2019年8月の初め、今回は金勝アルプスに登ってきました!
金勝(こんぜ)アルプスは滋賀県大津市と栗東市の境にある山塊。奇岩・奇石がたくさん山肌に露出した独特の景観が特徴的な山です!金勝寺を中心に山岳仏教が栄えた山としても知られ、狛坂磨崖仏や茶沸観音など当時の名残が数多く観られます。
金勝アルプスのハイライトでもある”天狗岩”からの展望はとても素晴らしく、またゴツゴツした岩場を越えて進む登山道は、ロープや鎖場などの変化がとっても楽しくて、低山でありながら登山の魅力たっぷりな山です!
今回はそんな魅力に溢れた金勝アルプスを周回ルートで登ってきました!
標高:金勝アルプス 竜王山 605m (鶏冠山491m)
場所:滋賀県 大津市と栗東市の境
25000分の1地図:瀬田、三雲
金勝アルプスの登山コース!
金勝アルプスはルートが豊富!
金勝アルプスの登山ルートは非常に豊富です!このマップは山中に設置してあった登山マップ。
代表的なルートは、
- 落ヶ滝線
- 狛坂線
- 天狗岩線(尾根、谷)
- 水晶谷線
- 北峰縦走線(竜王山経由、鶏冠山経由)
などがあります。上記のルートは登山レポなどでもよく見かけるルートです。
登山ルートが多くて分岐がたくさんありますが、各分岐ごとに道標が設置されているので、道は非常にわかりやすく、しっかり整備が行き届いている印象です。
今回は落ヶ滝線→北峰縦走線→狛坂線で周回!竜王山へも往復!
今回は比較的登山レポの多かった時計回りの周回ルートで金勝アルプスを歩きました!
登りは「落ヶ滝線」で北峰縦走線に合流し天狗岩へ、そこから白石峰まで進み竜王山へピストン、下山は「狛坂線」を下り桐生辻分岐から南谷林道を通ってスタート地点の駐車場へ戻ります。
このプランだとコースタイムは4時間30分ぐらいかな?休憩込みで5時間30分で計画しよっと!
今回のプラン!
- 登山口(6:44)→落ヶ滝(7:11)→北峰縦走線出合(7:49)→天狗岩(8:11)
- 天狗岩(8:31)→白石峰(8:52)→竜王山(9:04)→白石峰(9:15)
- 狛坂磨崖仏(9:31)→桐生辻分岐(9:45)→オランダ堰堤(10:25)→登山口(10:28)
天候:くもり→晴れ
距離:9.6km
行動時間:3時間43分
高低差:435m
金勝アルプスの駐車場とアクセス!
金勝アルプス登山口「一丈野駐車場」
今回のルートの登山口である上桐生には有料駐車場があります!きれいなバイオトイレもありました♪
金勝アルプスの登山口周辺はキャンプやBBQ、川遊びのスポットとしても人気があるので、登山者だけでなく一般のお客さんもたくさん利用されていました!
こちらが駐車場の料金表です!4月までは500円だったみたいだけど、少しだけ値上がりして普通車は700円です!
住所:〒520-2111 滋賀県大津市上田上桐生町一丈野 Google Mapsへ!
駐車料金:普通車700円 バイク200円
GoogleMapコード:34.969748, 135.992015
登山口へのアクセス!
登山口へのアクセスは、マイカーの場合は上記の駐車場へナビを設定。
公共交通機関利用の場合は、「JR草津駅」からバスが運行しています!帝産湖南交通バス。
最寄り駅は「上桐生」です。バス停から登山口まで徒歩1分。
運賃や時刻表は帝産湖南交通のHPから検索できます!
滋賀帝産グループHP:https://shiga-teisan.co.jp/
金勝アルプスに登山!
登山スタート!「落ヶ滝線」で天狗岩へ!
〈6:44〉それでは登山スタート!登山道の入り口は駐車場の奥の方にあります。入り口付近には自動販売機もあります。
入り口からしばらく林道を進み、一番最初の分岐から「落ヶ滝線」へ入ります。
奥池の畔を通り過ぎる。カモがすぃーっと気持ちよさそうに泳いでいました。
落ヶ滝線の入り口からしばらくは平坦な道を進みます。なんだろうこの石柱?
渡渉箇所。これから尾根に登るまでに何度も沢を渡るのがこのコースの特徴の一つです。このあたりから登山道の脇に大きなシダが生い茂ってきました。密林のジャングルを歩いてるみたい。
一旦、キャンプ場の遊歩道「たまみずきの道」に出ますが、ここはそのまま横断して落ヶ滝に向かいます。
滑りやすそうな渡渉箇所。
途中、鶏冠山への分岐があります。鶏冠山の山頂は展望がないみたいだったので、今回は立ち寄りません。
今回のコース全体を通してですが、迷いやすそうな箇所にはしっかりとした道標が分岐ごとに設置されていたので、道迷いの心配はなさそうですね♪
大きな岩を登っていく。アスレチックな楽しさ(*´∀`*)
コースの入り口から20分ほど歩いたところで落ヶ滝への分岐があります!ここは楽しみにしていたので往復してきました♪
〈7:11〉分岐から数分で落ヶ滝に到着!水量は多くないですが、高さのある立派な滝でした。岩肌の色が特徴的(゚∀゚)なんか日本の滝っぽくないですね。
周りのシダがジャングルっぽさがあって、ジュラシック・パークを思い浮かべました。USJ行きたい!
再び分岐に戻って登っていきます。頭の中にはジュラシック・パークのテーマがリピートされていました。
ここはちょうど落ヶ滝の真上あたりですね。
落ヶ滝の上部を通過すると、平坦な岩盤の上を歩くポイント。
まっすぐ進んでいくと段々になった小さな滝がありました。
滝に目が向いて気づかなかったけど、少し手前のここが進むべき登山道です。
もはや沢歩き!ジャングル探検してるみたいで楽しい♪
ここからまた岩盤歩き。このあたりは岩盤に小さな川の流れがあって、まるで庭園のようでした。温泉のテーマパークとかにありそうな景色。
岩盤の先から道が急に険しくなってきました。ここから尾根に上がるまではこのような急登が続きます!少し湿っていて滑りやすいので注意が必要です!
ロープを伝ってこの岩場を越えていきます。ここを越えると尾根までもうすぐ!
登りきって振り返ってみる!登っている最中はあまり感じませんでしたが、振り返ってみると結構急ですね。でも見た目ほど難易度が高い岩場ではなかったです。
〈7:49〉ということで北峰縦走線出合に出ました!ここからは稜線を伝って天狗岩を目指します!
ここまでだけでも落ヶ滝に、沢歩きに、岩盤歩きに、岩場にと見どころ多くてメッチャ楽しい♪金勝アルプスの登山道は変化が多くておもしろいって聞いていましたが、予想以上でした(*´∀`*)
北峰縦走線出合から北側に進むと鶏冠山へ登れますが、今回はスルーします。
南に進み天狗岩を目指します!縦走路に出た途端に登山道の雰囲気がガラっと変わりました!
稜線上は乾燥したザレザレした登山道で少し滑りやすい。ですがアップダウンはそれほどキツくなくて平坦な箇所が多いです♪
稜線に出てから少しの所で、岩の横を通過する箇所があります。左右どちらでも通過できますが、右側の方が歩きやすいです。ここは道が細く、切れ落ちているので少しだけ注意です!
通り過ぎたあたりで天狗岩がきれいに見えるポイントがありました!金勝アルプスのハイライト天狗岩!!ゴツゴツした岩が折り重なる姿がカッコええ~(о´∀`о)
説明していませんでしたが、金勝アルプスの登山道には各コースにしっかり番号分けされたコールポイントが各所にあります。ほんとよく整備されてるなー。
振り返って鶏冠山。今回は登りませんでしたが、次回は鶏冠山を絡めたルートを歩きたいです。
尾根を歩いていると次第に展望が開けた場所も増えてきました♪琵琶湖と大津市がバッチリ♪
絶妙なバランスで支え合っている大きな岩。御在所岳の地蔵岩みたい。稜線に出てからの登山道も御在所岳の登山道に似てる気がする。
またまた急登。ここは少しザレてるけど、岩が削れて自然の階段状になっているので、ロープなしでも簡単に登れました。
東側の景色。
岩の間を縫うように進んで目の前の天狗岩へ!
岩の間から天狗岩。左側の岩に模様みたいなのある!!もうすぐ到着だー!
と思ったら、一旦下って森の中へ。
天狗岩の麓を巻くように進み、再度登り返せば、
〈8:11〉天狗岩の取り付きにあるベンチに到着です♪ここにザックをデポして、ポーチに貴重品だけ詰め込み、身軽にしてから天狗岩に登ります!
ここは木陰ができるしお昼ごはんを食べるにもよさそうな場所ですね。天狗岩の上でご飯もいいけど、この季節は暑すぎます。
では天狗岩に登っていきましょう!
ここまでも岩場はいくつかありましたが、天狗岩周辺は高度感もあってちょっと怖い。
危険そうな箇所は丈夫な手すりや鉄橋、鎖などで安全対策されています。とはいえやはり落ちるとケガでは済まなそうなので足元に注意して登ってください!
岩のほそ~い隙間を抜けていきます!こっちはメタボに注意して登ってください!
天狗岩に登りましたーヽ(^o^)丿
スタートした時間帯はくもり気味だったけど、天狗岩に登った頃にはすっかりいいお天気♪
ではではお待ちかねの景色を楽しみましょう♪まずは琵琶湖!!対岸には比叡山と比良山系の山々が見えました!若干霞がかっているけど、この季節にしてはよく見渡せてる方かも!
北東側の景色。やや左に見えるきれいな三角形の山は三上山です。近江富士と呼ばれるだけあってきれいな形(о´∀`о)
西側の景色。新名神高速道路が見えます。新名神高速道路はこの山の下にトンネルが通っています。
この日は暑さを緩和するために少し早めに出発したのもあって、天狗岩では景色を独り占めできました。のんびり岩の上で足を伸ばして休憩した後、先程のベンチに戻ってきました!
天狗岩→白石峰!竜王山に往復!
〈8:31〉ザックを背負い直して行動再開!歩き始めてすぐに栗東市側からの登山道が合流します。
天狗岩から数分で耳岩に着きます。写真では伝わりにくいけど結構大きい岩でした。
耳岩には上桐生へ下れる「天狗岩線」と「水晶谷線」の下山口がありますが、今回は竜王山へも登りたいので分岐はスルーして白石峰へ向かいます。
耳岩を過ぎてから白石峰までは岩場の多かった今までの道と違い、階段が増えます。岩の隙間から階段が見えてちょっとげんなり。
石の階段を登って、
〈8:52〉白石峰に到着です!
白石峰の看板。標高は580m。
白石峰からは、金勝アルプスの最高点である竜王山まで往復します!ここから竜王山までは片道20分ほど。白石峰(580m)と竜王山(605m)はあまり標高差がないのであまり時間はかからないみたいですね♪
白石峰から出発してすぐに、茶沸観音様。
しばらく緩やかなアップダウンを繰り返して進むと、ベンチがある休憩ポイント!ここで道が直角に折れます。
休憩所の真正面には竜王山。急な階段を下って、その分を登り返すと、
竜王山の山頂の手前に祠があります。ここは大野神社の境外社で天之水分神(あめのみくまりのかみ)をお祀りしています。麓の金勝地区に水の恵みを与える神様。
祠から振り返って、ここを登っていくと、
〈9:04〉竜王山の山頂に到着です!
竜王山の山頂は木々に囲まれていますが、北側だけ展望が開けています!栗東市と琵琶湖。
〈9:15〉竜王山の山頂にタッチして白石峰に戻ってきました!往復30分ぐらいでした。戻ってきた時点で、まだ9時過ぎ。計画では昼過ぎに下山予定だったけど、このままのペースなら11時には下山できそう。
金勝アルプスの稜線の南側は山岳仏教の名残が感じられるポイントが多い印象。これから下っていく「狛坂線」にも”狛坂磨崖仏”や”逆さ観音”などの史跡があります。
「狛坂線」→「南谷林道」で下山!
白石峰から狛坂磨崖仏を目指して「狛坂線」を下っていきます。
数分で”重ね岩”。どうやったらこんな見事に上に乗るんだろう?下の岩には地蔵さんが彫られています。
国見岩の展望台。
ここからの景色もよかったです。立っている場所が国見岩?それとも左側の突き出た岩かな?
岩の間を下っていく。石の階段があって、参詣道のような雰囲気。
狛坂磨崖仏手前の下り道。このあたりは岩が湿っていて少し滑りやかったです。
〈9:31〉こちらが狛坂磨崖仏です!事前に調べてた時に見た写真での印象だと、もっと小さいものかと思っていましたが、かなり大きな磨崖仏でした!高さが6mもあるらしい。
磨崖仏の周辺には石垣が残っていて、ここにはかつて狛坂寺というお寺があったそうな。
さらに下っていくと、再びジャングルゾーンに突入!
この頃には気温もかなり上がって、息も上がってないのに額に汗が吹き出します。早い時間に出発して正解でした。
〈9:45〉下り始めて30分。桐生辻分岐に到着です。ここからは「南谷林道」を下って、上桐生の駐車場へ戻ります。
途中に耳岩で分岐した「水晶谷線」が合流。ここに降りてくるんだね。
しばらく林道を進み、道が舗装路に変わったあたりでトンネルをくぐって新名神高速道路の真下を通過します。
トンネルを過ぎた所で道が分岐。駐車場は左ですが、右に行くと”逆さ観音”があるので寄り道します!
こちらが”逆さ観音”。
どうしてひっくり返ったんだろう?と説明書きを読んでみると、もともとはもう少し上部にあって逆さになっていなかったらしい!下流にある「オランダ堰堤」築造時に石材の不足が生じたため使われてしまい、それが原因でバランスを崩して山上からずり落ちて逆さまになってしまったそうです。
身を削られ逆さになっても、地元の方々を大洪水から守っていてくださっている、なんとも寛大な観音様!!カッコいい!
逆さ観音を過ぎたあたりから、キャンプ場の敷地内に入ったみたいで、サイトのような広場がありました。子どもたちが遊ぶ楽しそうな声も聞こえてきました。
〈10:22〉子どもたちが川遊びしている、この堤防が「オランダ堰堤」このオランダ堰堤の築造に関わった土木建築技師のデ・レーケの胸像が建っていました。
あとは子どもたちが川遊びしているところを、汗だくでザックを背負った怪しいおじさんが通過し、
〈10:28〉スタート地点の駐車場に無事下山!予定よりかなり早く下山しちゃった。
駐車場は川遊びに来られた人たちの車で少し混雑し始めていました。
出発時は駐車場の管理人さんがおられなかったので、駐車料金をきっちり支払い、着替えを済ませて家路につきました♪
まとめ
金勝アルプスはジャングルのような沢歩きと滝、アスレチック感のある岩場、展望の素晴らしい天狗岩や、地域の歴史を感じられる史跡など、本当に歩いていて飽きの来ない見どころの多い山でした!!
登山道の変化が本当に楽しくって、話には聞いていたけど予想していたより遥かに充実した山旅でした♪本当にオススメです!!
道標も非常に豊富で、岩場にもフィックスロープや鎖などが設置され、しっかり整備されている印象です。ルートはまだまだいっぱいあるので、次回はルートを変えて登りたいと思います♪何回でも登りたい!
最後まで読んでいただきありがとうございました!ではまた~(^_^)/~