熊野古道「中辺路」口熊野を巡る①|紀伊田辺駅~稲葉根王子 

登山・トレッキング

2020年11月下旬、今回は熊野古道「中辺路」を歩いてきました!

「蟻の熊野詣」とまで言われるほど、上皇・貴族から庶民に至るまで参詣者の大群で賑わった熊野古道。

その熊野三山を繋ぐ紀伊路や中辺路は「御幸道」と呼ばれる公式の参詣道です!

今まで、中辺路の主要コースや紀伊路を歩いていましたが、熊野の入り口”口熊野”と呼ばれる田辺市周辺のコースはまだ歩いていませんでした。

ということで今回は「御幸道」を補完する為、紀伊路と中辺路「滝尻王子」を繋ぐ”口熊野エリア”を1泊2日の車中泊でじっくり散策してきました!!

追記:口熊野巡りパート②「稲葉根王子~滝尻王子」アップしました↓

熊野古道「中辺路」のオススメコースはこちら↓

「紀伊路」旅はこちらから↓

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熊野古道「中辺路」プラン!今回は口熊野を巡る!

熊野の入り口”口熊野”と呼ばれる田辺エリア

熊野古道の要衝として古くから栄えてきた田辺は、京都・大阪から皇族を含め多くの参詣者が「蟻のごとく」行列を作り歩いた”御幸道(紀伊路・中辺路)”と海岸沿いをゆったり進む”大辺路”との分岐点となります!!

現代の熊野古道トレッキングとしての”中辺路”は熊野三山の玄関口「滝尻王子」からスタートするのが一般的になっており、ブログ主も以前(2019年)に本宮大社まで歩きました!

そして今年(2020年)の夏~秋にかけて、大阪の境”山中渓”から和歌山へ入り、海岸沿いを進んで「紀伊路」を田辺まで辿ってきました!

今回は、田辺~滝尻王子までの「口熊野エリア」を巡って、滝尻王子までの空白区間をつなげる旅!!

口熊野エリアは時代とともに発展し、現代では大部分が舗装路となりましたが、五体王子「稲葉根王子」や山越えの「北郡越」など熊野古道の歴史を体感できる非常に魅力的な区間となります!

今回の口熊野を巡る熊野古道旅を前半・後半の2パートに分けてご紹介します↓

〈今回の計画〉:「口熊野巡り」車中泊1泊2日

  • 1日目(パート①):「紀伊田辺駅~稲葉根王子」→車中泊
  • 2日目(パート②):「稲葉根王子~滝尻王子」

パート①は「紀伊田辺駅~稲葉根王子」

パート①は「紀伊田辺駅~稲葉根王子」の区間を歩きます!

出発前に弁慶親子ゆかりの「鬪雞神社」にお参り。紀伊田辺駅をスタートしてまずは紀伊路と中辺路の合流点へ!

合流点は弘法大師空海が開創したとされる「高山寺」。こちらのお寺には博物学者”南方熊楠”氏や合気道の開祖”植芝盛平”翁など名だたる人物が眠っておられます。

中辺路に合流して会津川沿いを進み秋津王子・万呂王子と”九十九王子”の跡地を巡ります。

”三栖”に入ると派生ルートである「潮見峠越」と分岐。今回はそのまま稲葉根王子経由するメインコースを進みます。

三栖王子を巡るとそこからしばらく県道を進み峠を越えます。峠から下ると八上王子

富田川に出合うと九十九王子の中でも格式高い五体王子の一社「稲葉根王子」に到着です!!

このコースの総距離は約12.3km

標準コースタイムは約5時間30分!

今回のプラン・山行データ!

起点:鬪雞神社・紀伊田辺駅 終点:稲葉根王子

  1. 鬪雞神社・紀伊田辺駅(6:21)→高山寺(6:41)→秋津王子(7:01)→須佐神社(7:20-34)
  2. 万呂王子(7:54)→三栖王子(8:35)→八上王子(9:07)
  3. 田中神社(9:24)→稲葉根王子(9:58)
  4. バス移動:稲葉根王子(11:23)→紀伊田辺駅(11:55)・街ブラ
山行データ

 

天候:快晴!

距離:14.1km

活動時間:3:38

アクセス・駐車場

紀伊田辺駅へのアクセス

〈マイカーの場合〉

  • 阪和自動車道「南紀田辺IC」から約8分

〈公共交通機関の場合〉

  • JR紀勢本線「紀伊田辺駅行」

〈稲葉根王子からの帰り〉

  • 龍神バス「紀伊田辺駅・紀南病院」行
  • 運賃:560円

紀伊田辺駅周辺にコインパーキングあり

マイカーの場合は紀伊田辺駅周辺にコインパーキングが多数あります!稲葉根王子からバスで戻るプランがオススメ!

”田辺”は古くから水陸交通の要衝として発展した町。現在の紀伊田辺駅周辺も、「味光路」と呼ばれる紀南最大の飲食店街があったり、海水浴場があったりと非常に賑わいがあります。

バスで戻った後は、観光や食事を楽しみましょう♪

ブログ主は駅から徒歩5分ほどの「紀伊田辺駐車場」を利用しました!鬪雞神社と駅の中間あたりにある駐車場で利用しやすかったです!

紀伊田辺駐車場

 

場所:和歌山軒田辺市湊47-47

Google Mapへ!

料金:700円/24時間最大

龍神バス「稲葉根王子バス停」の時刻表

このバスは本宮大社~紀伊田辺駅を繋ぐ路線となります。パート②で目指す「滝尻」も同じ路線内にバス停があるので、翌日も同じバスに乗りました!

1~2時間ぐらいの間隔で運行しています!

熊野古道「中辺路」|紀伊田辺駅(鬪雞神社)~稲葉根王子

鬪雞神社・紀伊田辺駅→高山寺→秋津王子→須佐神社

今回は前日夜に自宅を出発!深夜に紀伊田辺駅に到着しました!

コインパーキングで仮眠をとり8時頃からスタートする予定でしたが、ワクワクして眠れなかったので、ほんのり明るくなり始めた6時頃から行動開始です!

熊野古道をスタートする前に、まずは「鬪雞(とうけい)神社」に立ち寄りました!

鬪雞神社はかつて”新熊野権現”とも呼ばれた熊野三山の別宮。社殿は明治時代に大洪水で流出する前の熊野本宮大社と配置が似ているんだそうですよ。

鬪雞神社は湛増・弁慶親子ゆかりの神社としても知られています!

紀伊田辺駅の出口にも大きな弁慶の銅像が立っていますよ!

〈6:21〉それでは鬪雞神社から熊野古道スタート!

鬪雞神社から一旦、紀伊田辺駅へ。駅前の交差点を左へ進みます。

明け方の駅前通り。紀伊田辺駅前は紀南最大の飲食店街。夜ににぎわう飲み屋さんが多い通りも、明け方は静けさが漂っていました。

しばらく真っ直ぐ進んでこちらの交差点を右折。交差点の角に道標が立っています。ちなみにこの交差点を左へ進むと大辺路・中辺路の分岐”道分け石”が商店街に立っています。

JRの踏切を渡り、

ゲートボール場?グラウンド?を目印にT時路を左へ。

突き当りまで進んで階段を登り、

大師橋で会津川を渡ります。今回のコースの前半はこの会津川に沿って進むコースとなります。

大師橋から会津川の上流側。朝焼けの田辺!いいお天気になりそうですね♪

〈6:41〉大師橋を渡ると真正面に大きな山門が見えてきます!こちらのお寺が”高山寺”。

高山寺は弘法大師空海が開創したとされるお寺。地元の方々から「弘法さん」の名で親しまれています。大師橋の名前も弘法大師から名付けられたのだと思います。

こちらのお寺内の霊園には博物学者”南方熊楠”氏や合気道の開祖”植芝盛平”翁など田辺市を代表する名だたる著名人が眠っておられます。

今回は参拝しませんでしたが、紀伊路の最終回でしっかり参拝とお墓参りさせていただきましたので、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓

この高山寺で紀伊路と中辺路が合流。ここまでは紀伊路の道標でしたが、高山寺からは中辺路の道標に変わりました♪

では高山寺から進んでいきましょう!会津川沿いを上流へ向かって進みます。

ゆったり流れる会津川。川沿いはススキがきれいでした♪

川沿いをしばらく進み、国道42号線の高架を潜ると、2つの橋が並んでいます。ここはどちらでもOKですが、奥の赤い会津橋を渡ります。

紀伊路は海岸沿いを進むコースでしたが、中辺路は田辺から東の山中を進むコースとなります。

ちなみに”中辺路”という名称は近代からの呼び名で、古くは熊野三山へ繋がる御幸道全体を”紀伊路”と呼んでいたようです。

橋を渡ってすぐに右へ。ここからは住宅街をしばらく進むので少し道順が複雑ですが、道標が多く設置されているので辿っていきましょう!

住宅街を進んでいるとハイツの目の前に秋津王子の看板。

〈7:01〉どこか小道を抜けるのかな~と覗いてみると、駐車場の脇に”秋津王子”の石碑がありました(゚∀゚)!

秋津王子が創祀時期は不明とされていますが、藤原定家の『熊野御幸記』(1201年)にはその名前が見られます。しかしそれ以前、藤原宗忠の『中右記』(1109年)には見えないことから、この間に祀られたものと考えられています。

秋津王子からもしばらくは住宅街。道標に従い、この交差点を右折して、

小学校がある通りを抜けます。

小学校のすぐ先で右へ曲がり、交差点を渡って、

再び会津川へ。

すぐにまた脇道へ逸れると、

木々が生い茂る神社が見えてきました!

〈7:20〉この神社が須佐神社です!須佐神社の鳥居前の通りは、抜け道になっているのか車通りが多い…。少し注意!

石階段を登ってお詣りました!

須佐神社はその名前の通り”須佐之男命(すさのおのみこと)”を祀る神社です。

境内にはベンチやトイレがあるので休憩スポットとしてオススメ!

万呂王子→三栖王子→八上王子

〈7:34〉須佐神社で15分ほど休憩して行動再開!神社の少し先にあるガソリンスタンドを目印に左折。

するとまたまた会津川に出合いました。ここは橋を渡ってから右へ曲がってもOKですが、「街道マップ」には橋の手前で右折したほうが交通量が少ないらしい。

川沿いをのんびり進んでいきます。すっかり日も昇ってきましたね!でも東へ進むコースだから太陽がとにかく眩しい(*_*)

すっきりした秋晴れ!

もうそろそろ12月になりますが、気温がすごく高く汗ばんできました。今年の近畿の冬はどうかな~?ここ数年、樹氷の有名な山も本当に雪が少なくてなかなか雪山らしいトレッキングができないシーズンが続いてますね(´・ω・`)

こんだけ暑かったら今年の冬も心配だな~。

会津川沿いをのんびり進んで県道207号線と合流する熊野橋を渡ります。

熊野橋を渡ると梅林が広がっていてました!いよいよ梅にも萌キャラが(゚∀゚)!

紀伊路を歩いていた間も、みなべ町の”南高梅”をはじめに梅林が広がるコースがたくさんありました♪看板を見るに、みなべ・田辺の梅は「世界農業遺産」に選ばれているみたい!!

実は、熊野橋を渡ってすぐのこの看板付近に”万呂王子があったっぽい。見逃したorz

自宅に帰ってからGoogle Mapで辿ってみましたが発見できず…。さらに調べてみると梅林内にある小道に小さな標識があったみたいです。やらかしたー!

追記:潮見峠に挑戦した際に、万呂王子を探してきました!

万呂王子は、まさかの梅林のど真ん中にありました!!矢印のあたり!

梅林の畑のど真ん中に史跡の柱がポツンとありました!

道路側じゃなく、反対側の小道から鉄板を渡って、畑に入るとあります!

県道207号に合流してすぐにここを左へ下っていきます。

下ってこのまま真っ直ぐ進むのが中辺路のコースですが、”三栖廃寺塔跡”の看板があるので少し寄り道♪

民家の間を登っていく!

〈8:05〉すると三栖廃寺塔跡の広場・お堂がありました!

三栖廃寺は奈良時代前期に創建されたとされるお寺。その時代の寺院跡としては近畿地方でもっとも南にあったとされています。

塔基壇上には自然石を利用した心礎が残っています。

朝の時間帯で少し県道沿いも交通量が多かったので、少しここで休憩してラッシュアワーが過ぎるのを待つことにしました。

〈8:19〉15分ほどしてリスタート!一旦、三栖廃寺塔跡の分岐へ戻り、県道に合流。

この交差点には”下三栖バス停”があります。このバス停から会津川沿いを進み山を越えて滝尻王子方面を目指すコースが「潮見峠越」となります。

潮見峠越は御幸道と分岐する派生ルート!稲葉根王子を経由するコースより近道であったため、近世に利用する参詣者が多かったコースです。

こちらのコースも時期をみて歩く予定をしていますが、今回は御幸道のコースで滝尻王子へ向かうので、

交差点を正面へ進みます!この三栖の交差点で会津川ともお別れ。

交差点すぐのスーパーを目印に、

横断歩道を渡り、小道へ入ります。

小さな橋を渡る。正面の小山の裾に次の三栖王子があります。

お地蔵さんの脇から入る。

少しの間、畑の間を進む地道区間♪

おそらくあの正面にある山が「潮見峠越」のコースだと思う。けっこうアップダウンが厳しいっぽいけど、展望ポイントもある面白そうなコースですね~。

〈8:35〉畑の間に三栖王子がありました!

この王子社の初見は藤原定家の日記「熊野道之間愚記」。1210年の熊野御幸記にも三栖王子に参拝したことが記されています。

三栖王子の少し先で地道区間が終了!

道路に突き当たり、渡って正面へ!

ここで右側に自然道があります。

ですが、街道マップには”草が繁茂しており新岡坂トンネルを抜ける迂回路を利用したほうがよい”と書かれていたので、今回は迂回路を進むことにしました。

ということで一旦下って、

県道207号線に再び合流!

この交差点にも三栖王子跡の石碑がありました。

迂回路の新岡坂トンネルへはゆるやかな登り!

新岡坂トンネルを潜ります。

トンネルを抜けると分岐した自然道が右側から合流します。

この自然道の途中には南方熊楠が”山中裸像撮影”した場所があったらしい。ん~歩いてみたかった。400mだけだし向かってみればよかったかも。

トンネル出口から左側の脇道へ。すぐにまた合流するので真っ直ぐでもOK!

合流してしばらく下っていくと”八上王子跡”の道案内があります!

この右端に見切れている建物は公衆トイレです。公衆トイレを目印に右の小道へ入ると、

〈9:07〉八上王子がある八上神社に到着です!

鳥居の横にある八上王子の石碑!

熊野参詣をした藤原宗忠は「田之部」王子(田辺市)に奉幣後、萩生山口で昼食をとり、山を越えて新王子社に参拝しています。この”新王子社”が地理的に見て”八上王子社”だと推定されています。

八上王子には歌人「西行」が熊野参詣の途中に立ち寄り、

「待ちきつる八上の桜さきにけり、荒くおろすな三栖の山嵐」

という歌を詠み、社殿に書きつけたことでも知られている王子社です!

明治時代には八上神社となり、現在に至っています。11月23日の例祭で奉納される獅子舞は、和歌山県の無形民俗文化財に指定されています。

八上神社の境内にお参り!

西行の歌碑が境内に建てられていました!

西行といえば大峰の吉野山の奥千本よりさらに奥に西行が武士を捨て法師となり3年間侘住まいをしたと伝わる”西行庵”があります。この西行庵は紅葉スポットとしても大人気!

また西行終焉の地として知られる「弘川寺」は大和葛城山の麓にあります。

西行庵まで歩いた「大峯奥駈道」の記事↓

西行終焉の地「弘川寺」から大和葛城山に登った記事↓

八上神社の絵馬はひょうたん絵馬でした(゚∀゚)!珍しい!

境内付近はまだ紅葉が残っていました!

今年は秋の気候も安定していたので、紅葉の当たり年でしたね♪各地で素晴らしい紅葉が眺められて本当に彩り豊かな秋でした(*´ω`*)

田中神社→稲葉根王子

八上王子を過ぎるとそろそろコースも終盤に差し掛かります。

八上王子からしばらく進むと川に突き当たります。橋の手前で川沿いへ右折。

このあたりは熊野古道だけじゃなく、様々なハイキング・ウォーキングコースがあるようですね(゚∀゚)!

ススキがきれいだ!正面の橋を渡ります。

橋を渡り進んでいくと、田んぼの中に森のように木々が立っていました。

〈9:24〉この森が田中神社。

田中神社の境内。

田中神社を取り囲む”岡藤”は、南方熊楠氏によって初めて変種として認められ、「オカフジ」と命名されました!

この岡藤・田中神社の森は和歌山県の天然記念物に指定されています。

また田中神社の周りには「大賀ハス」の群生地があります。

自然豊かな神社ですね!!

7月~8月頃の夏時期にはきれいなお花を咲かせるようですよ~!

田中神社を過ぎるとあとは稲葉根王子へのラストスパート!

県道沿いを進み、富田川へ向かいます。

途中、下岡のバス停があり、

このバス停付近から集落内へ入って山を越え稲葉根王子に至る「王子谷越え」コースが分岐します。

でもこのコースも荒れていると街道マップに書かれているのでスルー。

その先で、国道311号線の高架を潜ります。

ちなみに311号線に出て左へ進み、稲葉根トンネルを抜けても稲葉根王子に向かえます。

国道311号線の高架を潜るコース「旧国道311号線ルート」、311号線を進む「稲葉根トンネルルート」、山越えの「王子谷越えルート」と3つに分岐します。

どのルートを選んでもOK!距離も時間もそれほど違いはありません。

ブログ主は街道マップでメインルートとしてご紹介されている「旧国道311号線ルート」を選びました!

国道311号線の高架を潜り、

小さな峠を越えます。

峠のお地蔵さん。

峠から下ってくると集落が見えてきます。

民家の軒先にきれいなピンク色のお花♪

集落を抜けると富田川に突き当たりました!!

富田川に抜けると、”水垢離場”の石碑!

この岩田川(富田川)は中世には熊野詣の水垢離場(みずごりば)として重要な地でした。

この川で禊をすると今までの罪が流されると信じられ、上皇や女院達も徒歩で川を渡ったと伝わっています。

「平家物語」や「源平盛衰記」などにも登場し、多くの”歌”にもその名が残されています。

ここにも西行の歌碑!!

〈9:58〉水垢離場の向かい側がゴールの「稲葉根王子」です!!

稲葉根王子は九十九王子の中でも格式高い「五体王子」の1社。

初見は藤原忠宗の『中右記』(1109年)に「伊那波袮王子」という名前が見えます。

1201年に後鳥羽上皇に随行した藤原定家は「五体王子に準じて、儀式が諸事華やかであった」と日記に書いています。

この五体王子に”準じて”の部分ですが、実は五体王子にどの王子社を数えるかは解釈に相違があり、他の王子社が挙げられるなど一貫していないそうです。

現代では、藤代王子・切目王子・稲葉根王子・滝尻王子・発心門王子の5社を”五体王子”とするのが一般的となっています!

室町時代にも王子社として存続し、足利義満の側室「北野殿」が参拝した際には、神楽が奉納されています。

また近世には別名「岩田王子」とも呼ばれ、村の産土神として祀られていました。大正時代には岩田神社に合祀され、現在の社は昭和に複社されたものとなります。

稲葉根王子・岩田神社の境内。緑と社殿の朱が美しい(*´ω`*)♪

稲葉根王子の石碑。

バス移動→田辺周辺をブラブラ♪

時間帯的にも体力的にも、そのまま滝尻王子まで歩いても明るい内に十分たどり着けるほど余裕があります!

ですが、それをしちゃうとせっかく1泊2日で組んだ予定なのに、2日目の予定がなくなっちゃう…^^;

ということでこの日はここでゴールとします。バスの時間だけ確認して、稲葉根王子でゆっくりランチタイム!!

境内でのんびり過ごしていると、熊野古道のスポット巡りをされている方が何人も稲葉根王子に参拝に来られていました。

次のバスまで1時間ほど空きがあったので富田川を眺めながらまったり。

翌日に歩いた「稲葉根王子~滝尻王子」の区間はこの富田川沿いをずっと進んでいきます。

〈11:23〉紀伊田辺駅行きのバスが到着!バス停は稲葉根王子の隣にあるスーパーの前にあります。

〈11:55〉ということで紀伊田辺駅に戻ってきました!

時間に余裕があるので、田辺駅周辺を散策♪

海水浴場がある扇ヶ浜にやってきました!

この扇ヶ浜も熊野古道の”潮垢離場”として重要な地とされてきました!

抜けるような青空!!向こう側に見える半島は紀伊路旅の最終回で寄り道した”天神崎”です!

南側。あっちは白浜ですね!関西の夏って言えば白浜!!関西を代表するリゾート地ですよね~。

あまりにも気温が高いから靴を脱いで砂浜で遊ぶ♪

もう12月なのに水温高すぎ!!これだけ気温が高かったら泳げるんじゃなか?

ちょっと心配になるぐらい暖かいで日でした。ちなみに翌日は曇りだったのでしっかり冷え込みまいした。

砂浜!!海も透明度が高くて本当に美しい!

浜辺近くの武道館の前には植芝盛平翁の銅像が立っていました!

浜辺から周辺を散策して、駅前の”味小路”へ!昼間だからお店は営業していないけど、こういう路地ってワクワクする(*´ω`*)

きっと週末はグデングデンの飲兵衛さんたちがいっぱい歩いているんだろうな~。

駅に戻って昼食!

駅前のラーメン屋さんで炭水化物ばっかりのガッツリしたご飯を食べました!

まとめ

ということで熊野古道「中辺路」口熊野巡りのパート①でした!

「紀伊田辺駅~稲葉根王子」の区間は、全体的に舗装路が多かったですが、ほとんどアップダウンも無くて、道標も豊富だったので非常に歩きやすいコース!

道中には熊野古道の歴史を感じる史跡が数多く並び、会津川・富田川の美しい眺めも楽しめる魅力的な区間でした。

コースタイムも予想以上に早く稲葉根王子に到着できたので、紀伊田辺駅に戻ってからは駅周辺を散策できて個人的にはのんびり楽しむのに最適な区間だったと思います。

では口熊野巡りパート②の「稲葉根王子~滝尻王子」へ続きます

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