2021年3月下旬、今回は名草山に登ってきました!
名草山は和歌山市南部にそびえる229mの独立峰!山腹に”西国三十三所第二札所”の「紀三井寺(金剛宝寺)」がある小さな山です!!
山名の由来は神武東征軍によって滅ぼされた「名草姫」!
紀元前、名草山周辺は女性首長”名草戸畔”によって統治されていました。しかし「神武東征」の神武軍により滅ぼされ、遺体は3つに分断。頭は宇賀部神社(別名おこべさん)、胴体は杉尾神社(おはらさん)、足は千種神社(あしがみさん)にそれぞれ埋葬されたと言い伝えられています。
和歌山市街地からほど近く、登りやすい登山コースがたくさんあるので、初心者から楽しめるハイキングスポットとして人気!
山頂からは万葉集の故地『和歌浦』を一望できるなど、気軽に登れる山でありながら、展望にも優れた山となります!
また山腹の「紀三井寺」は”桜の名所”としても、とても有名なお寺です!!
今回は桜の見頃には少し早めですが、紀三井寺の参拝も兼ねて、歴史ある名草山をのんびりと散策してきました!
標高:229m
場所:和歌山県和歌山市
2万5000分の1図:和歌山
名草山の登山コース
代表的なコース
- 紀三井寺→一本松広場→名草山
- 内原神社→名草山
- 正行寺→一本松広場→名草山
- 広原バス停→一本松広場→名草山
- 竈山駅・竈山神社→一本松広場→名草山
などの登山ルートがあります!
名草山の登山ルートは麓の集落か放物線状に伸びており、上記以外にもたくさんのルートがあります!小さな山ではありますが、バリエーションは非常に豊富です!
どのコースも距離・コースタイムともに短く、初心者から歩きやすい山だと思います!
今回のプラン
今回は紀三井寺前の駐車場を起点に、周回ルートを計画しました!
登りは内原神社から:紀三井寺から住宅地を進んで内原神社へ。境内脇の登山口から登り始めます。途中、マリーナ台・見晴台と展望ポイントを巡りながら名草山の山頂へ。
一本松広場から竈山神社へ往復:山頂からは北へ尾根を進み、一本松広場から竈山神社へ。参拝後は駅へ向かわず、再び”はさみ池”から一本松広場へ戻ります。
下りは正行寺へ:一本松広場から高皇神社→正行寺と下り、住宅地を抜けてスタート地点の紀三井寺前へ!
このプランでの総距離は約9.3km!
標準コースタイムは約4時間です!
今回のプラン!
- 登り:紀三井寺(6:48)→内原神社(7:05)→名草山(7:38-58)
- 一本松広場(8:07)→竈山神社(8:36-45)→一本松広場(9:12)
- 下り:正行寺(9:25)→紀三井寺(9:38)
- 桜の名所「紀三井寺」参拝!
天候:晴れたり曇ったり
距離:9.9km
活動時間:2:50
駐車場・アクセス
マイカーの場合は「紀三井寺」周辺にコインパーキングあり!
マイカーの場合は、紀三井寺の境内前にコインパーキングが数カ所あります!※「紀三井寺駅」周辺にもパーキングがあります。
駐車料金は入庫後24時間最大で400~600円ほど。
料金の上限がない駐車場や、参拝用に入庫後3時間までの制限がある駐車場もあるので注意!
また紀三井寺の参拝者用駐車場もありますが、こちらも長時間の利用はできないため、登山で訪れる場合は24時間利用可能な駐車場がオススメです!
アクセス
〈マイカーの場合〉
- 阪和自動車道「和歌山IC」から約25分
- 阪和自動車道「和歌山南スマートIC」から約15分
〈公共交通機関の場合〉JR紀勢本線「きのくに線」
- 和歌山駅→紀三井寺駅:190円
- 海南駅→紀三井寺駅:190円
- 竈山駅→和歌山駅(わかやま電鉄貴志川線):250円
名草山に登山!
登り:紀三井寺→内原神社→名草山
〈6:48〉早朝の紀三井寺前。
予想よりも早い時間帯に到着してしまいました。どちらにしても紀三井寺への参拝は山行後と考えていたので、ここを起点に名草山へ登っていきましょう!
まずは南側の登山口「内原神社」へ向かいます!
路地をしばらく進んで、カーブミラーがあるここで左折。
山裾に沿って進んで、小学校の前を通過。
校庭から見える名草山!!ここから見ても高低差はあまりなさそうですね。
それにしても、なだらかな三角錐のきれいな山容(゚∀゚)!
小学校を過ぎて踏切を渡り、左側の住宅が並ぶ路地を進みます。
100mほどで左折し、再び線路を渡ると、
〈7:05〉山裾に内原神社があります!
内原神社の境内。
こちらの神社は”名草姫”を祀る神社です。
名草彦之命、名草姫之命、大國主命の三神を祀っておられます。
境内入口の右手に階段があります。ここが名草山の登山口。
山塊の南端から尾根に取り付きます。
登り始めは少しゴツゴツとした登山道。この日は深夜まで弱い雨が降っていたので、少し濡れていてすべりやすい。
しばらくすると緩やかな道となり、
〈7:15〉途中にテーブル・ベンチがあるマリーナ台があります!
名前の通り、マリーナシティ方面の景色が開ける展望台!!
まだ登山口から10分ほどしか登ってないけど、初っ端からなかなか素晴らしい展望ですね♪
マリーナ台から少し進んだところで三叉路の分岐があります。
ここは左右どちらに進んでも名草山の山頂へ繋がっているようです。
ブログ主は「見晴台」の文字に惹かれて左折!
少し西へと平行移動して、
再び北へ進路を変えて、ここから一気に登っていきます!
〈7:27〉少し登ると、見晴台に到着です!
マリーナ台と望む景色の方向は同じですが、
こちらからは南に藤白山脈を望むことができます!
ちょうど先週、鏡石山~藤白峠まで縦走してきました!熊野古道・紀伊路の『藤白坂』を絡めてのんびり歩ける楽しい縦走路でした♪
見晴台からほんの少し登ると、道幅の広い分岐に突き当たります。
山頂へはここを右側へ進みます。
ここを左へ進んでいくと、紀三井寺への下山路があります。左側のルートはそのまま山腹を進んで一本松広場へと繋がっています。
山頂へ向かいましょう!
お!サクラが咲いてるー(*´∀`*)!!
まだ満開ではないかもだけど、この日は日当たりが良い尾根付近では結構咲いていました!
この分だと、見頃は3月末頃~4月上旬になりそうですね!
道脇に並ぶお地蔵さん。29番『松尾寺』は京都のお寺ですね。
この広い道は「ミニ西国巡礼」の道。西国三十三所の各寺名のお地蔵さんが並んでいます。
分岐から少し進んむとまた分岐。
ここを右へ登っていくと名草山の山頂です!左側は山頂をスルーする迂回路。
山頂手前は少し急坂。でも距離はほんのちょっと。
〈7:38〉登山口から30分ちょっとで名草山の山頂に到着です!
名草山228.7m!!
山頂からは西側の展望が180度広がる絶景!!
真正面には万葉集の故地「和歌浦」が見渡せます!
あのあたりはまだ散策したことないんですよねー。和歌浦あたりの山塊は「章魚頭姿山」。章魚頭姿山もハイキングコースがあるようなので、そのうち登りに行きたい!
追記:章魚頭姿山に登りました!!
南側には藤白山脈のさらに向こうに、稜線上に風車が並ぶ”長峰山脈”まで見渡せました!
南の海にはマリーナシティ!
西側、章魚頭姿山の向こう側にうっすらと四国の本土。
北西側には友ヶ島とその向こうに淡路島まで見渡せます!
北側には大阪・和歌山を隔てる紀泉アルプスの山々!
名草山は標高が低く、短時間で登れますが、展望が素晴らしい!
やっぱり海が近いから見晴らしがすっごくいいですね!
一本松広場~竈山神社 往復
〈7:58〉山頂で20分ほど休憩して北へ進んでいきます!
このあたりもサクラなのかな?
ところどころで展望が広がる景色のいい尾根道♪
のんびり歩くのにもってこいの山ですね!
竹林を一気に下っていく!
〈8:07〉するとベンチが並ぶ一本松広場が見えてきました!
正面は竈山神社、右は広原、左は三葛・正行寺、左手前から紀三井寺境内へと通じる各コースが合流します!
この一本松広場を経由して山頂へ続くコースが多いんですね!
ここから紀三井寺へ下ってもいいんですが、それだと1時間30分ほどの短い山行になってしますので、今回はここから北へ進んで竈山神社まで往復することにしました!
下山はここへ戻って正行寺方面へ下ります。
一本松広場にある石碑。その後ろにある松の木が広場の名前の由来になっている一本松です!
松の足元に”二代目”って書かれていたから、初代は枯れちゃったのかな?
仲良し地蔵さん。
それでは北へと進んでいきましょう!竹林を抜けると、
坊主山の休憩所。たしかここは第2?だったかな?
休憩所のすぐ先の鞍部で麓からの道が交差。竈山神社へとそのまま正面へ登り返します。
登り返し!
登ったところの95mのピーク。ここが坊主山なのかな?
95mのピークのちょい先には、坊主山第三休憩所。
ここからは名草山から続く尾根がバッチリ見渡せます(゚∀゚)!!
山肌にサクラが結構咲いてる!!
さらに北へ北へと進んでいきましょう!麓までは緩やか~な下り道が続いてきます!
尾根の北端まで行くと、斜面を一気に降りて、
〈8:28〉はさみ池の畔に下ってきました!
はさみ池の登山口。
そのまま道なりに進むと住宅街に出てきました!
ここが入口です。
住宅街を抜けると、こんもりとした森が見えてきました!交差点を渡ると、
〈8:36〉竈山神社(かまやまじんじゃ)に到着です!!
竈山神社は神武東征の際、ここ紀伊の国で崩御した神武天皇の兄『彦五瀬命』が祀られています。
本殿の背後には古墳(竈山墓)があり、彦五瀬命のお墓だと伝えられています!
竈山神社の広い敷地内には、トイレやグラウンドなどもあり、折り返す前の休憩ポイント。
今回は一本松広場へと往復しますが、スタート時に「紀三井寺」へ参拝した場合は、そのまま「竈山駅」へ向かう事もできます。
紀三井寺駅~竈山駅へと、駅と駅を繋ぐ計画が立てられます!そちらの方がスムーズに名草山を散策できるモデルプランかな~と思います。
竈山神社で10分ほど休憩して一本松広場へ!はさみ池の畔から再び尾根に取り付き、
〈9:12〉30分ほどで一本松広場に戻ってきました!!
下り:一本松広場→正行寺→紀三井寺
一本松広場から紀三井寺へは約20分!
今回は直接紀三井寺へは下りずに、正行寺方面へ下ります。
一本松広場から紀三井寺方面へ進んで、
すぐのところで右手に下り道があります。
この道を一気に下っていくと、
石垣の美しい道となり、その石垣の隙間に、
高皇神社の鳥居が見えてきます!
高皇神社の境内。
高皇神社から階段を下ると、
〈9:25〉正行寺です!一本松広場から15分ほどの下山路でした!
正行寺からそのまま集落内の小道に出て、突き当りを左。
狭い路地を抜けると、
〈9:38〉スタート地点の紀三井寺前に戻ってきました!
少しボリューム感を出すために竈山神社へ立ち寄りましたが、それでもコースタイムは3時間弱。
距離は約10kmありましたが、全体を通してアップダウンが緩やかで歩きやすい道だったので、予想よりもかなり余裕がある山行でした♪
桜の名所「紀三井寺」へ参拝!
それでは紀三井寺へ参拝しましょう!!
実は、昨年の紀伊路、今年の大辺路の頃からずっと参拝したかった紀三井寺!
熊野古道内にある石標に「きみゐ寺」の名前がよく刻まれていたので、古道ファンとしてずっと楽しみにしていました!田辺市にある大辺路・中辺路の分岐『道分石』にも刻まれてた!
熊野三山の那智山にある”青岸渡寺”に次ぐ、西国三十三所の2番目の札所「紀三井寺」!
場所:和歌山県和歌山市紀三井寺1201
拝観時間:8:00-17:00
拝観料:大人 200円/70歳以上 100円/小・中学生 100円
那智山・青岸渡寺へ続く熊野古道「大門坂」
中辺路・大辺路の分岐「道分石」はこちらの記事の前半で↓
楼門の前におられる閻魔大王さま。怖い((((;゚Д゚))))
極楽往生がご利益とされる西国三十三所巡礼の逸話を伝えるため、33個の宝印を手にしておられます。
受付で拝観料を支払って、参拝していきましょう!
楼門を潜ると長ーい石段!231段もある「結縁坂」です!
サクラと楼門!満開には少し早かったかな?
結縁坂を登ると紀三井寺の本堂!本堂周辺は日当たりが良いのかサクラがバッチリ咲いていました!!
カメラマンさんがたくさん!紀三井寺の境内は写真撮影OKです!仏像などやフラッシュを炊くのはご遠慮くださいとのこと。
まだ蕾もあってまばらだけど、けっこう咲いてる(゚∀゚)!
春が来たな~ってしみじみ感じます。今年も暖冬だったから、少し桜の開花は早めですね。
ご本堂に参拝!
紀三井寺のご本尊は、”大千手十一面観世音菩薩”さま。
金箔張りのきらびやかで大きな立像仏さまです!木造の立像仏としては日本最大!!
本堂から振り返る参道!
サクラと多宝塔。まだ多宝塔の周辺は蕾でした。あと1~2週間後ぐらいが見頃かな?
名草山の中腹にある紀三井寺は境内からの景色も素晴らしい!!
時期は少し早かったけど、きれいなサクラが見られて大満足!
熊野古道を歩いていたときからずっと参拝したかった紀三井寺だったので、やっと念願がかなった気分です♪
いつか西国三十三所を全部まわってみたいです!
まとめ
ということで今回は名草山の散策でした!
山腹に桜の名所「紀三井寺」があり、名草姫ゆかりの歴史ロマンあふれる名草山!
山頂からは和歌浦を始めとした展望が広がり、桜並木の緩やかな尾根と非常に気持ちの良い山歩きが楽しめました!
やっぱりサクラが見頃を迎える3月下旬~4月上旬ごろがベストな時期だと思いますが、景色が良いので季節を問わず登山が楽しめると思います!冬枯れの時期とかもいいかも!
麓からの高低差も小さく、登山道も非常に緩やかで初心者から気軽に楽しめるハイキングスポットでした!!