓から戒場山。まさに”山辺”にあるこの場所で静かに眠っています。
お墓の脇の小路を進むと「天満台二丁目」バス停へと近道になります。バス利用の方はそちらに下るルートがオススメです。
墓から十八神社へ向かって少し歩くと三叉路があります。ここは左に下っていくと「玉立橋」バス停方面です。
〈10:12〉三叉路を右に曲がればすぐに十八神社手前の駐車スペースに到着!
周回して戻ってくるのはお昼ごろになると考えていましたが、予想よりも大幅に早く戻ることができました。
帰りの道中、玉立橋バス停から額井岳。こっちからのほうがきれいな富士型に見えますね♪
まとめ
ということで今回は大和富士「額井岳」への登山でした!
額井岳は富士型の美しい山容もさることながら、雨乞いの山・万葉歌人の墓など歴史ロマンあふれる山でした。
残念ながら天候には恵まれず、山頂からの景色は楽しめませんでしたが、自然林が豊かで山麓にも季節の花・木々が豊富、また交通面でも榛原駅からアクセスしやすいという利点もあり、とっても魅力的なハイクが楽しめると思います!
コースは全体を通して危険箇所や道迷い箇所はありません!しっかり道標が設置されていて非常に安心して登山を楽しむことができました。
注意点としては、前日雨が降った影響もあり、少しぬかるんで下りでは滑りやすかった印象です。また季節によりますが落ち葉が多く足を取られやすいので注意してください。