2019年9月中旬、今回は大普賢岳に登ってきました!
大普賢岳は大峰山脈の山。紀伊山地を縦断する大峯奥駈道の稜線上にそびえる山です!
大普賢岳周辺は山岳修験の聖地とされ、険しい修験道と奥駆道の名所である「行場」などの史跡が数多く並び、古来から人々に信仰されてきた姿が色濃く残ります。
また山頂からの景色は大峰山脈でも随一といわれ、大峯奥駈道の稜線や大台ケ原、山上ヶ岳を中心とした大峰山脈北部の主要山岳が一望できるなど雄大な展望が広がります!
今回は大普賢岳登山の東側の拠点、和佐又山ヒュッテから大普賢岳を目指しました!
標高:1779.9m
山域:大峰山脈
場所:奈良県上北山村、天川村
2万5000分の1地図:弥山
その他:関西百名山
大峰山脈(北部)の日帰りオススメ登山コースまとめました!
大普賢岳の登山ルート!
大普賢岳への代表的なルート!
大普賢岳は大峯奥駈道の稜線上にある山。単体での登山では東側の麓にある「和佐又山ヒュッテ」を拠点に登るのが一般的です!
和佐又山ヒュッテからの登山ルートは、
- 和佐又山ヒュッテ→笙ノ窟→小普賢岳→大普賢岳
- 無双洞ルート:経験者向き
の2つのルートがあります。
基本的にはピストンするか、周回するかの選択になります!
無双洞ルートは和佐又山ヒュッテを起点に反時計回りに周回する場合の復路として利用されることが多いルート。大普賢岳の山頂から大峯奥駈道を七曜岳を経由して南に進み、無双洞→底無井戸と鎖場・登り返しの厳しいルートとなります。
今回は和佐又山ヒュッテからピストン!
今回は和佐又山ヒュッテから大普賢岳へピストンする計画をしました!
周回ルートも考えましたが、無双洞周辺は岩場あり、きつい登り返しありの体力・技術ともに経験者向きのルート。ブログ主の経験だと不安があるので今回は単純に往復します!
少しだけ変化が欲しかったので、下山時に余裕があれば和佐又山に寄り道しようと考えて計画しました!
標準コースタイムは登り2時間45分/降り2時間ほど!
休憩込みで6時間と予想して計画しました!
今回のプラン!
- 登り:和佐又山ヒュッテ(6:31)→和佐又山コル(6:51)→笙ノ窟(7:33)→小普賢岳(8:08)→大普賢岳(8:35)
- 大普賢岳での休憩:(8:35-10:11)
- 降り:大普賢岳→和佐又山のコル(11:28)
- 和佐又山に寄り道:和佐又山(11:44)→和佐又山ヒュッテ(12:01)
天候:ガス(小雨)→晴れ
距離:7.3km
活動時間:5時間31分
高低差:626m
和佐又山ヒュッテの駐車場とアクセス!
和佐又山ヒュッテへのアクセス!
大普賢岳への登山の起点となる”和佐又山ヒュッテ”へのアクセスは、
マイカーの場合:ナビの設定は「和佐又山ヒュッテ」もしくは「和佐又山キャンプ場」でOK!
国道169号線「新伯母峰トンネル」の南口から、カーブの多い林道を登っていくと和佐又山ヒュッテに到着です!
公共交通機関:近鉄吉野線「大和上市駅」よりバスが運行されています!
- 奈良交通バス「大台ケ原」行き→「和佐又山登山口」
※和佐又山登山口からはヒュッテまで林道を1時間以上登る必要あります!
住所:〒639-3704 奈良県吉野郡上北山村西原1055-1 GoogleMapへ!
TEL:07468-3-0027
和佐又山ヒュッテHP:https://www.wasamata.com/
こちらが国道169号線「新伯母峰トンネル」の南口。ここから林道を登っていきます!ちなみにトンネル北口には大台ドライブウェイの登り口があります。
トンネル南口より林道を入ってすぐの所には「和佐又山登山口」のバス停。
バスの便は少なく往復ともに1日2便。公共交通機関利用での大普賢岳への日帰り登山は時間的に難しいかもしれません!
特に周回ルートを計画される場合は、和佐又山ヒュッテを利用する1泊2日プランがオススメです!
和佐又山ヒュッテ前に有料駐車場あり!
和佐又山ヒュッテには有料駐車場があります!
受付はヒュッテの建物内。ブログ主が訪れた早朝には受付に人がおられなかったので、下山後に料金をお支払いしました!
料金:1000円/1日(登山利用の場合)
台数:30台ほど
トイレ:あり
大普賢岳に登山!
和佐又山ヒュッテから大普賢岳へ!
〈6:31〉それでは登山スタート!ヒュッテ前の林道を登っていきます!
林道の脇にはトイレもあります。
キャンプ場のサイトを通り過ぎ、林道の突き当りまで進むと、
石碑が並んでいます。大峰山脈は山岳修験の発祥の地。今回歩くコースも「笙ノ窟」をはじめ、「鷺ノ窟」「朝日ノ窟」「シダンノ窟」と行場が並び、修験道としての姿が色濃く残ります。
この石碑は「笙ノ窟」において修行僧がのこした和歌を記した石碑です。
石碑の前のここが登山口!ここから山道へ入ります。
登り始めはなだらかな登山道。
〈6:51〉しばらく登ると”和佐又山のコル”に到着です!
ここは和佐又山への分岐点。和佐又山には下山時に余裕があれば立ち寄ります!
大普賢岳までは2.4kmと距離は短めだけど、ハシゴや鎖場が連続する急登のルートなので時間はまだまだかかります。
道標に従って北西側に続く尾根を進みます。和佐又山のコルから尾根を歩き始めてすぐの所に”無双洞ルート”との分岐があります。
無双洞ルートは今回歩かないけど、また体力をつけて、経験を積んでから挑戦したいなー。
和佐又山のコルからは緩やかな尾根道。原生林の美しい森をのんびりお散歩気分♪
うっすらガスがかかり始めました。天気予報ではカラッとしたいいお天気になるみたいだけど、予報どおりになってくれるかな?
尾根をしばらく進み、このあたりから日本岳のピークを巻くように山腹を横切る登山道になります。
山腹の登山道はやや道幅が狭め。大普賢岳のイメージにピッタリの荒々しい岩壁(゚∀゚)!
日本岳の山腹は大峯修験の聖地とも言われている場所です。山腹を進んでいくとまず「指弾ノ窟(したんのいわや)」という行場があります。
シダンノ窟からは道も険しくなり始め、修験道らしさが感じられるようになります。ハシゴがあったり、
片側が切れ落ちた鎖場を通過する場面も。
でもそのおかげで景色がいい(*´ω`*)良いお天気になりそう♪大峯奥駈道の稜線だけガスが掛かってるけど、山頂に着く頃には晴れるんじゃないかな?
2つ目の行場「朝日ノ窟」を通過。
巨大な絶壁!!ガスも相まって修験道の険しい雰囲気が感じられました。なんか、もののけ姫にそのまま出てきてもおかしくなさそうな風景。
この岩壁の足元にあるのが、
〈7:33〉山岳修験の行場として古くから名高い「笙ノ窟(しょうのいわや)」です!
笙ノ窟は大峰七十五靡の六十二番目の行場であり「役行者」の修行した場所であると言い伝えられています。
ほんとすごい岩壁。迫力あるなー!
そして4つ目の行場「鷺ノ窟(わしのいわや)」
鷺ノ窟におられるお地蔵さん。コケが生えて岩壁と同化してる。きっと昔からここにおられて、修験者・登山者を見守っておられたのでしょうね~。
鷺ノ窟を過ぎると、道脇に無双洞ルートへ合流できる”岩本新道”との分岐があります。
このコースについては登山レポなどで探してみたけれど、あまり情報が多くなくて登山道の状態がはっきりしませんでした。
日本岳の山腹に続く行場を過ぎると、ここからは日本岳のコルに向かって谷筋の急登が始まります。鎖場が設置されている箇所も多く、浮石も多いので周りに人がいる時は特に落石などに注意して登ってください。
急な箇所にはしっかりとしたロープも張られているので、難しい登りではありませんでしたが、登っていくにつれてガスが濃くなってきました(;´Д`)
ガスが出てるのは仕方がないけど、路面が濡れていて少し滑りやすかったです。
少し濡れた路面に手こずりながら谷を登り終えると”日本岳のコル”に到着です!ここで少し休憩。結構ガスが濃いし、風もあるな~(´・ω・`)
”コル”の書き忘れ(笑)
ここからは日本岳のピークにも登れるようですが今回はスルーします。
日本岳のコル~大峯奥駈道の稜線に合流するまでは痩せた尾根を登ります。この尾根は傾斜も厳しく、このような鉄ハシゴが連続します。
ハシゴが湿っていてグローブがすぐにびちょびちょになっちゃった(;´Д`)
切れ落ちた箇所にはこのような鉄橋も。滑らないように慎重に通過。
2連ハシゴ。今回は帰りも同じルートだから、下山時に注意する箇所や足運び・体の向きも考えながら登りました。
これってもしかしてカエンダケ!?グローブしてるけど、危うく触っちゃうところだった!!でも大普賢岳周辺でカエンダケの話聞いたこと無いな~と、疑問に思って自宅に帰ってから少し調べてみました。
その結果、確信はありませんが、このキノコはカエンダケじゃなくて、おそらくベニナギナタタケというキノコだと思います。
ベニナギナタタケは毒キノコじゃないみたい。しかも食用のキノコでもあるのだとか。カエンダケと見た目がそっくりなので誤食事故も報告されています。
きちんと判別できる人以外は採取しないほうが懸命だと思う…。
ハシゴを何度か登っていくと、”石ノ鼻”という展望ポイントに到着しました!しかしこの天気では何も見えないし、帰りに期待して素通りしました。
帰りは晴れてくれるかな?
垂直に近いハシゴもありました。ところどころハシゴの板が水平から歪んでるところもあるので確認しながら登っていきます。
〈8:08〉ハシゴを何度も登り、小普賢岳に到着!一応、ここに小普賢岳のポイントが打たれていますが、小普賢岳のピークはここより少し南に登った所にあります。
小普賢岳からは一旦下りです。なかなか急な下りでした。
小普賢岳からの下りも最後は急なハシゴでした。
下りきったところからの登り返し。足元がスースーする空中回廊。高所恐怖症のブログ主にとってはガスが出ててむしろ良かったかもしれない^^;
小普賢岳からの急な登り返しが落ち着いてくると、大峯奥駈道はもうすぐ!
尾根が広くなってくると、大峯奥駈道に合流です!
大峯奥駈道に合流すると、大普賢岳の山頂はすぐ♪
〈8:35〉合流地点から100mほど南に進めば、大普賢岳に到着です!!あ~やっぱりガスだよね。
大普賢岳の山頂はそれほど広くはありませんが、晴れていれば大峰山脈の山の中でも抜群に展望のいい山です!
この日は下山後、和佐又山ヒュッテでキャンプする予定で、かなり時間的に余裕あるので、天気予報を信じて晴れるまで待つことにしました!
山頂の上空はガスがすごい勢いで流れ、たまにうっすら青空が見えました。この感じだと晴れるまでそれほど時間はかからないんじゃないかな?
晴れるのを待つ間にごはん!今回はおにぎりを握ってきました!ノリ忘れたけど…。
具は自家製の激辛高菜と明太子のおにぎり♪
食後はおやつを食べながらのんびり天気が良くなるのを待ちました♪
大普賢岳山頂からの景色♪
山頂で待ち始めて40分ぐらいたった頃に、突然ガスが無くなりパッと青空が広がりました!!
お~(゚∀゚)!!
南側に続く大峯奥駈道は雲海になっていましたヽ(^o^)丿
時間が過ぎるにつれて、徐々に雲もなくなってきました♪
では大普賢岳からの景色を見ていきましょう♪まずは稲村ヶ岳と大日山。大日山のトンガリ頭が特徴的で大普賢岳からまず最初に目を引く山です!
稲村ヶ岳から南に続くのはバリゴヤノ頭と呼ばれる山。稲村ヶ岳からルートがあるみたいなんですが、危険箇所もあるバリエーションルートらしく、一般にはやや不向きなルート。
稲村ヶ岳から東側には山上ヶ岳。大峯山寺の屋根も見えました!山頂から左に見える出っ張ったところはおそらく日本岩だと思います。
天気が良ければ、山上ヶ岳と稲村ヶ岳の間から遠ーくに金剛山も見えるみたいですが、この日の奈良盆地には雲がかかっていて見えませんでした。
雲からひょっこり顔を出している近畿の最高峰”八経ヶ岳”ピラミット型のピークがよく見える♪
しばらく時間が経ってからの八経ヶ岳方面。八経ヶ岳へと続く大峯奥駈道の稜線がきれいに見渡せました(*´∀`)
山頂から東には大台ケ原。名前の通りの台形でわかりやすい♪
山頂に到着した時間帯はガスでしたが、休憩している間にすっかりいいお天気になりました!天気予報を信じて待って正解でしたねヽ(^o^)丿
この日の大普賢岳は、晴れてからは湿気を感じないカラッとしたお天気。風が気持ちよくて過ごしやすい気候でした。少し秋の訪れを感じる(゚∀゚)!
天気が良くなってからも30分以上展望を楽しみました。休憩している間も他に登ってこられる方はおらず、結局、1時間半ほど山頂を独り占めして贅沢な気分に浸れました♪
同じルートで下山!
〈10:11〉景色も十分に堪能できたし、そろそろ下山しましょ♪
大峯奥駈道から同じルートを下山します。手前に見えるピークは小普賢岳。その向こうには大台ケ原。登っている時はガスだったけど、晴れていればこんなに景色の良いルートなんですね♪
ハシゴも休憩している間に乾いてました♪下るときに滑らないか心配でしたが、乾いていると安心感がぜんぜん違う!
しかしこのような崖になっている箇所では、逆に高度感があって少し怖い(;´Д`)
下の透けた空中回廊。下は見ないように!!恐怖感を緩和するために遠くを見てみると、
こんな景色が広がっていました(゚∀゚)!さすが大峰山脈!山しか見えない!紀伊山地の山深さを感じる景色でした♪
修験道らしい絶壁も随所に見られます。朝方のガスも雰囲気があっていいけれど、やっぱり晴れてると気持ちよく歩けますね♪
小普賢岳への登り返しは少しきつい登りでしたが、日差しが木々の隙間から溢れる情景が美しい。
小普賢岳に到着!ピークには結局立ち寄りませんでしたが、時間に余裕があったので登ればよかったかも。
登りではガスで立ち寄らなかった展望ポイント”石ノ鼻”に戻ってきました!
石ノ鼻の岩場からの景色。
小普賢岳と大普賢岳。
日本岳と和佐又山。向かい側に大台ケ原と台高山脈。
ハシゴを何度も下って日本岳のコルに戻ってきました!
登りでは緊張感のあるルートに感じたけど、天気が少し良くなり路面が乾いているだけで印象が違いました。
もちろん、一度歩いているのだから、注意するポイントを把握できてる点が大きいですが、下山時は景色を楽しむ余裕もあり、むしろ歩きやすく感じるほどでした。
行場が並ぶ、日本岳の山腹を帰っていきます。
岩壁も日に照らされてきれいだ(*´ω`*)
笙ノ窟にある”岩清水”という水場。岩壁を滴る湧き水です。柄杓が用意されていたので一口いただきました♪
日本岳の山腹に続く登山道も、路面がすっかり乾いていました。
登山道に咲く紫色のお花。たぶんトリカブトだと思います。名探偵のコ○ン君や金○一君が好きなやつです。
トリカブトが群生する美しい原生林。大峰山脈はこの時期もきれいだけど、新緑に紅葉に樹氷にと1年を通して変化する豊かな原生林が魅力的な山域ですよね。
〈11:28〉ということで和佐又山のコルに戻ってきました!
天気がガスから晴れへと変わったおかげで、往復してきただけなのに、登りと下りで印象の違う山歩きが楽しめました!ちょっと得した気分♪一度で二度おいしい山歩き!
ちょっと寄り道♪和佐又山へ!
まだお昼前なのでそのまま下山するのはもったいない!和佐又山へも寄り道することにしました!
和佐又山のコルからは15分ほどの緩やかな登りです!
〈11:44〉和佐又山の山頂に到着!
和佐又山からは先程までいた大普賢岳が真正面に見えます!大普賢岳、いい山だったなー。
あとは和佐又山ヒュッテへ向けて下るだけ。
山頂からつづら折りに15分ほど下って、この害獣よけのフェンスを抜けると、
〈12:01〉和佐又山ヒュッテに無事下山!
ブログ主は和佐又山ヒュッテのキャンプ場でこの後キャンプするので、ヒュッテの受付へ行き、下山の報告とキャンプの申し込みをしました!
キャンプ場のレポはまたアップしますので良ければ目を通してくださいね♪
まとめ
ということで今回は大普賢岳への登山でした!
大普賢岳への登山道は山岳修験の聖地である行場が数多く並び、ハシゴや鎖場を何度も越えて進む険しいルートでしたが、大峰山脈の特徴でもある豊かな自然と、山深さを感じる雄大な景色に恵まれた素晴らしい山でした!
朝方はガスに覆われて少し心配でしたが、天気予報を信じて山頂で長く待ったおかげで、次第に天気も良くなり、大峯奥駈道の稜線や大台ケ原、天川村周辺の山々など紀伊山地の主要山岳を一望できました!
今回の山旅の他にも、無双洞を経由する周回ルートや大峯奥駈道の縦走などの魅力的なプランがまだまだあるので、また経験を積んでから挑戦したいと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!ではまた~(^_^)/~